民宿ぶなこ
東北(青森県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
弘前 羽黒温泉
≪2010年04月宿泊≫(1泊)
津軽お湯めぐり(season2)も4日目、弘前のゴールデンウィークまっ最中は花見でやたら込み合うので、中津軽をウロウロするのは今日明日が最終日です。このあとは花見帰り客の渋滞に巻き込まれないように交通事情を見計らって南下するのですが、今日は・・・
●温川温泉(南津軽郡平賀町) 入湯
●西洋茶寮 salon de 甚兵衛(弘前市百石町)でハヤシライスの昼食
●弘前市老人福祉センター・瑞風園(弘前市大字高杉) 入湯
●ANEKKO直売所 野市里(弘前市宮地)嶽きみソフト賞味
とやや余裕のある日程(といっても温川温泉往復は結構時間がかかりますが)をこなしたのです。
実は弘前ってフレンチの実力店が多い町なんだそうで、かといってランチでフレンチの柄でもないので、市内観光施設「百石町展示館」内にある有名レストラン系列のレストランで昼食を取ってみました。自分の味覚には残念ながらそれほどの訴求はなく、それより食事が出てくるのがやたら遅くて参りました。
弘前市老人福祉センター瑞風園は、市直営施設だけあって入浴料を支払うと、希望者には市長名義の領収書をくれます。ちょっとだけ記念になって思いがけずうれしいのです。
民宿ぶなこに着くと、まずおばちゃんにより
・懐中電灯の説明(夜間露天風呂入浴の必須アイテム)
・露天風呂・脱衣所の案内
・内風呂の案内と利用方法説明
・台所の自慢の湧き水の説明
がひととおり執り行われます。
どうもこれら一連の説明がチェックインの儀式になっているように思われました。
おばちゃんは到着のっけから、「幼稚園の時から知ってる近所のおばさん」っぽい、やたら気の置けないノリです。昔っぽい人付き合いが不得意なヒトにはちょっと苦手かもしれません。
客室は3室あります。到着したお客さんに順番に好きな部屋を選んでもらうんだそうで、当日宿泊客は自分だけだったのでどれでも選び放題です。オトナゲなく夜中に移動するとかして2部屋くらい使おうかとも思いましたが、景色の良い、唯一の2階の客室に落ち着くことにしました。
ちなみに1階奥の部屋はこんな感じ(6畳くらいかな?)
こちらは1階手前(道路向き)の部屋
「おばちゃんは足腰の具合がよくない」ということで、1階に用意してあったポット・お茶請けはセルフで二階に持って上がります。ここのところおばちゃんあまり体調がよくないとのことで、3部屋フルには客をとらないのだとか。ちなみに今回滞在も、自分の宿泊予約を受けたあとしばらく体調がよくなかったのでクローズしていて、宿泊客は久しぶりみたいでした。
ご厄介になったのは16畳+ヒーター、テレビ、鏡台、南北とも窓各2枚ある、道路目の前にしては静かな2階部屋です。室内壁一面にはぶなのスライス材があしらわれてなかなか青森の片田舎らしさのあるいい感じです。
和テーブル・座布団4枚があり、室内コンセントは2口×3、民宿なので部屋鍵なし、冷蔵庫なしです。
アメニティ系はお茶請けに津軽せんべい、浴衣半纏、ティッシュでした。
厚い掛け布団+薄い掛け布団+敷布団たくさん、毛布も多数あります。
荷物搬入完了したら早速、日帰り入浴は受け付けていないという露天へ直行です。38℃くらいと温めで、浴後おばちゃんが「ヌルくなかったか」と聞くので、「ヌルい湯に長時間浸かっているのがよく温まるし好きなのだ」と答えたら、横でおとっつあんがいかにも我が意を得たりという顔でニヤリとしていました。当然引き続いて内湯にも入って、宿泊者のみに許されるお湯を堪能しました。
夕食はロビー兼用の食堂でいただきます。おばちゃんは「今日は特別よ」と何がなぜ特別なのかわからんが、山菜小鉢がずらりと並ぶご馳走でした。
実は予定夕食開始時間を5分ほど遅れて食堂にはいったのですが、おばちゃん少々ご機嫌悪化モードでした。食事時間前には食堂にスタンバイするのが、当宿でおばちゃんとうまくリレーションシップを維持形成するコツなようです。
コゴミとバッケ(ふきのとう)味噌
ミズとゼンマイ(かな?)
カブの漬物、ウド、?と?
焼いたアジ
山菜取りと大部分の料理はおばちゃん担当ながら、天ぷらを揚げるのだけはおとっつあんの担当業務なのだそうです。おとっつあん手製の山菜天ぷらにはビール大瓶をいただき舌鼓を打ちます。
でも山菜小鉢にはやはり日本酒ですから、昨日飲み残して持参している日本酒を飲んでよいか聞くと、おばちゃん「あーいーよ、うちは持ち込み大歓迎よ~」だと。まったく気が置けないお宿です。
あまりの肴の多さについ持参していた次の1本も開栓して、しっかり酔っ払ってしまい、腹いっぱいとなりました。
豚の焼肉も、しっかりした味でがっつりこってり美味しかったです。
ちなみにおとっつあんは天麩羅を揚げるにとどまらず、食事のテーブル、削り出しの木の椅子、食堂の内装、露天風呂などの製作者なんだそうで、以前はスキー連盟の偉いヒトだったとか、ハンググライダー団体の青森支部長だとか、岩木山の写真集を出版していたり、地元のりんごジュースのパッケージをデザインしたりと、やたらマルチな才能のおとっつあんなのです。
食事後半はおばちゃんは自室に戻られましたが、結構お話が尽きることがないのです。
最近は夜も9時過ぎてから宿泊予約の電話を入れてくる不躾なやつがいて、おとっつあんには、そういう客の予約は取らぬよう言いつけてある、おとっつあんは村から国体選手だかオリンピック選手だかを出したことがある、等等等・・・・
おばちゃんには申し訳ないのですが酔っ払いには情報量が多すぎ、メモリーが飽和してしまったので、あまり覚えていません(笑)
朝ご飯も食堂で、シンプルながら心のこもった充実の内容。しっかりいただきました。
食後には、おばちゃんご自慢の美味しい湧き水をたっぷりPETボトルに補給して出発しました。
民宿って、宿の人やほかの泊り客との居心地の良い距離感をつかむのがなかなか難しい気もしますが、たまには民宿泊もよいものだ、と思える1泊でした。
でも、ここんちにうかつに連泊すると、見事に太ると思います(笑)