かすみ温泉
東北（秋田県）格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
由利本荘　かすみ温泉

≪２０１３年０５月宿泊≫（１泊）

なかなかのヌルツル系硫黄冷鉱泉らしき情報を仕入れて、循環だから過大な期待はしないまでも気になったので訪問してみました。１泊２食＠６０００で、設備がないので自炊は受け入れていないのですが素泊まり＠３５００はできる宿です。

少々外観はくたびれてはいるものの、内部もそれほどでもないにしてもやはり正直くたびれ気味ではあります。




ご案内いただいたのは２階にあがって左手、宿の正面側の「よしの」でした。



外鍵のある引き戸をはいると、畳４．５畳敷きで和テーブル、お茶セット、７チャンネル（うち１チャンネルは時間帯によっては文字放送になる）＋気象情報チャンネルが映る２２インチくらいの無料デジタルテレビ、エアコン、季節がらファンヒータ、というこじんまりした部屋です。




入室時すでにマットレス×１＋羊毛敷布団×１＋毛布×１＋木綿掛け布団×１がセットされていました。部屋に押入れはありますが、布団は入っていませんでした。
アメニティはタオル、歯ブラシ、浴衣ですが、浴衣は使わないのでご遠慮しました。
窓の下に２口コンセント×１があり、窓にはカーテンが下がっているのでゆっくり朝寝できます。

男女別各１室の内湯があり、１．５ｍ×２．５ｍくらいの浴槽で冷鉱泉なので４３℃くらいに温度設定されている循環沸かし湯です。



入浴可能時間は７時頃～２２時です。




この冷鉱泉、相当な卵臭のヌルツルで、宿の人に聞いたところ循環にもかかわらず「源泉に塩素が多量に入っているので塩素消毒はしていない」のだそうです。

この風呂の楽しみ方としては、ボイラーが止まる２２時以降の深夜またはボイラーに火が入って湯温が上がり始める６時頃のナマヌル湯に長々とつかる、あるいは浴槽上に設置された源泉蛇口をひねってバカスカ源泉を投入する、のいずれかでしょう。
自分は入浴時間が朝７時からなので６時半頃に入浴しましたが、すでにそこそこ湯温が上がってしまっていたので、何の遠慮もなく源泉大量投入して低温朝湯を楽しみました。

源泉はかなり冷たいのですが卵臭サクレツのヌルツルで、そうそうお目にかかることのない上質冷泉です。
浴槽の湯自体は循環されて本来の力を失っていますが、源泉でタオルをよくすすいで顔を覆って深呼吸すると卵臭がサクレツして、脱法ドラッグよりもハイになれそうです。

宿泊者が利用できる炊事施設はありません。
食事は夕食は１８時４０分頃に部屋にお持ちいただきます。
まぁ普段の家の食事、といった感じでしょうか。ご飯はなかなかおいしかったです。


朝食は部屋でも食事処でもいいのだそうで、７時頃～８時半くらいでお願いするのですが、やはりシンプルな朝食でした。


冷泉循環加熱ということで内心それほど期待してはいなかったのですが、塩素がないのがなんといっても高評価で、コンディションにもよるのでしょうが結構なヌルツルを味わえるし、必要なら源泉を投入すれば十分に浴感を楽しめる、意外に掘り出し物のお湯です。
浴室の石鹸類の臭いが卵臭に勝っているのは残念なのですが、源泉を湯桶に汲んで顔を突っ込むなりタオルに含ませて深呼吸するなりして楽しめば、それだけでも宿泊料のモトが取れそうないい冷泉でした。
素泊まりから￥２５００を上乗せして１泊２食付きにするかどうかは、人それぞれだとは思いますがなかなかビミョーな判断かもしれません。

なお個人的な興味の優先度が（湯に比べて）高くないのでついでのお話ですが、宿の裏手に天然記念物のかすみ桜という桜が生えています。
訪問時は半分くらい花が散ったところで、浴室からも眺めることはできたのですが、もっぱら源泉と戯れるのに夢中になっていて、あまりよく見ませんでした。