ITコーディネータ システムアナリスト 西川雅樹のホームページ

【エピソード 7その2】
「いわゆる高齢者遠隔見守りカメラを自作してみた」下巻

【2015/03/14】
MVNOデータ通信専用格安SIMと白ロムを入手した動機は、いわゆる高齢者遠隔見守りカメラを自作して多少でも安心したかったからでした(まぁ知的好奇心が若干それを煽ったとも言いますが)。
SIMと白ロムだけでは何の役にも立たないわけで、実はあたりまえながら購入前にいくつか使えそうな無料の候補アプリは目をつけていたのです。

自分がやりたいことは遠隔地に居住する人が体調の良し悪しはともかく、それなりに日々つつがなく過ごしているかどうかをモニタリングすること、少なくとも最悪の事態になっていないことを確認できる仕組みを作ることです。
なので端的にいえば、モニタリング対象者がそれなりに活動している、動いていることが確認できればある程度目的達成できるといえます。
家の内部に活動の形跡が認められる間はそれなり異常なく、したがって緊急対応には及ばない、という考え方です。

常時観察していてもこちらも付きっきりでいるわけにもいきませんので動画である必要はないし、適当に間をおいて様子が分かれば良いでしょう。
いちばん望ましいのは家の中で動く物体ないし生き物があればそれを検知して通知してくれて、しばらく待機したうえで一定時間後に再び動体検知モードに入る、という動作になります。
動体検知時に写真を撮って、こちらで写真を見られるなら最高で、そういう機能があるアプリがセキュカム(動体検知監視カメラ)でした。
セキュカム(動体検知監視カメラ)

先に結論を言うと、アプリの不具合かこちらのスマホとアプリの相性が悪いのか、初めはそれなり動いていたのにバージョンアップしたら動きがおかしくなり、動作検証のタイムリミットになってしまって今回は利用を諦めたのですけど、なかなか良くできたアプリです。

機能としては、自分が動作検証をしていた2014年12月時点で
(1)スマホカメラで常時動体検知をして、動くものがあれば gmail 経由で「動体を検知した」とメールメッセージを送信する
(オプションメールアプリのインストールが必要)
(2)動体検知時に撮影した写真を Dropbox へアップロードする
(オプションDropboxアップロードアプリのインストールが必要)
というもので、カメラ側スマホにデータを記録しない設定にできるので、安定動作していれば永久にモニタリングが出来るのです。

弱点は常時動体検知するためとにかくバッテリーとCPUリソースを喰うことで、可能な限り常駐アプリを削除しまくって常時充電してかろうじて動かせる感じでした。
なお2015年2月現在で「長時間利用した場合に、不意にアプリが終了する現象が発生しております。カメラデバイスを専有したままとなり、次回起動時にエラーとなります。お手数ですが、その場合は端末の再起動をお願い致します。」なのだそうで、なんとか改善してほしいところです。

認知症の患者さんの家の玄関に取りつけておくとか防犯用など使いかたはいろいろありそうで、暇になったらまたいじってみたいと思っています。 なお送信用のgmailアカウントは「セキュリティの低いアプリの接続を許可する」とかそういうような設定にする必要があるので、このアプリのメール送信専用のアカウントを開設するのが良いでしょう。

これ以外に試してみたけど動作検証や機能検証に生き残れなかったアプリに、遠隔監視ビデオアプリも含め以下のようなものがあります。
たぶんアプリがヘボなんじゃなくて開発者の動作環境とこちらの動作環境が違って相性が良くなかったのが主な原因だと思いますけど。

ホームセキュリティCCTV WardenCam
セキュカム(動体検知監視カメラ)
YouCanCheckPhotoEvery15min2
YouCanCheckPhotoEvery15min2
Salient-Eye 家庭用警報防犯システム
Salient-Eye 家庭用警報防犯システム
防犯・動体検知 無音カメラ
防犯・動体検知 無音カメラ
AtHome Camera
AtHome Camera

それにしても、ちょいと探せば無料で使える機能豊富なアプリがたくさんあるって、つくづく凄いご時世だと思います。

何本かのフリーアプリのなかで機能と安定性の検証に生き残り、自分が自分の使用環境で遠隔見守りカメラとして使う気になったのはMiカメラ - MailiTCam(バージョンはv1.0.6)でした。
仙台から兵庫県までそうそう気軽にリカバリーのために帰るわけにもいかないので、非常に重要な採用判断基準になる動作の安定性・信頼性をなんとかクリアしてくれたのがこのアプリでした。

