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鶯宿石塚旅館
東北(岩手県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
雫石 鴬宿温泉

≪2019年06月宿泊≫(1泊)

※当お宿は正式には石塚旅館ですが、国見温泉石塚旅館との区別のため、当HPでは鶯宿石塚旅館と表記しています※

今年もはや6月中旬、温泉湯治の起源を探訪する八幡平への旅の季節となり、その目的を無事達成し、娑婆に戻る前にもう一泊こちらにご厄介になることにしました。
岩手 鶯宿温泉

ヌル湯好きな自分には高温すぎるからつい消極的になってしまうんですが、宿泊料金が破格のリーズナブル感だし、裏八幡平から仙台直帰も結構ハードなので帰りのワンバウンドなのです。

予約電話を入れると、今回はなんだか元気がない声の女将さんが例によって国見の石塚旅館じゃありませんと電話に出て、今回もやや押し切り加減で宿泊を申し入れたのです。
基本自炊宿泊宿で1泊@1600+入湯税¥75、素泊まりですか?食事つきですか?と聞かれてできれば食事ありで、と答えたら朝夕2食ついて@3500+入湯税¥75で受け入れてもらうことになりました。
食事内容がその後どんな塩梅か気になるし、ネタにもしたいのです。
なお冬季はコタツ+ストーブ代が1泊あたり¥600で、厳冬期は寒すぎるからと受け入れを拒否される宿です。

当日裏八幡平から雫石まで戻って昼食を取り少しウロウロして14時過ぎに鴬宿入り、いつも間違う三叉路は今回は間違わずに左に車を進めましたが、次回はまたついうっかり直進してしまいそうです。
岩手 鶯宿温泉 三叉路

車は玄関前の日帰り客の車に並べて駐車します。
岩手 石塚旅館
岩手 石塚旅館 玄関

玄関を入って廊下右手奥の突き当たり、女将さんの居住区に声をかけて部屋にご案内いただきます。
岩手 石塚旅館 居住区

今回も2階中央付近、部屋番のない玄関真上の部屋にご案内です。
岩手 石塚旅館 番号なし客室

開き戸を開けると板敷の踏み込みが1畳、その先に2畳の小部屋を介して8畳の客室になってます。
岩手 石塚旅館 番号なし客室

床の間が2畳、室内設備はお茶セット、6チャンネルの地デジチュナー接続の無料22インチくらいの液晶テレビ、鏡台、和卓、たぶん使う必要のないストーブと押し入れに扇風機、といった室内設備です。
岩手 石塚旅館 番号なし客室内

窓は昭和初期レベルの木枠のシングルガラスでカーテンなし、障子ははまっているけど冬期はさぞかし寒いことでしょう。
アメニティは以前は浴衣と丹前があったけど今回は見当たらず、忘れたのかサービス縮小なのかはよくわかりません。
岩手 石塚旅館 番号なし客室内

お着き菓子は食事つき宿泊のみに付随しているのか、ロールケーキ一切れが部屋に置いてありました。
岩手 石塚旅館 お茶セット

寝具は木綿敷布団+マットレス+木綿掛け布団+毛布が3セットほど押し入れにあり、コンセントは廊下側壁部屋中央あたりに2口×1で三又ソケットつきです。

浴室は男女別内風呂だけで男性側は2m×2.5mのタイル張りのなかなかレトロ&シンプルな浴槽がひとつ、湯温はたいていは激熱湯で、すごく水量の少ない水道蛇口はあって他にお客さんがいなければ原則自由に加水温度調整できます。
岩手 石塚旅館 浴室入り口

シャワー・湯蛇口なし、シャンプー石鹸なしです。
湯垢か綿埃みたいな湯の華がわずかに漂いほんのり硫黄臭のする鴬宿特有な上品な湯ですが、なにしろ狂ったように熱いのが玉に傷です。
岩手 石塚旅館 男性浴室

チェックインしてしばらくして入浴しようと風呂に行ったら地元のおんちゃんたちが4~5人入浴中、よそ者が無遠慮に大量加水するわけにもいかず45℃ほどある湯につかったり、黙々とかけ湯をしたり、チャンスが来るのを待つしかありません。
誰かが宿前に仙台ナンバーの車が停まってるなぁと言い出して、それをきっかけにちょっと話に加わって、どさくさ紛れに自分には湯が熱すぎると言ったら、43℃くらいまで加水してもらえました。
それでしばらく出たり入ったりしながら熱めの湯を味わいましたが、やはり手足がしびれるくらいの熱湯に入るジモティー達は感覚が狂っているとしか思えません。
どう考えてもあんな熱湯は健康に悪いというか、鶯宿くんだりまできてダチョウ倶楽部をやる気にもなれないのです。

