かねがや旅館
東北(岩手県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
花巻 台温泉
≪2019年02月宿泊≫(1泊)
だいたい例年この時期には人類必須栄養素の硫黄が欠乏しはじめるから松尾八幡平に遠征するんですが、仙台との道中を一気に走るのはどう考えても疲労倍増して湯治効果をかえって損なうように思えるので、やはり道中に前後泊を加えた3連戦にならざるを得ないのです。
繋温泉~松川温泉からの充実の連泊の最後を飾るのは、ひさしぶりの台温泉かねがや旅館でした。
今回はリーズナブル定食プラン2食付きで税サ込@5400+入湯税¥150というのができたようなので、それでお世話になってみることにしました。
過去愛用していたホームページ限定素泊まり@3000のプランはいつのまにやらチェックインが17時からになっていて、さすがに早めに強行突入するとしても16時過ぎくらいまではどこかで油を売らねばならず、ゆっくり風呂に入ることもできなさそうです。
当宿は普通の2食付き宿泊でもそれほど高くはないのですが、結構品数が多そうというか自分の夕食には食べ過ぎに思えるし、料理品数が少ないプランの実力を見たくなったのです。
そういうわけで宿のチェックインは15時のところ、例によって14時半に突入強行です。
例によって女将さんに玄関をフルオープンしていただき、車をバックさせて宿の土間をしずしずと後退通過して、女将さんの誘導で中庭に停めます。
押し込めば4~5台くらい駐車できる、ちょっと変わった雰囲気の駐車場です。
当館は通りに面した建物1階は玄関と土間と厨房やお宿の施設だけ、通りに面した建物2階は食事個室で、通りに面した建物と直角に奥に伸びた建物の上部階が客室になっています。
ご案内頂いたのは玄関の階段を上がってさらに上がって3階いちばん奥の茜の間、トイレと風呂の目の前にあって以前にお世話になった部屋です。
茜の間は外鍵あり、踏み込み2畳、ふすまを開けると客室部6畳+床の間1畳、濡れ縁1.5畳のまずまず広さがある部屋です。
室内設備は6チャンネル映る22インチくらいの無料テレビ、セントラルヒータ、和卓、お茶セット、小さな鏡台、濡れ縁にテーブルセット、エアコン、45リットルくらいの冷蔵庫、電子レンジ、ファンヒータといったところで、濡れ縁には洗面もあります。
廊下に共用電子レンジがあるのはよくある話ですが、客室内に電子レンジがあるので素泊まり派には便利です。
室内にはすでに化繊掛け布団・木綿敷き布団・マットレスが敷かれていて、寝具あと1セットが押し入れに入っていました。
浴衣、丹前、タオル大小、歯ブラシ、ティッシュがあって、お着き菓子べっ甲煎餅もあって、お安い素泊まりプランとしては申し訳ない気がします。
もっとも結局使いませんでしたけど。
廊下にフリーWiFi親機があってネットにもつながってナイスです。
コンセントは床の間テレビ脇に2口×1でセントラルヒータとテレビで使用、濡れ縁の1口×1に刺さったOAタップで冷蔵庫と電子レンジに給電、洗面に1口×1、といったやや少なめな感じで、持ち込み電子機器を充電したりするのは少々不便です。
窓はカーテンなしシングルガラスですが、セントラルヒータはあるし濡れ縁と畳敷きの間の障子を閉めれば冬場の室温維持も問題はありません。
早めにチェックインしたのは風呂にゆっくり浸かりたいからなのですが、女将さんから湯が貯まりきるまであと1時間ほどかかると申し渡され15時半にようやく念願の入浴となりました。
でも自分が入るまでは誰も入浴していないから一番風呂なわけで、ゴソゴソしてたらそれくらいにはなるし、ちょっと待って一気に挽回すれば済む話です。
シャワーが3基と蛇口が4セット、シャンプー・ボディーソープありの男性浴室には3mちょっと×2mほどの長方形の黒御影(?)の浴槽があって、毎分5~10リットルほどの湯が掛け流されています。
