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鶯宿石塚旅館
東北(岩手県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
雫石 鴬宿温泉

≪2017年09月宿泊≫(1泊)

※当お宿は正式には石塚旅館ですが、国見温泉石塚旅館との区別のため、当HPでは鶯宿石塚旅館と表記しています※

ヌル湯好きな自分には風呂が高温なことに凄く腰が引けるのですが、二食付きでも宿泊料金が破格のリーズナブル感だと聞けば、どんな食事をいただけるのか知的好奇心が抑えられなくなって宿泊しに来てしてしまいました。
岩手 鶯宿温泉

予約電話を入れると、女将さんが例によってあまり受け入れに積極的でなさそうな口調で電話に出て、それをやや押し切り加減で長年の気がかりを片付けるチャンスをゲットしたのです。

基本自炊宿泊のみの受け入れでなんと1泊@1600+入湯税¥75という料金でさえすでに信じられないのですが、今回は事前申し入れで朝夕食付きで宿泊料@3500(税込)+入湯税¥75での宿泊です。

ちなみに冬季になると暖房オプションとしてコタツ代とストーブ代1日¥600が加わりますが、ホントの厳冬期は寒すぎるからと受け入れを拒否されたりします。

以前昼すぎならチェックインOKと聞いたので、当日は待ち切れずに13時過ぎに乗り込みました。
岩手 石塚旅館

車は玄関目の前とか玄関わきとか宿の看板のところとか7台くらいは停められて、今日は泊まりは自分だけ、日帰り湯のお客さんが車で来るとして2~3台くらいなのだそうで、玄関前に駐車します。
岩手 石塚旅館 玄関

玄関入って右手の奥突き当たりが女将さんが住んでるエリアなので案内を乞うたところ、てっきり夜になってからの到着だと思ってたらしくて大慌てでお迎えいただきました。
岩手 石塚旅館 玄関

今回の部屋は玄関入って左に進んだ階段上がってすぐの貳號室、宿の表側の玄関の斜め上の部屋です。
岩手 石塚旅館 階段
岩手 石塚旅館 2階廊下
岩手 石塚旅館 貳號室

廊下にスリッパを脱いでふすまを開けると8畳客室に床の間が1畳、室内設備はお茶セット、6チャンネルの地デジチュナー接続の無料25インチくらいのアナログテレビ、小さな食器棚、扇風機といったところです。
岩手 石塚旅館 貳號室内
岩手 石塚旅館 貳號室内

こちらの部屋も前回の部屋と同じく窓はシブすぎる木枠のシングルガラスで、障子はあるものの厳冬期はさぞかし寒いだろうと想像できます。
岩手 石塚旅館 貳號室内

アメニティは女将さんが浴衣と丹前を持ってきてくださいましたが使わないのでご遠慮して、他にはお着き菓子代わりのロールケーキです。
岩手 石塚旅館 ロールケーキ

寝具は木綿敷布団+マットレス+木綿掛け布団+毛布が3セットほど押し入れにあり、コンセントは床の間に2口×1で三又ソケットです。
やはりというか窓にへばりついたカメムシが3匹ほど歓迎の打ち合わせをしていて、うち室内の一匹を持参のガムテープであの世に送り出しましたが、カメムシは寝る前にもう一匹片付けたほかは思いのほか見かけませんでした。

こちらは基本的に自炊湯治宿なので、炊事場には無料コンロ×2、流しが2槽、宿泊客が使える冷蔵庫×2、超旧式な電子レンジとガスオーブンらしき器具、電気炊飯器、調理器具類や鍋釜薬缶と多数の食器類、食器洗い洗剤・スポンジまでほぼなんでも揃っていて、設備は古いものの自炊には不便はありません。
岩手 石塚旅館 自炊場
岩手 石塚旅館 自炊場
岩手 石塚旅館 自炊場食器

今回は食事付き宿泊なのですが、2食で+¥2000ほどだから料理がショボいに違いない(汗)と思って少し惣菜を調達してきていて、馴染みの厨房はそれを温めるのに電子レンジを使うくらいの心づもりでした。
廊下突き当たり浴室前の洗面所に洗濯機が2台ありますが、一方は宿の家人の物と思われる洗濯物で満杯に見えます。

浴室は男女別内風呂だけで男性側は2m×2.5mのタイル張りのなかなかレトロ&シンプル&ビューティフルな浴槽がひとつ、湯温はその時々で42℃~激熱湯で、水道蛇口だけはあって他にお客さんがいなければ原則的に自由に加水温度調整できます。
岩手 石塚旅館 浴室入り口
岩手 石塚旅館 男性脱衣所

