東多賀の湯
東北(宮城県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
大崎 鳴子温泉
≪2022年01月宿泊≫(1泊)
すぐ隣の西多賀旅館は年賀はがきもいただくし常連さんランクから脱落しそうながらかなりお世話になっているんですが、実はこちら東多賀の湯さんは日帰りは当然経験ありながらも、今回初のお泊りだったりします。
ちょっとわだかまりというか気にかかることがあって緩くスルーしていたのですが、昨今のコロナ下で当宿は応援する必要ないくらい人気宿ではありつつも、県の宿泊補助制度を活用するのも県民の務めだし、気がかりをクリアするのにもいい潮時がやってきました。
宮城県の宿泊施設応援制度のみやぎ宿泊割で、宿泊費の半額の補助が出る前売り券をお買い上げしたのは昨年8月、半年寝かせて2倍になるならいい投資というわけでそろそろ現物償還を執行するタイミングです。
通常だと一泊自炊@6000に自炊入湯税が¥70で¥6070(暖房費込だと思う)になりますが、夏にみやぎ宿泊割キャンペーンの額面¥5000の宿泊前売り券を¥2500で確保していたので、宿泊前売り券に¥1070を添えて清算、つまり実質¥3570での泊りです。
正規料金だと個人的にはお隣のなじみ宿の方が好みなのですが、負担が軽いならこっちもまたよしです。
正月休み明けは宿もお客さんも動きが鈍そうに見えたので問い合わせたら、今なら空いてるとのことで予約して例によって早入りします。
人気宿なんだけど駐車場はそれほど広くなくて、でも室数8だからなんとか納まる感じで、自分は駐車2台目で宿の看板の前にピットインしたのは14時過ぎでした。
玄関入ると女将さんは帳場の中にいて、すごく物静かなポチが出迎えてくれます。
チェックインを済ませ、女将のご案内であがるのは208号室、奥の階段あがって斜め前の部屋です。
こちらは2階に8部屋の客室、空いてる日を狙ったつもりだったのですがやはりというか満室だそうで、12~13人の泊りだそうです。
あちこちに書籍棚が作り付けてあって、本好きな宿なようです。
208号室はというかたぶんこちらの客室は、廊下に格子戸があって踏み込み1畳で鍵付きのふすま、入ると畳6畳の客間に1.5畳くらいのキッチンがあります。
踏み込みには使っていないこたつが立てかけてあって、他の部屋もたぶん共通仕様な感じに見えます。
部屋にはすでに敷布団2枚羽毛かけ布団が敷かれていて、押し入れにはもう1セット寝具があります。
部屋設備はファンヒータ、20インチくらいの6ch映る無料地デジテレビ、セントラルヒータ、座卓お茶セット、ドライヤーといったところでアメニティはティッシュ、歯磨きセットとフェイスタオル、浴衣丹前バスタオル、お着き菓子は鳴子峡ロマンでした。
窓はシングルガラスで障子がはまっているだけで、厳冬期は結露による室内乾燥が厳しそうだし昼頃まで惰眠をむさぼるのも辛そうです。
自分は小型の加湿器持参なので、乾燥に関してはノープロブレムです。
キッチン設備は150リットルくらいの2扉冷蔵庫、湯沸かしポット、無料1口コンロ、流し、といったところで、中鍋小鍋、フライパン、食器少々、包丁はあって調理器具はあまりありません。
ご飯を炊くか尋ねられたので、炊飯器も貸してもらえそうですがご遠慮しました。
コンセントはキッチン逆側隣室との壁の真ん中当たりと、テレビ脇の窓寄りに各々2口があります。
部屋キッチン以外に、廊下中央に共同流し場があって、電子レンジ、魚焼き器、オープンレンジが設置されています。
共同の流しは水と湯の蛇口×2基があって、洗濯機と乾燥機もあり、シャワーブースまであって宿が流行っててそこそこ経済事情はよさそうです。
急いで一夜の設営を済ませてして風呂に行ったのが14時半、コロナのご時世だから日帰り入浴お断りしているようで、通常なら日帰りごった返し状態のところ完全貸し切りでお値段以上のナイスです。
浴室の向かいには湯上り休憩スペースもあって、なかなかいい塩梅です。
42℃わずかに足らない、だいたい毎分20リットルくらいの湯が、2m×2mちょっとの浴槽に注がれます。
給湯口から出た直後の湯はほぼ無色透明で、40cmほどの落差でジャボジャボすることでかなりの濁りになることがわかりました、写真では判別しにくいですが。
実は温泉というのは湧出直後はよほどでない限り透明で、こちらはかなり白濁していて白濁湯がいいと信じ込んでる素人ウケを狙って意図的に白濁化操作をしているんじゃないかと気になっていたのです。
白濁効果を期待して40cmの落差をつけたかどうかはわかりませんが、意図的偽装というほどではなさそうです。
湯が白濁するというのは、湯に溶けた有効成分が酸化され不溶化・微粒子化して光を乱反射している状態で、ゆえに有効成分は固体化してもはや皮膚吸収されない状態になっていて、濁ったただの沸かし湯とあまり変わらないのです。
まぁ本人が満足ならいいようなものですが、自分にとって濁り湯は死んだ湯といえて、できればホントは、ジャボジャボしていない浴槽水面下給湯した湯に入ってみたいです。
ちなみにシャンプーボディソープはあるけどシャワーや湯水混合蛇口はなくて、上がり湯は臭いがせず沸かし湯と断定しました。
白濁偽装湯を疑っていたのですが、長風呂すると意外と体表がそこそこヒリヒリしてくる活性の高い硫黄浴感で、鳴子で東と西と並び称される片方だけのことはあります。
もっとも普段は日帰り客でしっかり混むから、湯も鈍り切って真っ白の死んだ湯になるのですが。
15時にピン客が15分ほど、15時半にもひとりが20分、16時に親子、16時半にピン客さんが入ってきて、17時に2時間半の存分な硫黄摂取を切り上げ、長きにわたり気がかりだったこともすっきりしました。
男女浴室仕切り壁の上空に湯気抜きの天窓が開いていて、そこからたまに粉雪が散ってきて、のぼせかけた体がいい塩梅に冷えて存分に長風呂できました。
炊事場がどんな塩梅かわからなくて、電子レンジがあることはわかっていたから今回はおおむね温めれば食べられるものを事前に仕込んできて、レンチンして食べました。
厚揚げ、鮭ハラス焼き、焼肉、つくね、野菜炒めと健康維持に必要な水分です。
昼食がそこそこボリュームあったので、夕飯は少しライトです。
部屋にあった皿はサイズがちょっと中途半端で、盛り付けに少し悩みました。
今回は食後に魂が抜けることもなく、少しクッション固めな布団でしっかり熟睡です。
翌朝は7時に風呂突入43℃で30分ほど、はじめは貸し切りだったものの後半次々と泊り客さんが入ってきますが、まぁ泊り全員で12~13人だから混むというほどではありません。
体が温まったから一旦軽い朝食に上がって、撤収準備ののち8時半からまた1時間ほど湯を愛でてチェックアウトしました。
玄関で靴を履いていたらポチがちゃんとあなぐらからお見送りに出てきて、なかなか仕事熱心で礼儀も正しいです。
宿泊料金は鳴子だけにやや高めではあるものの、建物もこざっぱり小奇麗だし過ごしやすくはあって、でも個人的にはもっとBOROい宿の方が好きといえば好きです。
人気の白濁湯ということで普段は混んでいるものの、空いていれば湯質はいいし、すこしお付き合いしてもいいかなと思ったのでした。