黒湯
東北(秋田県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
仙北 黒湯温泉
≪2012年05月宿泊≫(1泊)
ちょいと田沢湖・乳頭方面の温泉めぐりで宿泊することにしました。
孫六温泉に泊まることも考えたのですが、残念ながら(というか結論的に日帰り入浴でそれほど好感を抱かなかったので運よくというか)自炊部は満室とのことで、黒湯温泉に自炊1泊@3500+入湯税¥150+消費税¥175の計¥3825でお世話になりました。
宿泊予約のときに部屋に余裕があれば、「茅葺・囲炉裏付きの部屋がいいか、普通の眺めの良い部屋がよいか」聞かれます。午前中に到着すれば入室までに掃除する余裕があるから部屋を当日選ばせてもらえたのですが、さすがにそこまで早く着くのは無理なのでよくわからぬまま見繕っていただきました。
部屋指定するお客さんも多いのだそうで、こちらの細々した質問にもちゃんと電話応対していただけて好感が持てます。
宿に着いたのは14時少し前です。宿泊者でないと購入できない温泉めぐり帳@1500を仕入れて先に孫六温泉日帰りしたかったので、早目に到着したのです。
車を黒湯の駐車場に置いて1時間ほど孫六で入浴後、チェックインしたのは15時過ぎでした。
駐車場から帳場までは距離100mほどの坂を下り、自炊棟はさらに帳場のある本館から数十メートル離れています。
茅葺自炊棟には各客室内に囲炉裏があって2棟(各3室ほど)、2階建ての普通木造自炊棟(各階8室)が1棟あります。景観を守るためか、当宿に限らず乳頭の宿は黒基調で色調を抑えた建物が多いようです。
※建物見取り図は原図では本館と自炊棟の2階部も掲載されていますが、当ページでは建物配置を説明するうえで紛らわしいと思い消去していますのであしからず。
茅葺自炊棟にはトイレ・炊事場はありませんので、すぐ目の前の2階建て自炊棟の炊事場を使うなり、トイレ棟に用を足しに行くことになります。2階建て自炊棟には炊事場もトイレもあります。
男鹿出身の愛想のいいおねぇさんにご案内いただいたのは2階建て自炊棟2階北東角部屋の24号室、予約電話でおじさんが眺めの良い部屋にしてあげる、と言っていた部屋です。
聞けば今日の自炊客は自分だけだそうで、年季が入ってツヤツヤの2階建て自炊棟を豪華に貸切です。
なお浴場側茅葺棟の1室には、夕方に急遽宿泊を決めた東京のお客さんが入ったようでした。風呂で「泊まりたくなったけど満室で断られた」というので、自炊部がガラガラであることを教えてあげたら泊まっちゃったようでした。
部屋西側が廊下で障子4枚が部屋との仕切り、窓は北側に1枚(カーテン付き)の8畳間で、荷物の多い長期自炊滞在でも室内空間を圧迫しないよう、南側の仕切り壁ほぼ一面が作り付けの棚になっていて収納力は十分です。
いちおう障子の室内側には鍵金具がついていて、室内侵入は気持ち程度抑止できます。
室内設備は和テーブルと座布団、たぶんオプションの石油ストーブだけです。
アメニティは潔く一切ありませんので、必要ならオプションで頼んでください。
石油ストーブは置いてあるだけだろうと信じ切って、チェックアウト前に初めて油が入っていることに気づきましたのでたいして寒くもなかったし使いませんでした。
入室した時にはマットレス+木綿敷布団+木綿掛布団+毛布各1枚が、たぶん湿気ないようにでしょう、和テーブルの上に乗っかってました。枕は部屋に3個あったので3人部屋でしょうか。
廊下の窓からは男女別浴場の源泉地と茅葺自炊棟が見渡せ、部屋の北側の窓からはちょっと遠くに孫六温泉が見え、なるほどおじさんお勧めの部屋なようです。
室内照明は2灯式の蛍光灯ですが、室内にコンセントはありません。
建物の中ほど、階段のあたりに掃除機用と思われるコンセントがあったので、他に誰もお客さんはいないしそちらで気兼ねなく携帯の充電をさせていただきました。
当宿のお風呂は、茅葺自炊棟の間を下ったところに男女別浴室(露天風呂付き)と打たせ湯があり、帳場前を通って本館の南側に混浴の内風呂、打たせ湯、屋根付き露天があります。
いずれの内湯もシャワー・蛇口はなくて、小さく仕切ったスペースに湯溜め槽があってそこから手桶で湯を汲み出して使います。
男女別浴室は脱衣所と浴室に仕切りがない少々珍しい作りで、男女別の露天は割に今風の造り、混浴の露天は山小屋風のしつらえです。
当宿は浴室内写真撮影禁止なためお馴染みお風呂写真はありませんでので、気になるヒトは公式ホームページで浴室内の雰囲気を想像してください。ホントに気になるヒトは是非現地を訪問してください。お湯はいずれも薄白濁で少し酸臭いいいお湯でした。
なお旅館宿泊部を外から見ると館内にお風呂の暖簾が下がっていたので、本館内には別にお風呂がありそうでしたが、どうせ同じ湯だろうと思って詳しくリサーチはしていません。
共同炊事場は結構広めで流し×3、無料コンロ×5口、食器や鍋釜類、共用冷蔵庫、洗濯機、食器洗剤・スポンジまで一通りそろっており清潔で不自由はなく、コンセントもあったように思います。電子レンジは2階階段上がったところの冷蔵庫のうえに設置されています。
宿の北側、孫六との間に川が流れていて、ずっとかすかに水音が聞こえているのがなかなか落ち着け、窓外にはあちこちから湯気が立ち上る山の風景が見えます。
下界より気温が数度低いので少し暑くなり始めたころはもってこいでしょうし、雪が積もったころの景色も格別だろうと思います。もっとも11月末頃から4月頃までは冬季休業になります。
女将さんはじめ電話対応いただいたおじさん、宿の従業員さん皆さん愛想よくて、なかなか印象のいいお宿でした。
なお、茅葺客室の窓にはすだれがかかっているもののカーテンは下がっていないように見受けられたので、のんびり惰眠をむさぼりたいヒトは2階建て自炊棟のほうが良いかもしれません。