不二乃湯
東北(山形県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
東根 さくらんぼ東根温泉
≪2013年11月宿泊≫(1泊)
不二乃湯は2015月11月で営業をやめたそうです。
心から残念です。
東根とか天童あたりでは自炊湯治宿はとっくに絶滅しているものと思い込んでいましたが、ネットで新規宿の探索をしていて当宿を見つけたので、ちょっとどんなものか調査に訪問しました。
ウィークデーは自炊1泊オール込み@3435で、冬季はこれに1泊1部屋最大で@1575の暖房料がかかるようです。午前10時からチェックインOKで翌午後4時まで滞在しても宜しいという、実に大らかというかホントデスカ的なお宿です。
滞在時間が短ければ多少暖房料を配慮いただけることもあるような感じで、今回は結局14時頃から翌10時までの滞在で¥1050(平日泊のフル請求だと税込¥1575)の請求でした。宿泊予約の電話でどうしても暖房料が割高になってしまうのが申し訳ない、と誠実な感じの対応でしたが、好意的に対応していただけたようで感謝です。
宿に着いたのは14時頃でした。
玄関前に大きなひさしがあって、荒天時でも落ち着いて車の昇降や荷降ろしができるのはありがたいですね。玄関脇左右にあわせて6台分くらいの駐車スペースがあります。
ご案内頂いたのは風呂場手前の階段を2階に上がって右手すぐの7号室です。
木の引き戸を開けると0.5畳ほどの踏み込み右手に120リットルくらいの冷蔵庫、右手にガスコンロがあり、コンロ台の下には若干の鍋・調理器具類と2人分の食器があります。
ちなみに部屋を出たすぐに小ぶりの流しがあってガス湯沸かし器もあるし、その横にトイレもあるので客室内と室外2mほどの範囲の中でたいていの湯治生活がすんでしまう仕組みになっています。
もっとも、踏み込みをはいって一瞬気後れしてしまいました。
12畳の畳敷き客室部に濡れ縁が3畳ほど、やたら広い部屋なのです。どうも6畳間2室を1室にぶちぬいた部屋みたいです。
足腰があまり達者でないお客さんで1階が満室で、それで広い部屋しかない2階にご案内いただいたのかもしれません。
室内設備はコタツ、ファンヒータ、藤製のイス、エアコン、床の間部に35インチくらいで6チャンネル映る無料デジタルテレビ、小ぶりな鏡台、といったところです。
自炊なのでアメニティ類はありません。
コンセントは床の間窓側に3口×1、濡れ縁の中央仕切り壁に2口×1、濡れ縁の端っこに2口×1です。
窓はほぼ部屋幅でしっかりしたカーテンがかかっていて、濡れ縁と部屋は雪見障子で仕切られています。窓から玄関ひさしや駐車場が見渡せる部屋です。
自炊設備は1階風呂場奥にも共同炊事場があります。
こちらにも無料コンロも鍋釜調理器具もあって、電子レンジもありました。
こちらの宿は昔からの湯治宿だそうで、玄関入って廊下を左側に進んだあたりに男女別浴室のほかに混浴室があります。たぶん近辺ではもう混浴室は珍しいのではないかと思います。
男性浴室には2mちょい×1.5mほどの41℃くらい・薄ウーロン茶色、薄卵+モール臭のおとなしくて優しい湯加減のかけ流し湯の浴槽があります。
シャワー付き蛇口×1基、シャンプー、ボディーソープありで、清掃の関係で入浴時時間は06:00~22:30みたいでした
混浴室は、脱衣所がナニゲにすだれで男女に仕切ってあり、浴室はいってすぐに漆喰の目隠し壁があって洗い場は男女コーナー別に両サイドにしつらえてあります。
男性コーナー、女性コーナーにそれぞれ水蛇口と湯蛇口が各1、シャンプー・ボディーソープありです。
3m×2mほどの42℃くらいの浴槽で湯質は男女別と同じと見えたものの、浴槽内で水面下給湯しているようで、そう思うとこちらのほうがいい湯に思えてきてしまいます。
入浴時時間は06:00~22:30と表示されていました。
こちらのお宿は日帰り入浴は基本的に受け付けていないようで、他にも宿泊客はいたようですが男性浴室、混浴室とも滞在中フルに貸切でのんびりさせて頂きました。
寝具はセルフ敷きで、押し入れにマットレス×3、木綿敷布団×2、木綿掛け布団×2、毛布×2があります。
外観は少々老朽化していますが、1階客室はわからないものの7号室は十分にきれいで、居心地の良い部屋です。自炊しなくても近隣には飲食店もそこそこあるようで、お手軽に温泉滞在できるお宿といってよいでしょう。
なによりも、まさかあるとは思ってもいなかった自炊湯治宿がさくらんぼ東根温泉にあったということがびっくりでした。
求めよさらば与えられん、と、どこからか聞こえてきたような気がしたのでした。