ITコーディネータ システムアナリスト 西川雅樹のホームページ

【エピソード 7その1】
「いわゆる高齢者遠隔見守りカメラを自作してみた」上巻

【2015/03/07】
実は自分には、まぁそれなり歳をとった親父がいて兵庫県で一人暮らしをしているのですが、ご多分にもれず加齢とともに体力が落ちてきたり病気がちになったりで、迫りくる高齢化社会をひしひしと感じる今日この頃なのです。

普段は健在だろうとさほど気にしてもいないのですが、たまに所用で電話をかけたりします。

親父も利便性を考えて携帯電話を所有しているのですが、気楽な性格が災いしてしばしば充電を失念するのです。
家の固定電話はムダだからと数年前に契約を解除してしまっていて、携帯電話のバッテリーが上がってしまうとどうにもこうにも連絡が取れない事態になってしまいます。

それなり元気であればまぁ大丈夫だろうと思えるのですが何しろ高齢者、いつ何があるかわかりません。
何日間か音信不通になって心配してもたいていの場合杞憂なのですが、しばしば起きることだしそうそう近所の民生委員さんに確認をお願いするのも気がひけますし、本人は失念するだけで悪気があるわけでもないので、親族は少々困っていたのです。

世の中にはいわゆる見守りサービスとかありますけど、サービスエリアが限られていたりサービス料がそれなり高額で何年にもわたって契約するとなかなかな出費になりそうだったりで、どうしたもんだかしばらく悩んでいたのです。

そうこうするうち仕事柄何かのきっかけでMVNO(仮想移動体通信事業者、Mobile Virtual Network Operator)というものが世の中にあることを知りました。

正確詳細な事業内容がどうこうはさておき、平たく言うと携帯電話のSIM(携帯電話回線が使えるようになるためのICカード)

SIM写真
の販売とそれを介した通信サービスをやってる事業者で、そこからSIMを購入してそれをスマートホンに取り付ければ、DOCOMOやauと契約しなくてもスマートホンが使えるようになるのです。
ちなみにMVNO業者によりFOMAかAUいずれかのサービスエリア内でサービス利用可能です。
契約内容にもよるのですけど通信スピードMAX200~250kbpsでデータ通信だけできる契約だと、一か月ワンコインほどで利用できたりします。
もっと高速通信が出来るサービスとか、音声通話もできるサービスなんかもあります。

250kbpsはあくまでもコンディションが良い場合ですけど、一昔前にISDN回線で128kbpsで通信していたことを考えれば使い方次第で十分実用性はあるし、SIMを手に入れるのに初期費用¥3000~¥4000の負担が必要とはいえ、なにより月々の支払いが低額なのがとても魅力だったりします。

で、思いつきました。

中古のスマートホン(いわゆる白ロム)を入手して、それにリモートカメラアプリを入れて、MVNOから入手したSIMを入れれば、携帯電話回線経由で見守りが出来るじゃん、と。
携帯電話のバッテリー上がりは本人(見守られ側)が気づいて充電するまでどうしようもないけど、見守りカメラがあれば最悪の事態になっていないかどうかくらいはそれなりに判断することはできるでしょう。

中古のスマートホンいわゆる白ロムは、機種や附属品の紛失具合や本体の傷み具合にもよりますが、¥7000~¥8000も出せば機能的には問題ないものが入手できますので、うまくすれば初期費用¥10000ほど+維持費¥500/月ほどで高齢者の遠隔見守りカメラシステム(あるいは使い方次第で防犯カメラシステムとか監視カメラシステムとか)を手に入れることが出来るわけです。

アイデアを思いついたら試してみたくてどうしようもなくなる知的好奇心旺盛なわが身、早速白ロムとMVNO格安SIMを調達してしまいました。
SIMはヨドバシに走ってデータ通信ができる一番安いヤツ(税込@3240)をお買い上げし、SIMの動作確認がとれているSIMフリーの白ロムとして仙台駅東口の中古屋でN-02E(ワンピースモデル)を見つくろいました。
MVNO SIMパッケージ
SIMのほうは月額税込¥480円プラン(下り最大250kbpsデータ通信使い放題、SMS機能なし)でとりあえず実力拝見することにしました。ちなみにユニバーサルサービス料が2円余分にかかりますが、これの何がいいかってスピードは速くはないものの通信やり放題でデータ量の制限がないのです。
一定時間ごとにちょっとしたデータの送受信をするような使い方ならどれだけ使っても月額¥480は嬉しや有難やの極みです。
なお購入白ロム候補がN-02EなのでマイクロSIMをお買い上げしましたが、サイズが違うと当然使えません。
月々の利用料金決済はクレジットカードのみ可能です。
N-02E(ワンピースモデル)
N-02Eは中古屋で附属品一切なし、カバー部品一部が脱落紛失していて防水性能喪失、若干本体に傷もあったりなので@5980と結構お手軽に入手できました。
ワンピースである必要はなくて単にお店でこれが一番安いのでこれを入手したのですが、よく考えると自分自身はいまだにガラケーを使っていて、ある意味今更ながらこれが自分のスマホデビューでした(汗)。

過去(MS-DOS時代から)パソコンは何十台とセットアップしてきて瀕死のPCを蘇生させたこともサルベージしたことも何度もあるし、アンドロイドも少しはイジったことはあるけど、ユーザーとしてもエンジニア(モドキ)としてもまさにアンドロイドデビューなのです。

SIMカードICチップは添付取説に従ってカードから外し、スマホの取説に従ってスマホ挿入します。
スマホの本体設定のアクセスポイントの設定は素人さんにはややハードルが高いかもしれませんが、いちおうSIM添付の説明書通りにやればなんとか開通し、めでたくスマホユーザー(といってもデータ通信オンリーですけど)の誕生となるのです。

ベストエフォート250kbpsは写真が多いページ等だとさすがに表示完了までの時間がかかりますし帯域輻輳する時間帯もレスポンスが低下しますが、ちょっと調べごとをするくらいなら普段は十分な体感スピードです。今回みたいに使い方を選べば十分使えると思います。
写真の多いブログとかフェイスブックなんぞは回線の混み具合にもよりますが表示まで少々待ち時間がかかりますね。

もっとも、購入したN-02Eは動作が不安定な感じだったので、ビルド番号(アンドロイドのバージョン)も発売当初のままだったしアップデートをしました。ソフトウェア更新をするとか通信量が多い作業には、携帯回線では時間がかかるのでWiFi経由で通信するのが賢明です。
自分はアップデート後には、スマホの作動に不可欠と思われるものを除いて、大部分のアプリをアンインストールしました。内臓記憶媒体の空きを増やしたいのと、不要な常駐ソフトを削除して主メモリを空けたかったので。

GooglePlayからアプリをダウンロードするときももちろんWiFi利用がお勧めです。
とりあえずヨドバシSIMを使うためのサポートソフトについで、アンチウィルスソフトは真っ先にダウンロードしました。

(エピソード7その1 おわり)
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注:
当個人コンサル家業コーナーでは時としてギョーカイ用語、専門用語が出てきます。
できるだけ噛み砕いた書き方にはするつもりではいますが、用語に関するご質問や用語使いに関するご希望申し入れはすいませんがご遠慮ください
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