三之亟
東北(山形県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
最上 赤倉温泉
≪2012年12月宿泊≫(1泊)
ちょっと日程が空いたので、お安く食事付き湯治宿泊ができる当宿に@5400(オール込み)でお世話になってみることにしました。
鄙び(というか寂れ)気味な赤倉温泉街の川向こう(南岸)にあって、結構規模が大きくて田舎の庄屋さんの家のような玄関の造りで、なかなか風格と風情のあるお宿です。
宿泊はホームページから予約しました。自分がお世話になるクラスのお宿では数少ない、ネット予約のできるお宿でもあります。
チェックイン15時との表示でしたが20分ほど早くのチェックインでした。
当宿は露天風呂と岩風呂が1階下がった1階で玄関・帳場は2階に相当するのですが、今回ご案内いただいたのは3階315号室「細道」です。
宿脇の駐車場に面した宿泊料金のいちばんお安い部屋で、湯治部屋はほかにも、若干お値段が高い川沿いの部屋などもあるようです。
部屋入口は鍵付きの扉で、カーペット1.5畳+畳敷き2畳とイキナリ広い踏み込みがあり、その先に客室があります。
もっとも部屋鍵は金具の引っかかりが甘く、施錠しても強く押すと戸が開いてしまいますけど。
踏み込みのふすまを開けると畳6畳+板敷き・床の間が2畳くらいと、窓際に2畳ほどの板の間部があるなかなか広い客室です。
部屋備品は和テーブル、衣装入れの下に金庫、お茶セットで、床の間にセントラルヒータと湯沸かしポット、床の間上部にエアコンがあります。窓側板敷き部には洗面、テーブルセット、80リットルほどの自由に使える冷蔵庫があります。部屋にテレビはありません。チェックインしたときに、テレビを見たければ玄関わきの休憩室でどうぞ、とご案内いただきました
湯治宿泊なのに浴衣、丹前、タオル、歯ブラシ、バスタオル、ティッシュとアメニティーは十分すぎるくらいで、お着き菓子「岩風呂の宿」まであります。
コンセントは床の間に3口×1(1口は湯沸かしポットで使用)、セントラルヒータ裏に1口×1、窓際冷蔵庫裏に1口×1(冷蔵庫で使用)があって不自由することはないでしょう。
レースカーテンが掛けられた窓は2重サッシになっていますが、厳冬期だと寒気を防ぐにはやや不十分に思われました。
ちなみに315号室ではWiFi電波が届いていて、ネット接続は楽々でした。
風呂は岩風呂、瓢箪風呂、露天風呂があります。
ひょうたん風呂は玄関からの廊下途中にあり、長さ2.5mくらいの瓢箪型で42~43℃くらいの浴槽がある小さめの風呂です。シャワー・蛇口1基でシャンプー・ボディーソープもあり、主に男性専用ですが昼前と夜間に女性専用時間帯もあります。貸切にもなるようです。
宿について男性時間帯に入って上がろうとした頃、突如近所の(?)婆っちゃが入ってきました。
「男性入浴時間帯ですよ」と教えてあげたら「大丈夫、ばっばだから」と良くわからぬことを言ってました。田舎の婆っちゃはおおらかなのでしょう。
岩風呂や露天風呂は、館内が結構広いので案内掲示を頼りにたどり着きます。。
岩風呂は幼稚園の体育館くらいの広さの浴室が足元自然湧出の源泉の上に岩盤を覆うように建てられている野趣あふれるもので、中湯(4m×3m)・深湯(5m×3m)と打たせ湯の高湯(2.5m×2m)の3つの浴槽があります。
シャワー・蛇口は男性脱衣所わきに4~5基あるのですがスペース的に2~3人が体を洗うのでせいいっぱいで、しかも給湯量が少ないので蛇口を2口使うと湯温が下がってしまいます。
基本混浴ですが、女性専用時間帯が設けられています。
今回入浴時では中湯で38~39℃、深湯で42℃くらい、高湯で40℃くらいの適温で、中湯と深湯・高湯を交互に入ると無限ループに入ることができます。今回は岩風呂で2時間ほど入り続けてしまい、うち1時間近くは中湯で熟睡しました。
湯は自墳で湧出量をコントロールできないので、加水で温度調整しているようです。
露天風呂は小国川に面して4m×3mくらいの42℃くらいの楕円形浴槽で、シャワー・蛇口数基、シャンプー・ボディーソープがあります。午後が女性専用時間になっています。
夕食は18:15、18:30、18:45・・・からのスタートを選べるということで、18:15開始でお願いしました。
食事場所は1階213号室です、部屋にテレビはありません。
思ったよりかなりいい食事で、食べていたら焼きたての小ぶりの鮎の塩焼き(少し内臓が砂でジャリジャリした天然でした)とできたてのハタハタの吸い物(こちらも小ぶりながらブリコ入り)が追加で供されました。調理したての温かい料理がいただけるのは魅力的ですね。
お米の炊き具合は正直イマイチながら十分な食事です。「モラルの範囲内での飲物持ち込み」もOKなのもうれしいです。
食事を終えて部屋に帰ると布団敷きまでしていただいていました。
木綿敷布団×2、毛布、羽毛掛け布団×1で、掛け布団には襟元シーツが別にはめられて清潔感がナイスです。
踏み込みの押入れにはあと2セット寝具があります。
夜はセントラルヒータ&小型加湿器つけっぱなしにしましたが、外気温が低くなると2重窓ではありますが空気がかなり乾燥していました。
朝食は8時~大広間でいただきます。
こちらも値段の割にはなかなかで(ご飯は相変わらずいまいち)、他の旅館宿泊客と共通内容に見えました。
チェックアウトの時にご主人とお話しする機会に恵まれましたが、相当料理とお湯には気を使っておられるようでした。鮎は地元の天然にこだわってるのだそうです。米は新米なのだそうで炊き方を工夫してみるとのことでした。
湯はぬる目~あつ目までなるべくバリエーションを持たせるようにしているのだそうで、ご主人もぬる湯で寝るのが大好きだそうです。
昔は自炊受け入れもされていたそうですが、宿泊客用のコンロ設置は許認可が複雑で自炊調理は難しいとのことで、電子レンジを整備することを提案したら前向きに考えてみるとのことでした。
もっとも当宿の料金と料理内容を考えると、無理に自炊しなくても湯治宿泊するのがよほど合理的だといえるでしょうけど。