農民の家
東北(宮城県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
大崎 鳴子温泉
≪2012年11月宿泊≫(1泊)
農民の家は2018年02月28日に経営不振で破産・閉館しました。もう湯治できないと思うと心から残念でショックを隠せません。
皮膚吸収型の硫黄が欠乏して栄養バランスが崩れてきたというか仕事がキツくて現実逃避したくなったというか、とにかくお手軽で手っ取り早く白濁硫黄湯に入りたくなって、ひとっ走り農民の家の自炊湯治1泊@3798(東館室料¥3470+シーツ等貸出料¥80+消費税¥178+入湯税¥70)にやって来ました。
といっても、今回は紅葉シーズンの関係なんだか川渡温泉の手前からアリエナい渋滞で古川~農民の家で2時間かかってしましました。なので予約時の確認ではチェックイン13時OKと聞いていたので14時過ぎ頃の到着予定でしたが、残念ながら着いたのは15時でした。
当宿では、組合員でないヒトはフロントでチェックインするとき身分証明書(免許証など)の提示が必要です。昔はそんなことは無かったように思うんですが。
少し前からまくらカバーやシーツは有償貸出になった(1名1泊で@84)ようで、必要ならフロントの向かい側で貸出をうけて、チェックアウト時に貸し出し伝票とあわせて清算するルールです。
チェックイン手続きがすんだら客室まで案内はないので、部屋まで下足のままセルフで入室です。
お世話になったのは東5312室、東館の3階の一室でした。
時々思い出したように裏のほうから踏切の音がして、窓を開けてみるとJR陸羽東線の列車が通過していくのが見える部屋です。
宿泊棟は何棟もあって全部鉄筋コンクリート造りで、全室部屋鍵があると思われます。
東5312室は踏み込み0.5畳、畳敷き4.5畳に正味2畳ほどの板敷き部があり、室内設備は和テーブル、6チャンネル写る14インチ無料テレビ、お茶セット、セントラルヒータです。
板敷きのキッチンスペースには70リットルほどの冷蔵庫、やかん1、なべ1、おたま1、フライパン1、まないた、炊飯器、コインガスコンロ×1がありますが、包丁はありませんでした。
キッチンスペースは割とこじんまり機能的に作られていて好感が持てます。
入口わきのカーテン内が衣装・荷物入れになっていて、それなりに長期間、多量の荷物を持ち込んでもそれほど空間を圧迫することはなさそうでこれも機能的ですね。
食器はコインガスコンロの下に収納されていて、丼、飯茶碗、汁椀、小皿、ガラスコップ各2が備えられていました。箸や食器洗い洗剤・スポンジはありません。
寝具は木綿敷布団と木綿掛け布団が各2枚押し入れにあります。
窓は広くて明るいのですが、障子のみでカーテンがなく、少々朝寝坊には難があります。
窓際には物干し用のつっかえ棒が設けられていました。
コンセントはコンロ台上に2口×1、TV横に2口×1で、TV裏と冷蔵庫裏の2口コンセントは電気器具で使用されていますが不自由はありません。
温泉風呂はそれぞれ別源泉で4箇所あります。安らぎの湯は1階・2階にそれぞれありますが、2階の沸かし湯浴室にはいきませんでした。
混浴硫黄泉は施設の一番奥中央付近にあり、3×6mくらいの浴槽でそこそこ濃い硫黄泉です。
シャワー・蛇口×2基があります。
男女別安らぎの湯(1階)は施設北東部にあって3×6mくらいの「山」の字型の変形浴槽があり、やや薄目の硫黄泉でシャワー蛇口×5~6基があります。
施設南西部にある男女別の檜の湯は4×4mくらいの三角形っぽい浴槽で、以前入った時は乳白色だった記憶がありますが宿泊当日は薄緑色の硫黄湯が入っていました。
シャワー蛇口×5基があります。
混浴炭酸泉は檜の湯の手前にあって、2m角くらいの炭酸冷泉浴槽とやはり2m角くらいの硫黄泉浴槽があります。硫黄泉で暖まって炭酸冷泉にじっくり入る、という趣向なのです。
当宿の脱衣所は結構盗難防止に気を使っているようで、硫黄泉には鍵付きの引き出しが、安らぎの湯は脱衣棚が鍵付き、檜の湯には無料貴重品入れが、炭酸泉には100円リターンロッカーがあって、持ち物は安心です。
若干客筋に問題があるといおうか、脱衣所やトイレなど入口を開放したままにするおおらか過ぎるお客さんが多いのが難点ですが、湯が鈍るほど入浴客が多くない限り、湯はいずれもなかなかなものです。
農閑期(=アグリピープルが湯治に押し寄せる時期)はいたるところにイナカの人たちがいて気が落ち着きませんが、混んでいない時期でできるだけ自室にこもっていれば悪くはない湯治宿です。
仮に2食付きの格安プランがあったとしても、大広間食事はご遠慮するほうが個人的には賢明だと思います(詳細は前回レポート参照)が、さすがは鳴子の湯宿ではあります。