森山荘
東北(岩手県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
雫石 国見温泉
≪2021年05月宿泊≫(1泊)
流行病が世間を席巻する中、宮城では首長の判断でいちはやく施行されたマン防が効を奏して、ようやくちょっと温泉に行っても咎められなさそうな雰囲気になったというか、このタイミングを逃すとまた緊急事態縛りにあいそうだという気もして、ちょっと心身をほぐしに出かけることにしたのです。
折しも東北は冬季休業から秘湯たちが目覚めるシーズン、昨年はコロナ流行し始めで怖くて動けなかったけど、今年はやや付き合い方もわかってきた感じで注意深く間合いを取りながらの湯治旅なのです。
前日に宿泊予約電話を入れたら女将さん(?)が電話に出て、客が少なそうな感じでこちらとしてはシメシメで、自炊湯治一人一泊@3000+税¥300に入湯税¥150の¥3450になります。
当宿に限らないですが温かくなったら露天にブヨが飛び始めるから、訪問のベストシーズンは営業開始直後か冬季休業の直前あたり、タイミングをつかみそこなうと優に半年手を出せなくなります。
当日は超早朝に家を出て、仕事でもこんなに早起きしないよなぁと思いながらひた走り、でも結局宿入りは14時前でした。
娑婆は20℃近い汗ばむ日、当地は16℃ほどで超快適です。
昨日は雹が降ったとか荒天から一転した今日はアタリの日だそうで、館主と会うのも半年ちょっとぶりというかお互い新年のあいさつから始まります。
部屋はいつもの7号室だということで、まぁそのつもりで車をバックで7号室前まで押し込んでからのチェックインでした。
館主曰く去年は観光バスの日帰り入浴ツアーもあったけど今年はそれさえなくて、今夜は西川さん以外泊り客がいないんだとか、個人的には全館貸し切り確定ガッツポーズ決めです。
室内設備はいつもと変わらずちゃぶ台とお茶セットとストーブがあるだけの自炊湯治部屋、今回もティッシュなしお着き菓子なしです。
敷布団2枚と化繊掛け布団1枚が下ろしてあって、毛布2枚と掛布団1枚が押し入れに入っています。
調理や排泄は部屋奥の扉を開けて7、8、10号室共用部の炊事場・トイレを使う構造で、加熱調理設備はグリル付き2口ガステーブルが2台(1台は電池切れで使えなかった)電子レンジなし、鍋釜薬缶は3部屋でシェアするにはだいぶ少なめ、食器類は多くはないが数人分くらいがあります。
今年も流しの下に45リットルくらいの冷蔵庫が設置してあって、もっとも自分は下界のスーパーで飲料冷却用氷を仕入れてきたので、今回も全く使いませんでした。
ちなみに基本的に客室にコンセントはなくて、7号室だと裏の共用スペースの掃除機用コンセントから延長コードで部屋に引き込まないと電気は使えません。
まぁ携帯が圏外だからあまり電気を使うことはないですけど。
もっともこちらは自家発電なので、うかつにドライヤーとか電力を食う家電を持ち込み使用したらブレーカーを飛ばして大騒ぎになると思うので、携帯やデジカメの充電くらいはいいとしても持ち込み電気器具類は封印するのが賢明なのです。
今回は7、8、10号室のみならず全館貸し切りでお値段以上です。
荷物の搬入が済んだら、なにはともあれ混浴露天に直行します。
露天は39~40℃のやや温めながら絶好温度よりわずかに高め、そういいつつも2時間まどろむというか1時間は完全に意識が飛びました。
そういえば最近自宅で就寝するとき、うっかり仕事のこと考えるスイッチが入ると数時間眠れなくなるので、枕元にMP3プレーヤを置いて水音とか鳴らして気を散らして寝てるんですが、ここの露天は給湯の音とか排水の音とかがまさに眠りを誘う水音で、湯温が低いと寝るしかない感じです。
焦げたタイヤのにおいがする天然バスクリンカラーの東北屈指の湯で、周辺山肌には残雪があって風はヒンヤリ、ご機嫌な貸切露天風呂です。
というわけで2時間露天、そのあとちょっとだけ内湯で髪を洗ったりしたら誰とも会わないうちにもう17時すぎ、水分補給タイムはじまりです。
昼前に仕入れた福田パン謹製あんバターの半分を前菜がわりにかじりながら用意したのは、トンテキ載せ野菜炒め、購入総菜のスパサラダ、なんとなく食べたくなった納豆、イオンの売り場で恨めしそうに見上げている目が合ってやむなくお買い上げした腑つきイカゲソ、といったところです。
厚揚げも仕込んでたんですが今日は見送りということで、いずれも美味しくいただきました。
日中気温が高かった日でもあり、ストーブを点火するほど寒くはないちょうどよさでした。
翌朝は晴れててまず露天にゴー、38℃ほどのところ30分ほど体を活動モードに切り替え、あがって軽く朝食、撤収準備をしてまた小一時間ほど湯に名残を惜しみます。
気温が低いのでブヨが全く飛ばないのは実に快適です。
今回は肌寒くて活動適温でないようで、カメムシは2匹ほど抹殺しただけです。
旅程の都合で9時前に撤収しましたがその時点で温度は13℃、遠くに雪を冠した秋田駒を見ながら娑婆に戻ったのでした。