ロデム
東北(岩手県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
盛岡 つなぎ温泉
≪2020年02月宿泊≫(1泊)
例年のことだけどこの時期、必須栄養素である硫黄の欠乏が顕著化するのと呼応するかのようにコロナウィルスとかインフルエンザが流行しはじめるわけで、健康のため八幡平に恒例冬の遠征に赴かねばならぬという判断に至ります。
仙台から一気に走るのはどう考えても健康にマイナスだから道中に前後泊を加え、岩手湯治3連戦の始まりです。
今回は最リーズナブルな8畳素泊まり一人一泊@3350+入湯税のプランは数日前に売り切れてしまい、でもまぁたいして違わないからと11畳の部屋でじゃらん予約して、素泊まり一人一泊@3500+入湯税¥150でのご利用です。
この時期だと例年御所湖は全面結氷していて、遭難しそうな吹雪の中を命からがら到着するのが通例なのに、今年は湖はさざ波がたって10℃位、道に雪すら積もっていない暖冬がことさら印象的です。
宿に着いたのはチェックインに先んずること1時間、例によって14時に強行突入しますが、駐車場はほぼ満車でおそらく日帰り客だろうと思われます。
入館したらさっそくフロントで料金先払いして、アナウンスされた2階206号室にセルフ入室します。
浴衣も提供いただけるようだったけど、自分は使わないし例によってご遠慮しました。
御所湖が目の前に広がる建物中央の部屋で、部屋名はヤコブでした。
各部屋の名は聖書に出てくるヒトたちの名前だそうで、オーナーさんがキリスト教徒だそうでなるほどですが、別に変に勧誘されたりはしません。
206号室は、踏み込み1畳に洗面&温水洗浄洋式トイレがあって、客室部はたたみ11畳+広縁2.5畳ほどのかなり広々上ランクな部屋です。
頑丈な鉄製扉で部屋外鍵があって、室内設備は6チャンネル映る26インチくらいの無料地デジテレビ、湯沸かしポット、タオルかけ、広縁にテーブルセット、50リットルほどの冷蔵庫、エアコン、ヘアドライヤ、和テーブル、座椅子3脚まであります。
アメニティもフェイスタオル、バスタオル、使い捨て歯ブラシにティッシュがあって、浴衣はチェックインしたときに使わないからとご遠慮したのは前述の通りで、ご丁寧にキリスト教をわかりやすく理解できる布教マンガ数冊があるのも毎度のことです。
押し入れには羊毛敷き布団・マットレスが4セットほど、羽毛かけ布団と毛布はなぜか1セットだけ入っていました。
掛布団カバーは前回同様に洗いたてと見えて、結構肌触りよく清潔感があって好感が持てます。
客室内のコンセントはテレビ左下に2口×1、広縁の冷蔵庫用の2口×1、洗面にもあったような気がします。
窓はシングルガラスだけどレースカーテンとしっかりした厚手のカーテンがはまっていて、開けると御所湖の景色が迫ってきてナニゲにリッチな感じに浸れて、たまには少しだけハイクラスな部屋もいいなぁと思うのです。
空調が効いてて暑くも寒くもない、居心地よい部屋です。
寝具設営が済んだらまずは風呂、風呂は一階に男女別内風呂があり、浴室を出たところに休憩コーナーとコインマッサージ機があります。
脱衣所にエアコンがあるのは夏場のことを考えると大いに評価でき、100円リターンロッカーもあって、なかなか気遣いがされているようです。
ちなみに宿泊者入浴時間は6時~9時、11時くらいから22時までになっています。
当日は15時くらいから2時間ほど入浴したのですが、ほぼ日帰り客が途切れることがなくて、堅実に客足のある人気施設なのです。
たしかにここの湯遣いはなかなかよくて良い塩梅です。
浴槽は2.5×4m、毎分10リットルほどの給湯でほぼ透明、42℃で湯がかけ流されており、午後になるとちょっと湯がなまるけど朝風呂の時は硫黄がはっきり臭って好感が持てます。
ご時世だけに、浴槽に温度センサーが入れてあってフロントで湯温をモニターしているようで、常に定温キープしているようです。
ノックダウン系のパンチのある湯ではないけれど、はっきりした上品な硫黄臭がボディーブローのようにジンワリ効いてくる、でも上がるとすっと火照りが収まる湯で、なかなか面白い湯質に思えます。
湯口横に貼ってあるキリスト様のありがたいお言葉をかみしめれば、現世のつらいことも一時忘れられるというわけで、確実に心身をいやしてくれる湯といえるでしょう。
シャワー混合水栓は8基、リンスインシャンプー・ボディソープ・石鹸ありで、窓に大きなよしずがかけてあるので眺めはイマイチです。
こちらは基本食事提供なしの素泊まり宿で少し残念なことに自炊設備もありませんが、廊下に電子レンジがあって部屋に湯沸かしポットと冷蔵庫があるので、短期滞在はさほど不自由感はありません。
事前申し込みすれば近隣の提携宿で朝食バイキングを利用することは出来ますが、ショートカットしても600mほど距離があり、例年の厳冬期だと八甲田山死の彷徨を地で行きかねません。
今回の夕食は、実は昨夜ハシャギすぎてちょっとダメージが残っていて今日は休肝日と強い意志で決めたので、来る途中のイオンでチキンカツ弁当を買って、アルコール抜きで事前に作った白菜のクリーム煮と一緒に食べました。
イオンの税別¥398弁当、ボリューミーで美味しそうに見えて上げ底のほぼチキンカツとご飯だけのイマイチな弁当でした。
呑んだら入浴しないのがお約束ですが、今回は呑んでないので夕食後寝る前に30分ほど入浴し、温まって床に就きました。
翌朝は起き抜けに30分、軽い朝食の後に30分ちょっと入浴しました。
朝の入浴時間が6時~9時で、ちょっとのんびりしていると9時になってしまうから、できたら10時前まで入浴していい運営にしてほしいところではあります。
ともあれ、天気が良ければ岩手山も綺麗に見えるし秋田駒ヶ岳だって見えるし、食事さえちゃんと仕込んでくれば観光目的の宿泊にも耐えられる雰囲気のお宿です。
WiFiは親機が廊下出て目の前にあって、今回は客室内でも快適に使えました。
以前は廊下の端っこが喫煙エリアだったような気がするのですが、今は全館禁煙になっています。
なにしろ、「すべて疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしはあなたがたを休ませます」の湯だから、さぞかし迷い疲れた子羊たちの救いになっているに違いありません。
お得なプランが利用できるなら相当お勧めできるわけで、11畳部屋だとちょっと手に余る感はあるけど、150円ほどの追加で洗面トイレ付眺めが良いならこれもまた良しといえるでしょう。
ちなみに朝見たら5台くらい駐車があって、たぶん皆さんビジネス宿泊な雰囲気で、でも泊り客は1~2人見かけただけでした。
人と顔を合わせることも多くなくて、マイペースでのんびりできるのも居心地よい宿です。