こちらは基本的に自炊湯治宿なので、炊事場には無料コンロ×2、流しが2槽、宿泊客が使える冷蔵庫×2、超旧式な電子レンジとガスオーブンらしき器具、電気炊飯器、調理器具類や鍋釜薬缶と多数の食器類、食器洗い洗剤・スポンジまでほぼなんでも揃っていて、設備は古いものの自炊には不便はありません。
岩手 石塚旅館 自炊場

流しは温水蛇口もあるので、冬場の皿洗いも快適なのは高ポイントです。
岩手 石塚旅館 自炊場

今回は食事つき宿泊にしていて、チェックインの時に希望を聞かれたので17時半夕食開始でお願いしました。
少し早めに部屋にお持ちいただき、布団をいつごろ敷きに来ればいいか、それまでに食べた食器は部屋前に出しておいてほしい、ということでした。
昨夜は硬いオンドル床に寝て今日はふかふか布団を楽しみにしていたこともあり、布団は自分で敷くのでとご遠慮して敷布団とマットレスを5枚くらい敷きました。
でもって夕食は料理6品にコンビニおにぎり3個強のご飯と永谷園の松茸吸い物とキムチ、宿泊料@3500の夕食にしては十分すぎます。
もっとも焼き魚は味付けはよかったものの、内陸マイナー温泉宿アルアルで、熱をかけすぎて身がパサパサになってしまっていて、とても残念な仕上がりです。
岩手 石塚旅館 夕食

今夜は、たまには休肝日ということで、お茶だけでたっぷり水分補給しました。

昼間は風呂が混んでいて熱くて落ち着いて入れなかったし、土曜もそこそこ遅い時間だからもはや誰も入りに来ることはあるまいと、食後軽く風呂に入ります。
普段は飲んだら入浴しないんですが、一滴も飲んでないから問題なしです。

とはいえ数時間誰も入らずひたすら給湯だけされていた風呂は猛烈に手ごわく、たぶん50℃近くあったんじゃないでしょうか、かなり長く加水してようやく44℃くらいまで温度を下げられたものの、やはり熱くて数分で撤収しました。
岩手 石塚旅館 男性浴室

というわけで酔ってはいなかったけど湯疲れに加えて昨夜の就寝環境不良からくる睡眠不足が効を奏して、21時過ぎには寝てしまいました。
フカフカの布団は硬くて暑苦しいオンドルと比べると天国、やはり人間の体は布団の中で寝るようにできているのです。

朝は6時前に起きるつもりが意外と熟睡できたから5時過ぎに目が覚めて、でも結局7時過ぎ活動開始、風呂の大量加水作業で一日が始まります。
一晩ひたすら熱さを増していた浴槽なので、20分ほど加水してようやく人間がかろうじて入浴できる44℃くらいになり、引き続き加水しながら小一時間ほど朝風呂しました。
6月中旬近くともなると外気温上昇に伴って水道水も温度が上がってくるので、ちょっとやそっとの加水では湯温を下げることはできなくなります。
とはいえ水道水温の低い冬場だと、それはそれで人が入浴できる温度になるまで浴槽脇で裸で待ってないといけないので、こちらもなかなかツラいお話です。
いずれにせよ当宿で適温の湯にありつくのは容易ではないのです。

ちなみに9時前には日帰り客第一号と第二号が宿前で待機しているのが見えて、湯を勝手気ままにできるのはほんのひと時というか、でもある意味そのわずかな間の勝手気ままのために敢えて宿泊する値打ちもあるというものです。

朝食は前夜夕食時にお願いして7時開始、由緒正しい日本の温泉宿の朝食に気持ちがなごみます。
岩手 石塚旅館 朝食

朝になって気づいたんですが壱号室に泊まり客がいるようでした。
食事の配膳の気配があったので自炊でなさそうな事がわかったのですが、宿前にトラックが一台停まってたので建設系業務かなにかに従事する人がベースキャンプにしているんでしょうか。
仕事で長期滞在するなら、冬期でなければ風呂の湯温以外は居心地いいしとても懐加減に優しい宿だと思います。
一階廊下突き当たり浴室前の洗面所に洗濯機が2台ありますが、たぶんお願いすれば使えなくはないと思いますが利用可否は不明です。
岩手 石塚旅館 洗面所

仕事でなくても、厳冬期でさえなければ風呂の湯温以外はとても魅力的な宿ですけどね。

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