ITコーディネータ システムアナリスト 西川雅樹のホームページ


森山荘
東北(秋田県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
雫石 国見温泉

≪2010年11月宿泊≫(3泊)

近年毎年欠かさない国見温泉の緑のお湯に、まだ今年は浸かっていないことに10月下旬になって気がつきました。5月ゴールデンウィークはアクセス道路(県道266号線)の冬季閉鎖がまだ開通しておらずフラれてしまい、夏場になると露天には虻が出て入浴中落ち着かないのがわかっているので、来る気にならなかったのです。

シーズン終わりになって「こりゃいかん!」ということで(何がいかんのかはともかくとして)宿泊受入れ状況を確認したところ、石塚旅館は宿泊受入れ10月末まで(旅館部のみ、自炊部は20日頃で受入れ終了)でしたが、森山荘は11/9まで旅館部・自炊部とも宿泊OKということでした。
であれば森山荘に行くしかありません。

仙台から国見温泉まで走った当日は、下界は時折の強風雨なものの多少肌寒い程度の気候でした。ところが国道46号線から国見に分け入って行くにつれなんと、ドライ路面だったのがだんだん雪が深くなっています。
宿で聞いたところ、朝まで薄化粧程度だったのが昼前後にかけて急に降り積もったのだそうです。
岩手県森山荘駐車場
岩手県森山荘駐車場

10cm弱の積雪でしたが、早春・晩秋に寒帯地方並みの気候の山奥に行くのは慣れっこ、抜かりなくすでにスタッドレスタイヤを履いているので何の問題もありません。
途中まで夏タイヤで登って来たものの、あきらめて引き返したお客さんもいたのだとか、そのあたりが経験の差だといっておきましょう。国見温泉や須川温泉の気候はラクラク北海道並なので、5月・10月の降雪はあたりまえなのです。

ともあれ雪をあしらった森山荘の旅館部入り口(上)、内湯/自炊部入り口(下)まで、鼻歌交じりで到着です。
岩手県森山荘旅館部玄関
岩手県森山荘自炊部玄関
まっすぐ中に入ると左手が男女別内湯の脱衣所入り口、正面が共用トイレ(洗面と洗濯機もあります)、右手に廊下を挟んで自炊宿泊客室です。
岩手県森山荘内風呂前

廊下左右に自炊客室があり、突き当たりは共同炊事場となっています。
岩手県森山荘自炊部廊下

ご用意いただいた部屋は、トイレ・風呂にいちばん近い「梅の間」です。入浴客が押し寄せたときは少々やかましい部屋ではあります。
足腰に不自由のある高齢者には風呂への近さゆえ人気の部屋だそうで、ショートカットできるようにとの心遣いなのか、廊下側のみならず風呂側の壁にも出入り口があります。

たたみ7.5畳にちゃぶ台、お茶セット、ストーブがあるだけの部屋です。お着き菓子「岩手さん」がありました。ストーブの給油は、内風呂前にあるポリタンクから勝手に入れてよいのです。
室内照明は2灯式蛍光灯なので、ご近所の石塚旅館竜川荘よりはうんと明るいです。
内装も(昭和前半か?と思える竜川荘よりは)だいぶ新しいです。
個人的には昭和前半も味があってよいのですが、明るいのは嬉しいですね。

寝具は(敷布団1枚+毛布1枚+掛け布団1枚)が1人分になっています。
岩手県森山荘自炊部梅の間入り口
岩手県森山荘自炊部梅の間室内
岩手県森山荘自炊部梅の間室内
岩手県森山荘自炊部梅の間室内
岩手県森山荘自炊部梅の間室内

部屋入り口上に、なんとなく状況に不釣り合いな赤富士の額があるのですが室内にコンセントはありません。廊下に出て部屋入り口横にコンセント(たぶん掃除用)があったので、延長ケーブルで引き込んで携帯の充電などに使いました。
自家発電の宿なのでヘアドライヤーなぞ使った日にゃブレーカーが落ちてしまいますので、そもそも基本的に宿泊者の電気器具利用はまったく想定していないのでしょう。
ここでは携帯はauはかろうじて通話できるかできないかくらいみたいで、FOMAは圏外です。

