○○保養所
東北(山形県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき番外編
≪2014年----≫(--)
当施設は某民間企業の温泉保養所なのですが2014/03現在、当該企業の従業員、従業員家族、会社OB、同伴者に限り利用することができます。
最近まで不特定一般部外者の宿泊・入浴も可能だったのですが、大人げないクレーマー客を泊めて懲りでもしたのか、理由はしかとはわかりませんが昨年以降関係者限定となってしまいました。
当記事では、まるで宿泊したかのように詳細な描写で当施設の紹介をし、かつて東北に一般の人でも気兼ねなく宿泊できるこういうこういうありがたく感謝に耐えない施設があったこと、ごく一部の心ない(あるいは大人気ない)宿泊者のために、大多数の温泉愛好者が「いい温泉施設の恩恵を受けられなくなりはじめているかもしれない」ことをお伝えしたいと思います。
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こちらの施設は山形県最上地方の某温泉郷のはずれにあり、温泉街の商店や食事処にはかかろうじて徒歩アクセスできる少々辺鄙な立地です。
かつては一般客の宿泊も1泊2食付きなんと@4150の超格安で活発に受け入れていたようなのですが、
「お客様のご希望に充分お応えできず、不快な思いを抱いたままでお帰りになる等、ご迷惑をお掛けしたこともあったかと思います。お客様の立場になれば、利用料の高低差はあっても、温泉旅館さんと同等のサービスや接客を求められることは当然のこととしても、会社の保養所施設としての運営上、十分なサービス提供が出来ない状況にあります。」との事情で、
「原点に戻り、従業員およびその家族、関係者の利用に限定した運営にして参りたい」
という結論にオーナー会社が至ったのが2013年の夏のことです。
@4150で2食までついて宿泊させていただけるのに、温泉旅館と同等のサービスや接客を求めて不満を感じる人がいるとしたら罰が当たるというか、分別を疑うというか、自分にはとうてい正気の沙汰とは思えませんケド。
運営の見直しに至った真因は推測の域を出ませんが、当施設では当地の温泉旅館組合だか観光協会だかから脱会し、従って不特定一般客の宿泊受け入れから足を洗う方針を固め、実際一般向けの営業案内も全くやめてしまってほとんど実態が分からなくなっています。
もっとも関係者の利用に限定といってもどうやって利用者の身元を確認するのか、厳密にチェックしたのではそもそも利便性が低下して本末転倒だし利用者自己申告を疑ってかかることもできないだろうし、冷静に考えると現実には運用できっこないルールではあります。
ちなみにまったく仮に自分が身分を偽りあるいは実はそれほどチェックが厳しくなくて当施設にお世話になったとしたら、それがおおっぴらになると施設の管理人さんが会社から怒られてしまいます。
まぁ利用させて頂いたかどうかすでに記憶にございませんし、問われても「関係者限定のお宿だから泊ってないと思います」としかお答えできないですけど。
基本的に毎週木曜日と第2・第4水曜は休館で、利用料金は1泊2食オール込み@4150(冬季は別途1室1泊¥1000の追加暖房料が必要)、自炊や素泊まりはなく2食付き宿泊のみの受け入れなようです。
部屋休憩してもよい日帰り入浴も1回(というか8時~16時)@800と格安です。
なお宿泊時の施設利用時間は13時~翌10時で22時が消灯時間となっており、施設内では玄関に掲示されている利用心得に従うことになります。
建物はほぼ十文字形で、東西方向の廊下に沿って客室が10室ほど、南北方向の廊下南端が厨房で北端の左右に浴室があります。
自分が室内の状況を把握できている客室は、内鍵ありの木扉で踏み込み0.5畳、ふすまで仕切られて客間6畳、床の間の半分の上部空間が荷物置きになっており、雪見障子をへだてた窓側に2畳ほど濡れ縁があります。濡れ縁には洗面があって窓はカーテンがはられています。
室内設備はEテレ含め6チャンネルとBSも映る26インチの無料地デジテレビ、和テーブル、お茶セット、湯沸かしポット、セントラルヒータといったところです。
アメニティは浴衣に丹前、ティッシュで、コンセントは床の間両側に都合2口×2で一方はセントラルヒータとガス漏れ検知器で、もう一方はTVと湯沸かしポットでふさがっています。
寝具はセルフで上げ下げするルールで、押し入れにマットレス、木綿敷布団、木綿掛け布団、毛布が3セットあります。
風呂は24時間入浴できます。
男女別というか大浴室と小浴室で、その時の事情により男女に振り分けられるようです。
大浴室のほうはソラマメ形の2m×4mくらいの浴槽に、40℃くらいのかけ流しでたぶん加水されています。シャワー付き混合栓×1がありますが、シャワーのお湯の出は若干良くないようです。シャンプー・ボディーソープはあります。
小浴室のほうはタマゴ形の1.5mくらいの浴槽に、41℃くらいのかけ流しでこちらもたぶん加水ありです。シャワー付き混合栓×1、シャンプー・ボディーソープがあります。
小浴室は、湯に浸かる分にはすごくこじんまりと納まりが良くていい感じなのですがちょっと洗い場が手狭な浴室です。
食事は4人掛けテーブルが4卓あるこじんまりした食堂で、夕食は17時から、朝食は8時からになっていて、豪華とはいいませんが1泊2食@4150なら文句を言う筋合いなぞあろうはずもない食事です
朝食も不満を言うような内容ではなくまぁ普通に自宅で食べる朝ごはんのイメージで、ただしご飯のお替りができるかどうかはわかりません。
連泊するなら温泉街の食堂店舗まで1km弱、出前を頼むこともできるようです。
食堂には3扉の大型冷蔵庫があって、施設の食材などが入っているものの宿泊者も使わせてもらえそうです。
たぶんセルフ飲みOKのインスタントコーヒーもあり、飲食物持ち込みも特段問題なさそうです
基本的に自炊宿ではないので、宿泊客が利用可能な調理施設はないようです。
トイレは男女別共用の和式と洋式温熱便座シャワー水洗で、宿泊者用の洗濯機もないようです。
総じて温泉宿に泊まろうというレジャー利用宿泊には向いているとは言いづらいものの、たとえば温泉つき宿泊ができる会議施設といったつもりというか用途で泊まるならナイスでしょう。
それにしてもつくづく1泊2食@4150なら感謝感激な施設です。
管理人さんも気さくで人当たりのいい方で、本来なら宿泊利用を絶賛推奨するところなのですが、なにしろ一般部外者の利用はオフィシャルには認められていません。
できることなら、オーナー会社さんのご判断をとやかく言える筋合いではとうていないですけれど一般者の利用禁止を完全解除しないまでも、多少は大目に見ておおらかに見逃しをお願いしたいものです。
ただし、こちらに不満を持つようなヒトには、当施設はおろか、東北の湯宿には永久に立ち入らないで欲しいですね。