海老鶴温泉
東北(山形県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
河北 海老鶴温泉
≪2012年08月宿泊≫(1泊)
お盆休み疲れ解消湯治の第二弾として、趣の深さがことさらなことで一部マニアには著名な当宿に、2食付き休前日料金@6930(平日@6300)で宿泊しました。
当宿くらいロングテールの先っぽに近づいてくると、どんだけインターネットをググってもどんな客室なのかどんな食事なのかまったく情報が無くて(というか宿泊できるかどうかさえもよくわからなかったりする)、さすがの自称格安宿ハンターもかなりビビリながらの到着です。
建物表側には蒸気機関車のどデカいオブジェがあり、建物わきには温泉を活用したかつての養魚場の残骸(先の冬の豪雪で倒壊したんだそうだ)があります。
すでにナカナカいい味出してます。
駐車場は建物裏側(北側)にあって、入口近辺は若干雑然として作業場ふうにも見えます。
屋内も少々雑然としてますけどまぁこれもお宿の個性として良しとしましょう。
客室は建物奥手に3室ほどと宿泊施設としては小規模で、そのいちばん奥の部屋(部屋番・部屋名なし)にご案内いただきました。
内鍵つきのドア(部屋鍵はかかる構造だが提供なし)の8畳ほどの客室で、窓には障子が入っています。着いたらすでに少々薄目の木綿布団と羽根布団がセット済みでした。
室内設備は和テーブルと座布団、19インチワイドの無料テレビ(地デジ6チャンネル)、ポット&お茶セット+冷水ポット、エアコンといったところです。
冷水ポットをご用意いただけているのはこの時期、何よりのおもてなしです。
アメニティはタオル、歯ブラシ、ひげそり、ポーションのシャンプー&リンス、浴衣があります。
暑い今日なぞはエアコンがあるのがありがたく、入室速攻でギンギン運転です。
押入れには敷布団・掛け布団2セットがありましたので、3人部屋なのでしょう。
コンセントはテレビ後ろ2口×1(TV)、部屋奥壁に2口×1があります。
当宿のお風呂は日帰り(6:00~21:00)と共用の、やや飴色43℃ほどの十人サイズのかけ流しでいわゆる「普段着の温泉」ふうです。
シャワー・蛇口5基、固形石鹸があります。脱衣所に扇風機があり、脱衣所出たところのテーブルに自由に飲める冷水&お茶があるのが普段着風の心配りです。
夕食は18:30からということで時間ぴったりにお声が掛かります。
部屋にお持ちしましょうかというニュアンスのご提案もあったのですが、海老鶴に来て館内食堂「汽車ポッポ」で食事しないのは魅力半減・ネタ半減なので、食堂でいただくことにしました。
事前リサーチの通り大き目の汽車模型が、それもかなりの勢いで料理を運んできますが、食卓前ぴったりに停車しないのがなかなか微笑ましい(笑)のです。
食堂には近隣の鉄道模型好きな10歳児(?)が食事中なのに結構カラんでくるのですが、大人の分別でうまくあやしながら夕食させていただきました。
2食付き休前日@6930で文句をつけてはおこがましいのですが、マグロの刺身がうまく解凍できず少しディップが出てたのは許すとして、茶碗蒸しに多少スが入っていたのもまぁ許容範囲として、芋煮がちょっと血ナマグサかったのとズンダ餅のズンダがボソボソになっていたのと米があまり美味しいといえなかったのは少々改善の余地がありそうです。
あと、サザエ刺身の肝がなかったのは個人的にとても残念でした(笑)
とはいえ、いまどきお高いウナギ蒲焼もついていたしたっぷりの酢の物も小鉢もいい味付けで、地の食材を上手に活かしていて品数もたっぷり、全体的にはコストパフォーマンス良好で満足できる夕食といえるでしょう。
平日泊だと@6300でそれでも同レベルなのか気になってしまいますが、当宿の地物料理が気に入ってリピートしているお客さんも少なくないのだそうで期待が持てます。
特段高級でなくても地元でなければなかなか食べられないものをいただけるっていうのが、旅人にとってとてもいいおもてなしだと思います
休前日夜の宿泊だったので朝風呂に入るなら日帰り入浴が始まって混みはじめる6時前がお勧め、とのアドバイスに従い5:40に朝風呂に一番乗りしましたが、実に5:52には最初の日帰り客が入湯、6時にはもはや子供4人+大人6人のほぼ満員状態です。
青森の朝風呂文化も凄まじいものがありますが、当地でも7~8歳から朝風呂が習慣化しているのだとすれば恐るべしです。
朝食は7:30からやはり「汽車ポッポ」でいただきました。食事写真を撮るのを女将さんにじっと見られるのがなかなか居心地悪く、何の仕事をしてるのかとまで聞かれてしまいました。
とりあえず「タダの温泉マニアだ」と答えておきましたが、たぶん少なくとも「タダならぬ温泉マニア」には見えていたかもしれません。
やはり宿泊料にしては質・量とも十分過ぎの満足な朝食でした。
ちなみに最上川流域のこの地域は山芋の栽培に適したところなんだそうで、普通だと朝食には山芋が出るのだそうです。
グルメを目指す宿っちゅう感じではないですが、地のもの・地の料理をのんびりいただいてくつろぐにはいい宿(というか民宿?)ですね。
お客さんをもてなそうというキモチは良く感じられますが、若干歯車がかみ合っていないというか、ビミョーにズレることはありそうです。ご飯のお代わりを聞きに来るのを忘れられてたりとか。
まぁあまりそういうことを気にせず、のんびり気軽にふだん着でくつろぐ、というのが当宿の楽しみ方でしょう。
女将さん曰く、お風呂がちょっと小さくてお客さんをお待たせしたりすることがあるので、そう遠くない将来には拡張するなり露天風呂を作るなりしたいと思っており、現在構想中なのだ、とのことです。
どのような温泉宿(というか温泉民宿)に変わっていくのか楽しみですね。