小林温泉
東北(山形県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
酒田 小林温泉
≪2013年05月宿泊≫(1泊)
かつて2008年に宿泊したことがある小林温泉ですが、いかなる宿か改めて1泊2食@5800で再訪しました。公民館か集落の集会所にしか見えない宿ではあります。
こちらは実は酒田市民健康増進施設で、酒田市の第3セクターが運営している宿(というか入浴施設)で、夏場だと毎週火曜日、冬場は火・水曜が休みなのです。
温泉といいながら正確には単純硫黄冷鉱泉を引いていて、浴槽にはそのナマ源泉水とボイラーで加熱した普通の沸かし湯をそれぞれ投入して湯温をコントロールする仕組みになっています。
冷鉱泉の比率が高いほどタマゴ臭が強くてヌルツルの風呂を満喫できるわけです。
今回は5月ながら日中気温が25℃オーバーと、ナマヌル湯には願ってもないコンディションで、宿に着いたのは13時でした。
事前にチェックイン時刻を聞いたところいつでもOK・13時ならノープロブレムとのことで(混み具合によると思います)、とくにやることもなかったし早めの到着にしたのでした。
ご案内いただいたのは玄関右手のブナの間(3人部屋)です。
当宿には客室らしい部屋は2室しかなく、それ以上に宿泊希望があった場合は(前回宿泊時はそうでしたが)日帰り休憩の大広間を客室に充てるようです。
鍵なしの引き戸を入ると踏み込み0.5畳があり、畳10畳敷き、和テーブル、お茶セット、6チャンネル映る30インチワイドくらいの地デジテレビ、テレビ台と化している貴重品金庫、扇風機、ファンヒータ、エアコンがあります。
窓はシングルガラス、障子が入っています。
入室時すでにマットレス×1+木綿敷布団×1+毛布×1+木綿掛け布団×1がセットされていて、押入れにはさらに2セットが収容されています。
アメニティはタオル、浴衣、丹前で、コンセントはテレビ裏にあって、延長コード(3口)が2.5mほど引き出されていました。
男女別の内湯は、硫黄冷鉱泉と加熱普通水の蛇口があって入浴客が好きなように投入して随時適温にします。
到着直後に早速入浴したときには42℃くらいで、他に入浴客はいなかったので冷鉱泉をガンガン加えて37℃くらいにして、1時間ほどヌルツル・卵臭の湯の中で寝ました。
その後入浴者が入ってきたので41℃くらいにしてさらに1時間ほど湯を楽しみました。
ただしヌル湯でもかなり温まるお湯なので、湯上りしばらくは扇風機につきっきりになってしまいましたけど。
なお加温のため温水を湧かすボイラーは(確か)22時で停止します。
宿泊者にとっての最大の特権は朝風呂に入れることです。
一度湯をはるとだんだん冷めてしまい、それなりの湯温にするためには沸かし湯を加える必要がありますが、冷鉱泉の比率が下がることになるためどんどんヌルツル卵臭の浴感は低下します。
最高のコンディションはしたがって、前夜営業が終わり湯が落とされて、朝いち新しい湯が張られて最も冷鉱泉の比率が高いタイミングに他なりません。
当宿では、宿泊客が朝食をとる前に朝風呂に入れるように湯をご用意いただけます。
当日の宿泊者がは自分だけだそうだったので、6時から38℃くらいでと湯温まで(笑)リクエストしてしまいました。
食事は夕食は18時頃からということで、18時でお願いしました。
この時期は周辺には山菜がたくさん出ており、当温泉でもこのころ「山菜祭り」というのをやります。
本年は5/12に終わってしまったらしいのですがまだまだ山菜があるハズなので、食事に山菜が出ることを期待してこの時期の訪問にしたのです。
まぁ少々田舎の家庭料理風ではありましたが、隣室(桜の間)にご用意いただき、たっぷりでバランスの良い山菜豊富なご飯をいただけました。
朝起床して朝食前にはこのために来た、と言い切れる朝風呂を満喫です。
お宿の都合で6時から女性風呂にて湯温は37℃ほどのヌルツルの卵臭を1時間独占しました。
なお出発前にまた39℃くらいで男性風呂に30分ほど浸かって、一番風呂を都合2連チャンして小林温泉を満喫したのでした。
朝は7時でお願いし、やはり田舎の家庭料理ふうの山菜たっぷりの食事でした。
素泊まりとの差額¥2400に見合う食事かどうかは少々判断の分かれるところかもしれませんが、自分の好きなものを持ち込むのも手の一つだと思います。もっとも当宿には宿泊者用の調理施設はありませんし、たぶんお宿の厨房は衛生管理上使わせてもらえないのですが、「冷蔵庫に預かって」とか「電子レンジでチンして」とかお願いはできそうです。
昔は秋には「きのこ祭り」をやっていたそうですが、きのこは見分けにくくて毒があるものも少なくないので、最近はきのこ祭りはやっていないとのことです。
当宿のだいご味は、運が良ければ宿の硫黄冷鉱泉朝風呂が完全に自分仕様になることです。
こういうツウの温泉の楽しみかたに目覚めたい方は、ぜひ小林温泉をお試しください。
なお昼間の運営は担当のおっかさんが一人でやっている関係で、早めに予約しないと食材購入に手が廻らないことがあります。でも空いていれば素泊まりなら直前でもOKだそうです。