ロデム
東北(岩手県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
盛岡 つなぎ温泉
≪2018年03月宿泊≫(1泊)
少なからずストレスのかかる仕事が入ってたのが峠を越し、時期的に重なった確定申告もなんとか終わって、いわゆる慰労マイセルフも必要だという判断の中で、しばらく必須栄養素の硫黄を摂取できていなかったから松尾八幡平に行かねばならぬという沈着冷静な判断に至りました。
もっとも、ストレスのかかる仕事の仕上げ担当者はまだ戦争まっただ中で、さすがに悪いのでそのヒトには悟られないように失踪することにしたのです。
といっても片道半日以上を移動に費やしていては心身のリフレッシュには程遠く、手前でワンバウンドしたいなぁと思っていたらなんと当宿、期間限定(?)で「通常よりもずっとお得に泊まっちゃおう」というプランを見つけてしまい、これはまぎれもなく天のお導きだとオール込み@3150で予約を取りました。
鶯宿温泉に系列温泉宿を開業したとかで、まことにおめでたい限りです。
3月下旬に入っていて寒くもなかったのですが、通常冬期に暖房料金が請求されるかどうかはわかりません。
なんだか変わった名前の宿がつなぎ温泉にあるのは前々から知っていて、でも素泊まりで@5000ちかくしたような少々お高い印象で長らくスルーしていたのでした。
当日は15時チェックインのところ、天気が良くて道の流れも良かったしいつものように14時に強行突入しました。
御所湖畔、今日は天気がいいので遠く岩手山が綺麗に見えます。
パートタイマーのばぁちゃんが帳場にいて、部屋準備はできてるからと部屋鍵をいただいて、ほかの部屋はまだ清掃中だったけど2階202号室にセルフ入室です。
202号室はT字型になっている建物の南側の一室で、なぜかダニエルというアヤシげな別名が付いた部屋ですが、踏み込み1畳にたたみ8畳と広縁4畳のなかなか広くてわるくない部屋です。
頑丈な鉄製部屋扉外鍵あり、室内設備は6チャンネル映る26インチくらいの無料地デジテレビ、湯沸かしポット、タオルかけ、広縁にテーブルセット3脚、50リットルほどの冷蔵庫、エアコン、ヘアドライヤまであります。
アメニティもフェイスタオル、バスタオル、使い捨て歯ブラシにティッシュまであって、なぜか有難いキリスト教系よみものがあります。
畳がすり減り加減でややみすぼらしいのは人によっては減点かもしれませんが、あえて気にしないでおきましょう。
押し入れには羊毛敷き布団・マットレスが3セット、羽毛かけ布団・毛布が1セット入っていました。
1枚だけセットしてあった掛け布団カバーは洗いたてなのか、結構いい肌触りで清潔感があって好感が持てます。
ちなみに当宿は夕方16時頃に宿泊料と入湯税¥150を前払いするシステムなようで、その時に浴衣提供があります。
朝は自律的にチェックアウトする感じになっています。
客室内のコンセントはテレビ下に2口×1でそこそこなタコ足配線、それと広縁の冷蔵庫用のコンセントです。
窓はシングルガラスでレースカーテンとしっかりした厚手のカーテンがはまっていて、開けるとつなぎ湖には面してはいない202号室からも何度見ても素晴らしくくっきりした岩手山が見えます。
ちょっと残念だったのは室内にちゃぶ台がなかったことで、やむを得ず広縁の椅子に座ってテーブルで食事したのですが、どうも料理の位置が低いと美味しさもそれなりになることが判明しました。
ちなみにどうもすべての客室に、パウロとかヨセフとかダビデとか外人ふうの別名が付いていて、それだけでもネタになるので来てよかった気になります。
風呂は一階に男女別内風呂があり、浴室を出たところに休憩コーナーとコインマッサージ機があります。
脱衣所にエアコンがあるのは夏場のことを考えると大いに評価でき、100円リターンロッカーもあって、なかなか良い心遣いがされているようです。
ちなみに入浴時間は6時から22時までになっています。
15時過ぎると日帰り客で客足は途絶えません。
浴槽は2.5×4m弱、毎分10リットルほどの給湯で幽かに濁った43℃狙いの湯がかけ流されており、かけ湯したら硫黄がにおい立つなかなかいい湯です。
つなぎ温泉ではほかに2か所ほど格安宿にお世話になりましたが、こちらの湯は源泉は同じらしいけど湯使いがいいのかかなり好印象です。
シャワー混合水栓は8基、リンスインシャンプー・ボディソープ・石鹸ありで、窓に大きなよしずがかけてあるので眺めが良くないのはあきらめましょう。
見逃せないのは湯口横に有難いお言葉のプレートが貼ってあることです。
キリストのお言葉に癒されつつ夕方2回計2時間+朝2回1時間強入浴して、心身の重荷から解放された気持ちになったのでした。
こちらは食事提供なしの素泊まり宿らしく、基本食材持ち込みで夕食・朝食希望者には提携する近隣の食事処や温泉宿の食事サービスを紹介しているようです。
湯治宿ではないので自炊設備があるわけではありませんが、階段を上がった廊下の交差点に電子レンジがあるし部屋には湯沸かしポットと冷蔵庫があるので、ナンチャッテ湯治には特段不自由はありません。
なので今回は、来る途中で調達した惣菜類や野菜で晩酌しましたが、まぁちょっと一泊するくらいならこれで十分なのです。
電子レンジ料理の達人なら結構イロイロやれるかもしれませんが、貸し出し食器がなくて持参せざるをえないと考えたらちょっと面倒でしょうか。
支配人さんに会った時に聞いたら、どうやらこちらのお宿のオーナーはキリスト教徒の方で支配人さんもそうなのだそうです。
部屋の別名とか湯船の上の有難いお言葉とか気になったのですが、部屋の名は聖書に出てくるヒトたちの名前だそうでなるほどそんな訳なんですねと納得です。
だからといって部屋に聖書登場人物の名前をつける必要性は、結局自分のような俗人にはわかりませんでしたけど。
つなぎ温泉は盛岡までのアクセスも良いし、こちらはビジネス宿泊所のような重い雰囲気でもなくて、天気が良ければ岩手山も綺麗に見えるし秋田駒ヶ岳だって見えるし、意外とレジャー系宿泊者も数組泊っているようでした。
WiFiは親機が廊下中央にあって室内は届きにくいけど、廊下に出たら結構使えます。
廊下端に喫煙エリアがある以外は基本禁煙というか分煙で、廊下端っこにズボンプレッサーもありほどよくビジネス対応といった感じでしょうか。
ビジネス特化した宿よりは居心地も風呂も良くてまぁ通常価格でも納得できなくもないんですけど、できたら引き続き、室数限定でもいいからお得な宿泊プランを提供してほしいものです。
なにしろ、「すべて疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしはあなたがたを休ませます」なのが感謝感激で、引き続き救いの手を差しのべて欲しいです。
お得なプランが利用できるなら相当お勧めで、探せばまだまだ掘り出し物はあるなぁ、ってな感じで改めて東北の温泉の懐の深さを思い知ったのです。