小野川保養センター
東北(山形県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
山形 小野川温泉
≪2018年11月宿泊≫(1泊)
ちょっとストレスマックスに起因する逃避願望に心身を支配され、蔵王大露天風呂突入から山形蔵王麓の温泉宿で一泊を過ごしたのですが、勢い余って小野川まで来てしまいました。
こちらのお宿、5~6年前は一人宿泊を受け入れておらず宿泊拒否された記憶があるのですが、当ホームページのご贔屓筋からの通報で、しばらく前から一人宿泊OKに態度軟化したことが判明しました。
?年越しの宿題宿とあらば、対決しないわけにはいかないでしょう。
素泊まりだと@3500に入湯税¥75ですが、お勘定のときに大女将の婆っちゃが入湯税分まけてくれて¥3500で仕上がった一泊一夜のお話です。
宿は小野川温泉の吾妻屋さんを通り越したところにあるってか、吾妻屋さんが当宿を運営しているようです。
さて着いてまずどこに車を停めるか若干悩むのですが、玄関に道向かいの駐車場はダメよと張り紙があったので、玄関わきに駐車します。
玄関脇2台が満車なら建物の脇がOKな感じです。
チェックインタイムには当然ながらだいぶ早い時間について、恐る恐る入って案内を乞うたら、帳場の斜め向かいの部屋から頭巾をまとった老婆が出てきて、すぐにタイミングよく外出していた従業員さんも戻ってきて部屋にご案内いただきました。
当館は中庭を囲んでコの字型の建物3棟でできていて、コの字の右上角に玄関がある感じです。
コの上の辺(玄関入って右手の南棟)の廊下を進むと洗濯機もある洗面、家族風呂と男女内湯があり、その先に「桜」など樹木名の一連の客室、突き当りはこじんまりした自炊場があります。
玄関左手のコの縦棒にあたる母屋には、中庭側には春夏秋冬の名前が冠せられた客室、外側には婆さまがいる部屋とか旅館厨房などが配置されています。
母屋をさらに進んでコの下の辺の北棟にも客室や自炊場があってこちらは2階建てなのですが、雰囲気的にあまり使われていなさそうなちょっと荒れた感じでした。
今日のお泊り部屋は「夏」だそうで、入り口開き戸を開けると食器棚が作りつけられた踏み込みが実質半畳の広さ、客室部は8畳で南向き、外鍵提供はないものの内カギはかかる客室です。
部屋にはコタツ、ファンヒータ、Eテレ含めCATVなのか8チャンネル映る20インチくらいの無料液晶テレビ、お茶セット、エアコン、鏡台があります。
アメニティはティッシュペーパーだけで、湯治プランだからお着き菓子とフェイスタオル、ティッシュペーパーはあるものの、浴衣等の用意はありません。
入室時点ですでにマットレスと木綿敷布団がおろしてあってシーツがセット済で、押入れにはマットレス3枚、木綿敷布団が4枚、羽毛掛け布団2枚ほどがあります。
コンセントはテレビ脇に2口×1(TVで1使用)、反対側の壁中ほどにも2口×1です。
窓はシングルガラスで障子がはまっているだけカーテンなしなので、朝寝坊はややつらいし厳冬期はちょっと寒そうな印象です。
炊事は宿の厨房を使わせていただけ、無料ガスコンロ2基、電子レンジ、廊下突き当たりに冷蔵庫、食事付き宿泊客用の食器たくさん、鍋鎌薬缶もそこそこあって不自由はありません。
関係ないけど宿の大女将や女将の食材もたっぷりあって生活感満点です。
ここ数日の宿泊予定一覧が炊事場に貼ってあるので今宵3組5~6人の泊りらしいことがわかるのですが、どうも1日3組前後、5~10人くらいの宿泊がこの時期の平均的稼働なようです。
ともかく寝具をセットして、男性浴室を覗いたら先客がいるようだったのでまず家族風呂に突入です。
毎分1~2リットルほどの給湯ながら何時間も粛々淡々と給湯されてたのでしょう、45℃をしっかり超えるあまりの激湯だったので、10分ほど加水してから入浴しました。
1~2人サイズ浴槽のシャワーや蛇口の無い浴室で、ほんとにこじんまり入浴する感じです。
男性浴場は41℃くらいで4m×4mほど変形四角形湯船があって、シャワー蛇口×1でシャンプー、ボディーソープがあり、小野川らしいほんのり硫黄臭のおとなしい湯を楽しむことができます。
家族風呂と男性浴場を軽く各30分ずつくらい味見し、いったん上がって水分補給してから男性浴場に1時間ほど再突入します。
今宵の宿泊者と思しきおじさんと爺ちゃが入ってきて、中庭の庭園を愛でながら静かな時が流れていきます。
17時頃に風呂を上がって夕食準備をはじめたのですが、ばっちゃと嫁さんと従業員さんが3人で泊り客や自分たちの食事の用意をしているさなかで、それに混じっての作業となりました。
炊事設備の状況がわからなくて今回はナンチャッテのレンチン自炊に決めて食材調達してきたので、お宿の作業とはほとんど競合することはありませんでしたが、17時までに調理をほぼ終えるペースで自炊しておき、食べる前にさらっと温め直す段取りにすればお宿の夕食準備と競合しなくて済みそうな感じです。
あるいはちょっと遠いけど別に2か所ある自炊場を使えば、他には自炊客は少ないでしょうから心おきなく調理できると思います。
今宵の夕食はメンチカツや肉団子とかスーパーの総菜や〆鯖など、簡単ながらまずまず酒のアテになる充実夕食です。
こちらは保養所ということで21時に玄関が施錠されるそうなので、温泉街で夜遊びするのは難しそうです。
自分は十分な水分補給を行った結果、21時を待たずに魂が抜けて影響なしでしたが。
翌朝は男性浴場39~40℃の絶妙温度の朝風呂で一日が始まります。
30分ほど軽く体を温めて湯から出たら、婆っちゃが温泉卵と根菜の煮物を差し入れてくれましたが、どうも素泊まり客への定番のサービスのようです。
食事付き宿泊のお客さん達もこれを朝食に食べたのでしょうか、おいしかったです。
当宿では8時半から隔日で男女浴槽を清掃するのだそうで、当日は男性風呂の掃除の日だったので、温泉卵のあと8時過ぎまでもういちど小野川の湯を味わってからチェックアウトしました。
せっかくラーメン王国米沢に来たのだから朝ラーを探して食べたくてのちょっと早めの撤収でした。
中庭は立派だし昔はさぞかし羽振りが良い宿だったのでしょう、湯はたぶん共同泉でややインパクトはなく無性に入りたくなる湯ではないし建物も少々老朽化は否めないものの、体をいたわるになかなか良さそうで年寄りの湯治にも優しそうなお湯です。
仙台からはちょっと遠いけど、長年の宿題が片付いて溜飲が下がりました。