ITコーディネータ システムアナリスト 西川雅樹のホームページ

今後必要になる(誰でもできる) 震災復興支援について考えてみた

【2011/04/07】
今後震災復興に何が重要なのか、どんな支援が必要なのか、自分なりに思っていることを書いてみたいと思います。

震災から1カ月、被害の大きかった沿海部では未だ瓦礫処理も進まず、行方不明者の捜索や犠牲者のお弔いさえもままならない状況が続いていますが、一方で仙台市内中心部などでは徐々に日常が戻りはじめています。

避難拠点として認識されていない避難所などに情報や物資がいきわたらない、といった課題は未だありますが、それなりの規模の避難所などでは「生命を維持するために必要な物資」は比較的充足してきており、災害支援はおおむね緊急フェーズから次の段階に入りはじめた、と考えてもよさそうです。

「人間らしく生きるための支援」、たとえば支援情報の提供の充実であったり入浴サービスであったり、心のケアであったり、どちらかいうと日常に戻るためのソフト面の支援が今後重要性を増してくるのでしょう。
むろん、仮設住宅の設置や瓦礫の撤去支援や、あるいは被災者が再スタートアップするための義援金などハード面の支援の重要性が下がるわけではありませんが、「人間らしく生きるため」に今後は、多少の酒や煙草など嗜好品の提供なども、決して不謹慎とは言えないと思います。

ただ、被災者が生活を立て直すためにもっとも高いハードル、本質的に向き合っていかなければならない課題は、安定した収入の確保です。確実な収入が見込めれば、家を再建することも家財を調達することも安心してできますが、そうでないと自分の意思で欲しいものを入手することさえままならず、将来への不安が拭えないままになります。
そういう意味で、職場がなくなった被災者が新しい仕事に就く事が、長い目で見るともっとも重要な復興であり、再スタートの基盤となるのです。
被災者の再就職を支援することが、今後もっとも必要とされる支援になります。

被災者が職を得るためには被災消失した雇用を復活させるか、生き残っている雇用を拡大するか、いずれにしても雇用を拡充することが必要なわけですが、通常、企業の業績が伸びない限り雇用の増加は見込めません。
震災復興のためには、今まで以上に東北の商品・サービスが購入され消費される必要があるわけです。

今、直接に被災した企業は事業再開のために懸命に復旧作業を行っていますが、東北には直接に被災しないまでも取引先が被災して売り先がなくなった会社、原材料入手難や物流の混乱などで事業が滞っている会社、思わぬ風評に苦しんでいる会社など、間接的に震災の影響を受けて苦戦し先行きに懸念がある会社が少なくありません。

苦戦しているこれらの会社の雇用を守り、被災企業が事業を再開したときの雇用を確実なものにするのが被災者の生活の再建・東北の復興に欠かせないのです。

当ホームページをご覧いただいている皆さんにお願いします。
東北の産品あるいは一部でも東北で加工された商品がお店で販売されていたら、少しだけ優先的に購入してほしいのです。
もし機会があれば、観光でもまったくかまいませんから東北に来てほしいのです。
東北の産品やサービスを購入したり東北を訪れてお金を使うことが東北の復興に不可欠であることを、できる範囲でいいのでPRしていただきたいのです。
普段の生活の中で、無理なくできる時でいいので、息長くやっていただくことが被災地の真の復興につながります。
復興ボランティアも義援金もとてもありがたい支援なのですが、これからはそれ以上に、日本各地で営まれる普段の生活の中で、東北の雇用を支えていただきたいのです。

昨今は日本中が自粛ムードに陥り、東京でも通常時の1~2割しか売り上げがない飲食店も多数あると聞きます。こういう状況が続くと震災を引き金にした消費低迷が一段と悪化して、東北の復興をますます遅らせてしまいます。
バカ騒ぎをするのはこのご時勢いかがなものかとは思いますが、過度な自粛に陥ることなく、ほどほどの消費と賢明で息の長い復興へのご協力を、切にお願いします。