谷地温泉
東北(青森県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
十和田 谷地温泉
≪2011年05月宿泊≫(1泊)
2011ゴールデンウィーク4日目は青森県東部から津軽方面(というかおなじみの濃い温泉)に移動する道中が長いので八甲田あたりで途中1泊ということで、いちかばちかで申し込んだら予約できた谷地温泉に宿泊にしました。
いちおう日本3秘湯との触れ込みの古い宿で人気はそこそこみたいなのですが、東京資本の経営になってしまっています。
まぁ経営が行き詰って廃業する温泉宿が多いことを考えると、身売りしてでも営業を続けてくれているのは温泉ファンとしては喜ばしいことです。
今日は
●「日本一黒いお湯」の東北温泉入湯
●東北町福祉センター入湯
●激混みの道の駅しちのへでシャモロック親子丼
●七戸のNAMIKIのアイスで口直し
●蔦温泉
とこなしての投宿です。蔦温泉の接客態度が少々傲慢になっていたのに残念な想いをしながらの道中でした。
谷地温泉で1泊2食@5800+入湯税¥150でお世話になった本館2階33号室は、ちょいと急で狭い階段を2階に上がってすぐ、横幅1.5間ながら12畳+踏み込み2畳と妙に長細く広い部屋です。早めに宿泊予約したら6畳間を割り振られたのでしょうが広い部屋で、連休前ぎりぎりに予約した残り福だと思っておきましょう。
昔ながらの本館のほか、比較的造りの新しい西館、東館もあり結構部屋数は多い宿で、こんな辺鄙な立地にしてはそこそこな客の入りでした。
本館共用部はいい具合に鄙びていて、階段の手すりなどツヤツヤに黒光りして秘湯感ムンムンです。
少々煙草をたしなむ自分でも少なからず煙草臭い部屋でしたが、まぁフロントでファブリーズを貸してもらえますし、まぁ良しとしましょう。
(本館通路)
(西館・東館の共用部)
部屋設備は12インチ地デジチュナーテレビ+和テーブル+ファンヒータ、金庫で、部屋鍵があります。考えてみるとこんな超山奥に地デジの電波が届くのが少々不思議です。
アメニティーはお茶セットとポット、ティッシュ、タオルかけ、座椅子、座布団など、タオルや浴衣丹前もご用意いただいてましたが例によって使わずです。
コンセントは部屋突き当たり窓際にTV・ファンヒータ用で2口×1、壁面に2口×3と豊富です。
布団は初めから敷いてあって(マットレス1+木綿敷布団1+木綿掛け布団1)が1セットで、室内に合計5セットあり、たぶん5人部屋なのだろうと思いました。
こちらのお宿はやはり日本3秘湯というだけあって風呂がウリです。木の浴槽は浴室内に「下の湯」と「上の湯」2槽あって、浴室脱衣所寄りの下の湯浴槽は自噴掛け流し38℃、奥側の上の湯浴槽は42℃のいずれも程よい濃度の硫黄泉です。
下の湯は定員8人ほどのサイズですがご機嫌にナマヌルく、ウトウトしながら1時間ほどお世話になりました。
こちらのお湯、一度入ると出られなくなる混雑必至のヌルめ浴槽で、湯が自噴している湯船奥側の隅が人気コーナーとなっています。深夜でもなければそうそう独占できる湯ではなさそうで、たまたま朝風呂で一瞬お客さんが途切れたときに撮った写真がこちら↓です。
夕食は山小屋の雰囲気の濃厚な食堂で、食事時間になると宿泊者が三々五々集まってきて見知らぬ同士が一同に会していただきます。
少数の湯治客のほか秘湯カブレした飲み屋のおねぇさんみたいなのを連れたおじさんとか、なぜかビジネスっぽい宿泊客とか、家族連れとか、秘湯に似つかわしくないお客さんがたくさんいて結構雑然と賑わって面白いのです。
この立地・設備・湯で@5800ならまずまずの料理です。
というか、期待するのは大間違いだが、飲み放付きだし空腹で寝られないほどではない程度、という解説が正確でしょう。
よくわからぬ鍋物(宿いわく、秘湯鍋だとさ/笑)がいちばんおいしかったですが、まぁ格安好みの湯治宿ハンターとしてはほどほどにネタにもなるしかろうじて許容範囲です。
ちなみに米はかなり美味くないし、梅干に至っては梅酒をつけた出し殻の梅を赤く染めているだけのものでした。よくもまぁあんなヒドい梅干もどきを出すもんだとも思いますが、なにしろ飲み放つき@5800なので文句は言わないでおきます。
飲み放題はビール(と表示されてるが発泡酒にしか思えない)、日本酒(大関の紙パック酒)、焼酎(鏡月)、ウーロン茶、オレンジジュースです。食堂外持ち出し禁止ですが氷もあるので、料理を肴に焼酎のウーロン割を何杯かいただきました。
朝食もお値段としてはまぁまぁだった、としておきましょう。
なお自分より(少し)いいグレードの料理とやや質素なグレードの食卓も見受けられたので、完璧な@5800均一料金でもないのかもしれませんが詳細は不明です。
総じてここの湯治滞在は、チープさも含めかなり自分好みですね。
食事なし自炊湯治だと@3800で泊まれますが、食事を作る手間や飲み物のことを考えると2食付にしたほうがコストパフォーマンス的に合理的だと思います。
もっとも料理は所詮それなりなので、必要に応じ娑婆で惣菜類とか酒肴とかを仕入れて隠し持ってきて、あまり大っぴらにならない範囲で持ち込み食材を宿の料理に追加すれば、それなりに充実できそうです。
(注:H23/06以降+¥1000も値上がりしたので、多少料理が良くなってるかもしれません)
本館1階中央付近にある自炊場は電子レンジもオーブントースターも冷蔵庫も多少の食器もあるので、それなりに持ち込み食材を取り扱うことができそうに見えました。
館内にはあちこちに、「谷地のおいしい水」の掲示が貼り出されています。なかなかおいしい水ですから、引き続き何泊か旅行をするのであれば空ペットボトル持参で確保して帰るのもよいでしょう。
そういえば夕食飲み放題のウーロン茶割りが結構美味しかったのは、この水で作ったウーロン茶だからかも知れません。
なお、翌朝はもう5月だというのに朝から雪が降り、8時過ぎには1cmほど積もっていました。
自分は山奥に遊びに行くことも少なくないので、5月末くらいまでスタッドレスタイヤを装着している習慣でノープロッブレムでしたが、首都圏あたりからのお客さんはさぞかし肝を冷やしただろうと思います。夏タイヤのFR車だったりすると雪の山道では絶対動けません(笑)
春の八甲田をナメちゃいかんのです。ご愁傷様です。