アクト・バード矢立
東北(青森県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
大館 矢立温泉赤湯
≪2009年09月宿泊≫(1泊)
シルバーウィーク8泊9日津軽温泉めぐりの旅も第7泊目、湯めぐりは明日が千秋楽です。
いくら温泉慣れしているとはいえ仙台までの長距離走行は安全運転第一ですから、帰着日は湯疲れしないよう、湯めぐりは控えて宿の朝風呂に軽く浸かるだけにするのです。
さて今日も連休谷間の平日なので、秋元温泉のお湯にしっかりと名残を惜しんだ後、朝いちはやはり日帰り入浴人気スポット狙いといきました。
●古遠部温泉 (平川市碇ケ関西碇ケ関山) 入湯
●大鰐温泉 赤湯 (大鰐町大鰐) 入湯
●大鰐 焼肉ハウスささき(大鰐町大字蔵館)で牛ハラミ焼肉定食の昼食
●道の駅いかりがせきにてマルメロソフトクリームでお口直し
●日景温泉(大館市長走) 入湯
とこなしてお宿到着です。
7日も温泉めぐりしているとさすがに少々ヘコたれてくるので、今日は軽めです。
こちらアクト・バード矢立(矢立温泉赤湯)でお世話になったのは自炊部202号室、@3750です。どういう請求の内訳だったのか、いちおう説明は受けたものの結局理解できずじまいです。
部屋は8畳+踏み込み(0.5畳)+床の間+窓側に板の間(2畳・洗面あり)、部屋金庫なし、部屋空調なし、TVあり(これは有料オプション)です。
室内コンセントは2口×3(TVで1使用)ありました。
入室時部屋の鍵が見当たらないので帳場のオヤジに聞いたら、散々さがして見つけてくれました。当温泉の自炊部に施錠の概念は無縁なのかもしれません。
アメニティ類ではお着き菓子なし、ティッシュ・浴衣・歯ブラシ・タオルなし、湯ポットもなしです。
さすがにポットは欲しかったので、お湯を分けて貰いにいったら「自炊するって言ったじゃないか・・・」
とかなんとか、ブツブツ言いながら渡してくれました。
布団は掛け布団+敷き布団とシンプル構成(これも別途有料です)
トイレは男女別和水洗共同、共同炊事場には使用有料の冷蔵庫と流しはありますが、ガスの元栓はあるもののコンロはなし、食器調理器具もなしでした。
こういうデフォルト環境が、本来の青森あたりの自炊湯治宿泊なんだろうと思いました。
個人的には必要性の低かった有償貸し出しTV(頼みもしないのにはじめから置いてあったんですが)は、かろうじてヒトの顔が判別できるNHKと、顔の判別ができない民放1局が写るだけです。これなら無くてもよかったのに、という感じです(笑)。
さて評判の高い、お目当ての風呂の入浴時間は7時~21時。
さてここで、なぜ7時~21時なのか、ということですが、21時までなのはそれから浴室掃除が始まるからです。いっぽう7時スタートなのには深~いワケがあります。
実はこちらの温泉は31℃くらいの冷泉。いわゆる温泉として入浴するためには加温する必要があります。加温のスチームボイラーが稼動開始して、適温になるのが7時だ、という ワケです。
そうこうするうち、突如どこからともなく温泉の神様がささやきます。
「ということは、掃除がすんで浴槽が
満杯になってから7時までの間なら、加熱さえしていない生粋の源泉が楽しめるじゃん」と。
神様の助言にそそのかされて宿のオヤジに「未加熱浴槽に入りたい」と申し出たところ、オヤジ「そんなことを申し出た客は初めてだ」とか言ってなんだか怒り始めました。
しかしさらに、温泉の神様はささやきます。「そんな客は初めてって、それってひょっとしたら誰も入ったことが無い前人未到のお湯に入れるかもしれない、ってことじゃん」と。
機嫌の悪いオヤジをなだめすかすことしばし、首尾よく「朝6時から10分くらいなら・・・」と了解を取り付けたときの嬉しかったこと(笑)
まぁ湯温(というかむしろ水温)が低くて少々肌寒く、快適というほどではなかったものの、前人未到達成感は存分に味わうことが出来ました。
宿を離れる際にオヤジに入り心地をたずねられたときには、少々答えに詰まりましたけど、ちょっと温泉ツウの間では自慢できそうな体験といえるでしょう。
宿泊者の寄せ書き帳があったので、「未加熱浴槽に入ったぞ、どうだウラヤましいか(笑)」と書いたのは言うまでもありません。
宿のオヤジはつっけんどんで、ちょっと付き合いにくい感じは否めません。宿の設備なども、少なくともこれまでの自分の自炊湯治宿泊のイメージとさえも一線を画すものがあります。
でもこういう体験は、都会でも、日帰り入浴でも決してできないことでしょう。
どうだうらやましいか(笑)・・・そうでもないか(笑)
出発する間際にオヤジが、比内地鶏のタマゴの温泉卵を食べさせてくれたことも書き添えておきます。
コクがあってとてもおいしかったですが、できれば朝ごはんのタイミングだともっと嬉しいんですがね、オヤジさん。(って見て無いか/笑)