かねがや旅館
東北(岩手県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
花巻 台温泉
≪2017年07月宿泊≫(1泊)
しばらく机にかじりつく生活が続いてまた肩から腕が凝り固まってきて、やむなく一発リフレッシュをかけることにしました。
今回のミニ湯治訪問先はかねがや旅館、前回訪問で湯からあがるとすーっと汗が引いて湯質が冷えの湯に思えたのと、部屋にエアコンがあって夏の盛りでも暑さに悩まされずにすみそうなことから、夏場の湯治向きと判断してのホームページ限定1泊素泊まり@3000+入湯税¥150です。
例によって早目に着く心づもりだったけど諸般の事情で到着が遅れ、玄関で案内を乞うたのは正規チェックイン時刻の15時になっていました。
当宿のユニークなのは駐車場で、幅4~5メートルほどある玄関をフルオープンにしてもらって、土間を車で後進して中庭に駐車するのです。
詰めたら4~5台を収容することができる中庭です。
女将さんの誘導で車を収容した後にご案内頂いたのは、玄関の階段を上がってまた上がって3階、前回お世話になった部屋のひとつ手前の香貴という客室でした。
外鍵あり、踏み込み2畳強からふすまを開けると客室部8畳+床の間1畳、濡れ縁3畳のなかなか広い部屋です。
室内設備は6チャンネル映る22インチくらいの無料テレビ、セントラルヒータ、ファンヒータ、和卓、お茶セット、電気蚊取り線香、濡れ縁にテーブルセット、窓用エアコン、45リットルくらいの冷蔵庫、といったところで、濡れ縁には洗面があります。
前回の経験から部屋に電子レンジがあると思い込んでいたので、見当たらなくてちょっと意表を突かれました。
宿泊予約時に電子レンジと冷蔵庫がある部屋を明示的に指定するほうが良いのかもしれませんが、今回自分はホットプレート持参でそれで全部まかなえたのでノープロブレムでした。
室内にはすでに羽毛掛け布団・木綿敷き布団・マットレスが敷かれていて、寝具あと3セットが押し入れに入っていました。
掛け布団カバーに糊がよくきいていて、なかなか寝心地が良かったですね。
アメニティは浴衣、丹前、タオル大小、歯ブラシ、ティッシュでお着き菓子べっ甲煎餅もあって、お安い素泊まりプランなのに申し訳ない気になってきます。
少なからず古い宿ですがフリーWiFiが使え、スピードは少々遅めでも接続は安定しています。
コンセントは床の間テレビ脇に2口×1で6口くらいのOAタップが刺さっていて使い勝手は良く、ほかに濡れ縁に冷蔵庫用1口×1、エアコンで使っているコンセントが洗面横に1口×1です。
冷蔵庫には宿の飲料がかなりたくさん入っていて、自分の物を冷やしたければいったんそれらを撤去するしかありません。
窓はカーテンつきシングルガラスで窓用エアコンが設置されていて、窓の開け閉めはギシギシいってあまりスムーズではありません。
この部屋の洗面は使えないことはないけど水の出具合はちょろちょろで、風呂場前の洗面は壊れているようだったし、水を使うには少々不便な印象をもちました。
風呂は客室一つ挟んで3階の突き当りに男女別内湯があります。
シャワーが3基と蛇口が4セット、石鹸・シャンプー・ボディーソープありの男性浴室には、3mちょっと×2mほどの長方形の黒大理石の浴槽があって、毎分5~10リットルほどと見える湯が掛け流されています。
湯温は夕方42℃くらい、翌朝は43℃くらいだったのですが、湯口から給湯されている湯量だけではこの温度を維持ずるのは難しいような気がして、浴槽内部でさらに給湯されているかもしれません。
前回は無色透明無味無臭に見えたけど今回はわずかに飴色が入って幽かに硫黄臭が感じられ、さらっとした入り心地で湯からあがるとじきに火照りがひいていく湯でやはり夏の入浴に向いているような確信を強くしたのです。
若いうち(というほど年寄りではないですが/汗)はとにかくパンチがある湯でなければ気が済まなかったんだけど、近頃はこういうさらっと入れる湯も悪くないなぁ、と思えるようになってきました。
シャワーから41℃くらいの湯が出るので差し支えは無いのですが、いつもそうなのかたまたまか洗い場の蛇口は湯水は出ないようでした。
なんとなく今回はあちこちの水道の使い勝手がいまいちで、もう少し改善してほしい印象はありました。
今回の夕食は、久しぶりに花巻の夜来香の餃子を食べたくて仕方なくなっていたので昼前にテイクアウト予約・昼過ぎに回収し、持参したホットプレートで温めて食べたのでした。
部屋に電子レンジがないのは工夫してホットプレートフル活用で野菜を蒸し焼きにしたり、花巻で調達した惣菜も温めて食べたりしたのですが、そちらの写真は撮り忘れました。
湯にはあまり特徴はないし個性的な浴感もあるわけでもないものの、全体的に古びて落ち着いたたたずまいの宿で静かに淡々と湯治を過ごすのも悪くない気がしてきます。
道路に面した建屋はかなり年季が入っているようで、宿泊客室としてではなく食事個室あるいは宴会場として利用されているようでした。
チェックイン日もチェックアウト日も数人から十数人くらいの会食の用意がされていて、宿泊は多くはないという女将さんのお話だったけどそこそこ宴会利用は多いようでした。
食事付き宿泊は結構コストパフォーマンスが良さそうだという情報もあるので、いちど食事付き滞在をお試ししてみたい気もします。
チェックアウト後に土間を通って玄関から車を出しながら、サンダーバードがトレーシーアイランドから出撃していくシーンをナニゲに思い出すのですが変でしょうか。
泊ったヒトに会う機会があったら感想を聞いてみたいものです。