湯温は42℃くらいに正確に維持されていて、無色透明無味無臭のさらっとした入り心地、湯からあがるとすーっと火照りがひいていく冷えの湯の浴感でした。
真冬でも脱衣所に扇風機があるので、限界まで風呂につかって一気に体を冷ますことができるのもポイント高いです。
15時半から1時間、上がって少し休んで17時過ぎから40分ほどお湯を味わい、有効成分を存分に吸収して今宵のメインイベントを待つばかりとなりました。
こちら自炊宿ではないようなので、見る限り自炊炊事場や湯治客用の洗濯機などは見当たりませんでしたが、茜客室だと冷蔵庫と電子レンジがあったので惣菜持ち込みの短期滞在なら至って快適です。
室内の洗面はやや水の出がよくないし、湯沸かしポットはないけどお願いしたら沸かしたてのお湯をいただけるので、電子レンジ調理の技を磨けば自炊一週間くらいなら楽勝かもしれません。
今回は2食つきということで、夕食は18時以降らしいから18時に道路に面した建物2階の11番客室でいただくことになりました。
中庭に我が温泉モービルのほかに車が1台停まっていてナニゲに11番の隣室に人の気配を感じつつ、18時ちょっとすぎに食事個室突入です。
ちょうど別室でお客様対応していた女将と顔を合わせたのでお聞きしたら朝食は7時以降だそうで、明日の朝食は7時からにお願いして、どうぞごゆっくりと11番に招き入れられます。
素泊まり+¥2000ほどにしてはなかなか充実な食卓がお待ちになっていて、ご飯のお櫃とはっと汁のほか、左上から野菜の煮物、フルーツ、豚の豚陶板焼きみたいなやつ、一段下がって牛蒡と蒟蒻のきんぴら、煮カレイ、漬物の夕食です。
大部分は味付けよく上手にできていたけど、正直カレイの煮付けはさすが内陸で魚料理が苦手なのか、煮付けすぎて少なからず改善の余地の多い仕上がりです。
けなすつもりもないですけど、経験的に内陸だとどうしてもサカナは加熱しすぎたパサパサの料理が出る傾向に思えます。
バターの入った豚陶板焼きも野菜煮物系もはっと汁もうまいです。
コメは柔らかめな炊き加減でやや好みでなかったもののコンビニおにぎり4個ほどと十分過ぎます。
女将さんはビール召し上がりますかとか一切のプロモーションなしにごゆっくりねと退席されるので、結構のんびりとくつろげます。
持ち込んだ水分をたっぷり補給し満腹で部屋に戻ったのですが、じきに湯疲れがどっときて軽く横になった瞬間に気絶し、気づいたのは25時過ぎていました。
慌てて電気を消して寝なおして朝までぐっすり、こちらの湯は強い誘眠効果があるかもしれません。
翌朝は6時起きで30分強朝風呂からの朝食です。
典型的な湯宿の和朝食、でも汁物が豚汁で旨かったのと、レギュラーコーヒーパックがあったのがポイント高いです。
ごはんはやはりやや柔らかめのコンビニおにぎり4個ほどでした。
朝夕共通していえるのは卓上に調味料がないことで、夕食だと野菜の煮物、朝食だと豚汁には七味が欠かせない自分なので、ちょっともう一息の気遣いがあればなぁ、と思ったわけでした。
むろん自炊派のワタクシとしては当然マイ七味持参、ノープロブレムでしたけど。
朝食後少し休んで1時間弱ほど朝風呂に再突入ののちチェックアウトしました。
湯には特に特徴はないし入り心地も淡白で設備は少なからず老朽化してはいるけど、冷えの湯っぽくてクーラーもあるし夏場の短期湯治には悪くなくて、お値段リーズナブルだし、サカナ料理が少しパサパサなのを我慢すれば食事つきでもちゃんとおいしいし、上手に使えば使い勝手のいいお宿だと思います。
ただ室内の洗面は水の出がイマイチだし、共用の洗面は故障したきりだし、ちょっと当館水回りが弱いのが難点でしょうか。
ホームページ限定@3000素泊まりのチェックイン時間を15時に戻してもらえればさらに使い勝手がよくなるんですけどねぇ。