湯垢か綿埃みたいな湯の華がわずかに漂いほんのり硫黄臭のする上品な湯ですが、なにしろ熱いのが玉に傷です。
岩手 石塚旅館 男性浴槽

たぶん長時間放置後だと50℃超え、加水するにも毎分数リットル程度の水量しかないし、逆に湯の供給量もそのくらいと見えるので、温度を下げるのも加温するのもすごく時間がかかってしまいます。

シャワー・湯蛇口なし、シャンプー石鹸なしながら、夕方には結構地元の日帰り入浴客が三々五々やってきます。
部屋が玄関の斜め上だから来客状況が良くわかるのですが、今日なぞ17時までに車2台、徒歩2組を皮切りに以降もがんがんで、地元に愛される驚愕の人気ぶりです。
常連さん達はあの熱い湯が好きなようで、なのでいくら自由といってもあまりナマヌルに加水するのも躊躇してしまうのです。

ちなみに浴室・脱衣所の照明のスイッチは、脱衣所を出て廊下の反対側の壁掛け時計の下にあります。
岩手 石塚旅館 照明スイッチ

さて期待の夕食時間はチェックイン時に希望を聞いていただけて、今回は17時半頃からで客室にお持ちいただけるパターンです。

5分ほど早めに夕食をお持ちいただいた際のオリエンテーションによれば食べ終わったら膳は廊下に出しておくようにとのよくあるパターンで、その際翌朝食は7時でお願いしました。

で、その夕食ですが、正直驚きです。
左上から赤魚の煮付け、しめサバ、ササミチーズかつ、中段に酢豚と大根ナマス、ご飯の炊き加減はなかなか良くてコンビニおにぎり3個ほど、漬け物、ニラ玉のお吸い物といった充実の構成、まぁ家庭料理の域を出ないとはいえ品数とリーズナブル感はしっかり押さえてます。
岩手 石塚旅館 夕食

きっとショボいに違いあるまいとタカをくくってスーパーの総菜を2点ばかり仕込んできたのですが、賞味期限の近いものは無理して食べたけどもう1点は手も足も出せませんでした。
この段階で湯が熱いことを横に置いておいてこちらのお宿の自分の中でのランクがかなり上がったのは間違いないです。
自家製というよりスーパーで調達してきた惣菜にも見えなくもないですけど、これぐらいの料理なら十分に満足です。温泉宿泊での食事に特別な価値観を求めるならあまり満足出来ないかもしれませんけど湯治食の相場感からすれば絶賛で、宿泊者が多い時には女将さんの手料理になったりするのかもしれないと思いました。

夕食お運びの時に布団はいつごろ敷きに来ましょうかねぇ、と打診があったのですが、朝から長時間耐久入浴の一日だったので夕食でゆっくり時間をかけ十分に水分補給する必要もあり、布団敷きは慣れていることもあって自分でやりますからとサービスを遠慮させていただきました。
どうせお願いしても敷布団を増し敷きするしね。。

食後寝具を敷きましたけど、布団がナニゲに湿気臭い感じがありました。
以前宿泊した時は食事なしだったので遠慮なくチェックイン後すぐに布団を敷いて2時間ほど布団乾燥機をかけたのですが、今回は女将さんが食事を持って入室されるのでそこまでできませんでした。

昨夜少々寝づらい環境だったのでそれでもしっかり眠りましたが、明り取りの窓から廊下の常夜灯の光が入ってくるのが少なからず明るくて、それが自分にはまぶしくてやや不自由でした。

朝は6時前に起きて風呂の大量加水作業で一日が始まります。
一晩昇温を続けていただけあって手ごわい激熱風呂を手なづけてようやく軽く朝風呂して、女将さんの朝食を待ちます。

やはり7時に少し前にお持ちいただいた朝食は、豪華でこそないものの品数十分で由緒正しい日本の朝餉、ごはんはやはりなかなか炊き加減良くコンビニおにぎり3個ほどです。
岩手 石塚旅館 朝食

毎日朝からこんなに食べていてはヘルシー感はあるとはいえきっとデブになって、長期湯治をしたら効果はマイナスかもしれません。

素泊まりと食事付きの宿泊料の差は¥1900、この朝夕の食事だと町中の定食屋さんだったら¥2000ではいただけないし、まぁスーパーで買ってきた惣菜を並べてもそこそこのお値段になるし、自分で調達するより合理的でしょう。

平日とはいえ宿泊は自分だけであと6~7室は空室で、相当もったいない気がしました。
熱湯が好きで渋い湯治が好みなら、ちょっと湯質にパンチはないけど絶対お勧めのお宿にランクアップしたのでした。

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