好山荘
東北(福島県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
福島 赤湯温泉
≪2012年09月宿泊≫(1泊)
娑婆が9月になってもまだ暑いので、奥土湯のここあたりなら涼しいだろうと避暑兼ネタ作り兼息抜きに1泊自炊@3600で訪問しました。
海抜1200mくらいあるらしいのですが、場所柄しばしば霧が出たりして予想通り下界より7~8℃は涼しい印象です。土湯峠はときどき来ますが、下界はドピーカンでも頻繁にガスが出て、それもハンパなガスのかかりかたではなかったりします。
ほんの20分ほど前、下界で汗ばみながら桃シャーベットを食べたのが嘘のように思えます。
宿についたときの見た目は、多くの日帰り温泉ブログにあるように土木作業場または土木資材置き場風に思えるのですが、10年以上前に来た時もそういえばこんな感じでした。
今回は土曜日夜自炊宿泊ですが、曜日は自炊宿泊料金には関係なさそうに思います。
宿泊施設は、玄関右手に9客室ほどと大広間がある旧館(自炊部?)と、2食付き旅館部と思われる玄関左手の2階建物で、お世話になったのはむろん旧館中ほど駐車場に面した6番客室でした。
内鍵つきのふすまで廊下と仕切られた11畳の広い客室で、窓にはカーテンがついてます。
室内設備は和テーブルと座布団、19インチワイドの無料テレビ(地デジ5チャンネル)、ポット&お茶セット、食器ダンスで、秋口以降に活躍するのであろう火鉢もあります。
自炊なので当然アメニティは一切ありません。
押入れには木綿敷布団・マットレス・木綿掛け布団・毛布が5セット、まぁ11畳で5人部屋ならやや狭め順当でしょうか。
コンセントはテレビ横に2口×1(TVで1口)だけなので、これは5人泊るとちょっと厳しいですね。
当宿のお風呂は男女別の赤湯風呂(内湯+露天)、男女別白湯露天風呂のほか、比較的最近できたように見える白湯の貸し切り展望風呂があり、思ったよりバリエーション豊かです。
赤湯はかなり濃く、体を良く拭いたつもりでも風呂上り白い肌着を着ると黄ばんだりします。
もちろん湯に浸けたタオルはあっという間に真っ茶色です。
男女別白湯露天風呂は、これまたエラくワイルドなしつらえです。
展望風呂はなんとなく間に合わせテキな作りに見えなくもないものの見晴らしが良く解放感いっぱいで、湯疲れの少なそうなナイスな湯です。
ガスがかかったらこれまたなかなか幽玄な趣があります。
もっともシャワー・湯蛇口はいずれの浴室にもなく、女性風呂にもありません。
現在設置工事をしているのだそうですが、今期中にできるかどうか・・・とのことでした。
赤湯は脱衣所の掲示にもあるように、思ったより湯疲れするお湯です。
展望→赤湯→露天とハシゴして部屋に戻り、つい15分ほど気絶してしまいました。その後無事蘇生して、夕食前にもう30分ほど展望風呂に入りましたが。
炊事場は冷蔵庫が100リットルくらいと小さいものの広くて設備も整っており、洗濯機もあって長期滞在に不自由なさそうです。
旅館部の2食付き夕食は18:00からみたいでしたが、詳細は不明です。
自分はというと、福島に来て円盤餃子を食べずに帰るわけにはいかないので餃子照井で焼きひと皿をゲットしてきたのです。
持参のホットプレートで温めなおしたのですが測ったようにサイズぴったりで、80℃にセットして40分ほど展望風呂を楽しんできたらちょうど焼き目パリパリになっていて、店で食べるのとたぶん同じくらい美味しくいただけ、大満足でした。
客室にある火鉢は現役だそうで、寒くなると暖房用に炭を分けてもらえる(注:有償)のだそうです。
ということは、これで銀杏やメザシをあぶったりおでんをコトコト煮込んでそれをサカナにして、深々と雪が降り積もる山奥の秘湯で日本酒を飲めるぢゃないか、と想像すると、それだけで気絶しそうに幸せな気持ちになってしまいます。
バーベキューセットを持参して宿前の広場でパーティーをやる、というワイルドテクニックもあります。
館内には、真っ黒くて愛想のないコタローだかコジローだか言う名前のバグ犬がウロウロしています。部屋のふすまを少し開けたままにしていてふと気付くと、ヤツがじっとこちらを見つめていて凄くびっくりしたりするのです。
正直これまで当お宿を少々侮って訪問せずにいたのですが、ちょっと兜を脱ぎました。
さらっと入れる湯とガツンと入れる湯があって自分の好みのプログラムで入浴できるし、日帰り時間が短くて泊り客もさほど多くないのでのんびり湯治できます。
蛇口・シャワーが無いのは残念ですが、髪を洗いたければ日帰りできる湯が近くにいくらでもありますしたぶん来期にはシャワーも設置されているでしょうし。
今回で泊り客は7~8人くらいとそれほど混んでいませんでした。
10月中旬紅葉時期は混むのだそうで、11~12月、雪が積もって展望風呂からの景色が水墨画になった頃に銀杏とメザシと日本酒を携えて腰をすえるのがお勧めのお宿でしょうか。