当コーナーをご覧の皆様へのお願い
東北にはかつて無名の湯治温泉宿が多数あってそれぞれ地域固有のすばらしい温泉湯治文化が育まれてきましたが、近年の地方の衰退・過疎高齢化の進行は少なからぬ宿の休業・廃業を招き、その状況は悪化の一途をたどっています。
改めて当コーナーの運営趣旨ですが、そういった温泉宿や湯治文化を含む地域文化の消滅を少しでも遅らせ回復するための個人的抵抗として行っています。
つまり、東北各地の温泉宿のプロフィールや宿泊実体験を広く情報発信することで、それらの宿や湯治温泉場のことを一人でも多くの方に知っていただき、そこにお越しいただき宿泊して頂くことで、少しでも地域や宿の活力・文化の維持回復に貢献したいのです。
お蔭様で当コーナーも少しずつですがアクセスも増え、リピーターも増えつつあります。
一方で、温泉のブームもあって人気宿にはそれなりに客足もあるものの、近頃非常に懸念されるようになってきたのが、湯治という文化や地元の流儀に敬意を払わない困ったお客さんが増えつつあることです。
他にお客さんが入浴していても断りも無く写真を撮る、日中はおろか遅くまで客室で大声で話し込む、子供が騒いだり人に迷惑をかけていても放置する、など、昨今では目に余る事例は枚挙にいとまがなくなってきました。
湯治場・湯治宿というのは、そもそもレジャーや宴会のための場ではなく、もちろん一人の客だけのものでもなく、お互いを気遣いつつ静かに心と体を癒す療養滞在をするためのものです。
当コーナーをご覧いただく皆様におかれては、ぜひそのことをご理解いただき、お宿の流儀や地域の文化、宿泊しているほかのお客様を尊重して宿泊していただけることを切にお願いします。
我々の世代で、かけがえのない地域固有文化が衰退消滅することのないようご理解いただき、皆様の力をお貸しください。
よろしくお願いします。
西川拝