Miカメラ - MailiTCam

一定時間ごとにカメラシャッターを切って、撮影画像を電子メールで所定のアドレス(最大で16宛先)に送信してくれるというもので、設定項目は
(1)撮影開始時刻・撮影終了時刻、撮影間隔(1分~23時間59分)
→→スケジュール撮影モードが起動していれば毎日所定の間隔で撮影してくれる
(2)メールサーバー(gmail、yahoo、nifty、ezwebなどのいずれか)の送信用メールアドレスと受信用メールアドレス
※※事前に送信用メールアドレスを取得しておく必要あり
→→受信用アドレス宛に送信用アドレスから画像をメール添付で送ってくれる
という非常にシンプルなもので、撮影した写真はメール送信すると同時にカメラ用スマホにも記録されます。

送信用のgmailアカウントは「セキュリティの低いアプリの接続を許可する」とかそういうような設定にする必要があるんじゃないかと思われるので、このアプリのメール送信専用のアカウントを開設するのが良いでしょう。

シンプルだからこそ比較的機種やOSビルドを選ばず安定しているのではないかと思います。
唯一不満なのは本体に撮影画像データが蓄積されることで、記憶領域や枚数の制限があったりして動作が止まったりする可能性は十分あるので、ここは一発、負荷テストをやってみることにしました。

どうも撮影間隔を1分に設定するとレスポンスが落ちるような体感だったので妥協して5分間隔で24時間撮影し続けました。
ひたすら延々と撮影を続けて画像データサイズを見ていると、そこそこ画像が判別できるくらいの明るさのときで画像1枚1.3Mバイト~1.7Mバイトくらいで(N-02Eの2592×1944カメラの場合)N-02Eの記憶領域の空き容量が4.5Gバイトくらいだったので1週間から10日くらいテストすればメモリ満杯になる計算です。
実際にやってみるとほぼ空き容量いっぱいまで機嫌良く動作して5800枚近く写真が撮れたので、画像の記録枚数上限(=最大連続撮影回数)はおそらくスマホの内蔵メモリ空き容量に依存していると判断できました。

暗い環境だと自動でフラッシュが光るものの、どうせ夜間は活動低下しているわけでモニタリングしても仕方ないし、朝7時から17時まで1時間おきに1日11ショットも撮影すればだいたい現場の雰囲気はわかるだろうし、そのペースなら8か月か9カ月くらいはモニタリングし続けることが出来ます。
メモリ満杯になったら機能停止して撮影画像メールを送信しなくなるので、そういえばそろそろ停止する時期だったなぁ、と思って対応すればよいわけです。

親父に画像消去作業を遂行させるのはさすがに無理でしょうから、宅配便で送り返すよう連絡することになるでしょう。
撮影した画像は/sdcard/DCIM/MiTCの中に保存されるのですが、MiTCホルダを消去すれば再作動OKなのも確認できているのでリカバリーも手間いらずです。

カメラの設置は寝室の本棚の内部に、寝具の枕の位置を中心に部屋の一部と廊下が見渡せる角度で固定しました。
見守りカメラ設置状態
見守りカメラ視野

この位置にしたのは、
(1)体調を崩して寝込んだらすぐにわかる
(2)寝室と廊下の様子はそれなりわかる
(3)なにかの拍子によろめいても本棚の内部ならぶつかって怪我をしたり壊したりする可能性が少ない
からです。

逆に日中はほぼ居間にいる(寝室にはいない)から画像では様子はわからないわけですが、前日と今朝の布団や枕の位置を見比べることで少なくとも今朝起床して居間(かどこか)に出て行っているようだろうから健在であろうことは推測でき、それで良しとします。

見守りカメラを設置することに抵抗されるかと思いましたが、携帯電話の充電忘れで周りを心配させたという負い目があるのか、意外とすんなり了解が取れたので安心しました。
意外なところでクレームがついたのは、たまに昼寝をするときに耳元でシャッター音がカシャカシャウルサい、ということでした(汗)。
やむなく手元にあった消しゴムをスマホのスピーカー穴の大きさに刻んで、それを押しこんで消音しました。それでもかすかにシャッター音はするのですが、許容範囲と判断を貰えて一段落です。

カメラを設置したのは正月帰省中で、それ以来2カ月以上たちますが、毎日機嫌よく写真が届くし、送受信ともに gmail を使っていますがこちらも快調です。
欲を言えば本体に画像を記録しないオプションがあるといいのにな、ということですが、まぁバージョンアップしてスマホとの相性が悪くなっても困るので諦めてもいいのでしょう。

MVNO格安SIMと白ロムと多様なフリーアプリを使いこなせば、まぁ当然何の動作保証もないですけどかなり面白い使い方が出来そうなことが分かりました。あくまでも自己責任であることを前提に、ヒマなときに色々遊んでみたいものです。

(エピソード7その2 おわり)
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免責:
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現在のアプリは自己責任で使っているし、読者のみなさんがお使いになる場合もあくまでも自己責任での利用であって、利用により何らかの損害が発生した場合でも西川が責を負うものではありません。
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