部屋扉に鍵はありません。と、思っていたら、滞在3日目くらいに扉内側に鍵金具を発見しました。
こんなの暖簾の陰に付いててもわかんねぇですよ(笑)
岩手県森山荘自炊部梅の間室内

こちらは共同炊事場の様子。
岩手県森山荘自炊部共同炊事場
岩手県森山荘自炊部共同炊事場
岩手県森山荘自炊部共同炊事場
岩手県森山荘自炊部共同炊事場
岩手県森山荘自炊部共同炊事場
岩手県森山荘自炊部共同炊事場

食器やなべかま類は足らなければ貸してもらえると思いますが、自炊5室で共用するとすれば、流しやコンロは少し処理能力不足な気もします。食器洗剤とスポンジはあります。
自炊宿泊室は道路に面したところにも9室くらいあって、こちらのお客さんは2~3室ごとにそれぞれ個別の共同炊事場があるのだそうです。
気候のよい季節であれば、宿から炭付き@1,000でバーベキューセットを借りて(食材は持ち込みです)外でパーティーもできます。

梅の間廻りの自炊部屋は意外と客(盛岡の長期滞在のじっちゃばっちゃとか)が滞在していて活気があるものの、離れた部屋は空いているとのことでした。本館旅館部のほうもシーズン終わりで稼働率は高くないらしく、TVもあるので遊びにいらっしゃいと誘われましたが結局行かず終いでいたら、女将さんがカボチャの煮物を差し入れしてくださいました、
旅館部にはセルフコーヒー@100があるそうです。

参考までに自炊部屋2号室(上)、3号室(下)の室内の様子、続き部屋になっています。
こちらも室内コンセントは見当たりませんでした。
岩手県森山荘自炊部2号室室内
岩手県森山荘自炊部3号室室内

過去お世話になった時は3号室の位置に泊まりましたが当時は独立の部屋で、その後改装したようでした。当時はコンセントがあったような気が・・・・・
ちなみに「松の間」はツインベッドルームみたいでした。「竹の間」はよくわかりません。

混浴露天風呂と露天からの眺め。
岩手県森山荘露天風呂
岩手県森山荘露天風呂眺め
岩手県森山荘露天風呂眺め

混浴露天は、11:30~12:30と20:00~21:00は女性専用になります。

結局滞在中に内風呂に3回入ってほかのお客さんとの遭遇は3人(1回は貸切)、露天は6回で3人(うち3回は貸切)と、かなりの独占状態を満喫できました。シーズン終わりギリギリの悪天候下では、国見までやってくる物好きは少なくはないものの多くはないようです。

今回の滞在では露天は37℃~38℃と超長湯向き、自分には「どストライクゾーン」だったので、結局露天湯には累積5時間は浸かっていた思います。
ちなみに内湯は42~43℃くらいと良く暖まる温度で、シャワー2基、シャンプーと石鹸があります。

宿泊料金は、宿のホームページでは@2,800~となっていますが、@3,000+消費税+入湯税(¥150)で都合一泊@3,300でした。冬季暖房費の請求はありませんでした。

滑り込みで国見温泉を満喫できましたが、まもなくここも長い冬季休業です。
自分にとって国見温泉と須川温泉は大袈裟に言えば生活の一部、半年間入れなくなるのは非常に苦痛だし不便です(なんちゃって国見は1年ぶりですが)。
それもこれも、温泉へのアクセス道路が冬季閉鎖されてしまうからなんです。

岩手県さんもごたぶんに漏れず財政難なのでしょうが、もう少し遅くまで(春はもう少し早くから)道路除雪して、4月中旬くらいから11月いっぱいくらいまでは滞在できるように配慮して欲しいと、心から願います。県外から集客できる力がある(その魅力を存分に発揮できているかは別問題として)温泉なのだし、まわりまわって県税収にもプラスになることなのだから。

国見・須川の長期営業にご賛同いただける方は、是非岩手県の県土整備部か商工労働観光部あたりに嘆願しまくってください。思いのほか効き目があるようです。
特に春の開通は、除雪開通する順番を入れ替えるだけのことですからね。

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