ITコーディネータ システムアナリスト 西川雅樹のホームページ


小椋旅館
東北(秋田県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
湯沢 泥湯温泉

≪2013年05月宿泊≫(1泊)

泥湯温泉でもっとも古くからを始めたというこちらの旅館では自炊湯治も受け付けているのを知って訪問する機会をうかがっていたのですが、ようやくの訪問となりました。
山の中なので気温が上がるとアブが出始めるので肌寒いうちの訪問がよかったのですが、冬季休業が明けたのが4/20でその後訪問機会に恵まれなかったのです。
かろうじてまだ周辺に残雪のある5月中旬の訪問となりました。

今回はひとまず自炊1泊オール込み@3000でのお試しです。

予約時点でチェックイン15時とお聞きしていたので14時半くらいに到着、車は専用駐車場に止めます。
秋田 小椋旅館

こちらのお宿は帳場と旅館部客室がある本館と、道を挟んで自炊客室と内湯がある別館とがあります。
秋田 小椋旅館 旅館部
秋田 小椋旅館 自炊部

自炊棟のほうは、なかなかいい味が出ています。
秋田 小椋旅館 自炊部廊下
秋田 小椋旅館 自炊部玄関

ご案内いただいたのは玄関はいって左側にはいった手前の客室、「ひなざくら」です。
かぎのないふすま戸をはいると、畳6畳敷きで和テーブル、お茶セット、食器棚があるだけの簡素な部屋です。
秋田 小椋旅館 ひなざくら
秋田 小椋旅館 ひなざくら室内
秋田 小椋旅館 ひなざくら室内
秋田 小椋旅館 ひなざくら室内

押入れさえもないので女将さんに寝具のありかを尋ねたところ、「隣のひなぎくの間の布団を使えばよいが今夜はほかにお客さんはいないので、ひなぎくで寝てよい」とお許しを頂きました。
秋田 小椋旅館 ひなぎく

タマに全館貸し切りは経験しますが、@3000の自炊湯治で次の間付きの宿泊をするのは初めてでかなりうれしかったですね。ちなみに当日は旅館部も泊まり客がいなくて、全館完全貸し切りでした。
秋田 小椋旅館 ひなぎくからひなざくら
秋田 小椋旅館 ひなざくらからひなぎく

ひなぎく側には押し入れの中にマットレス×3、木綿敷布団×6、木綿掛け布団×4、毛布数枚があるほかはなにもありません。
当然アメニティは何もなしですが、それぞれ部屋の中央部あたりの壁に2口コンセント×1があります。
窓は両室とも障子ふうのダブルガラスが入っていますがカーテンはなしです。

内湯は男女別各1室が自炊棟玄関入って建屋の突き当たりにあります。
秋田 小椋旅館 内湯入り口
秋田 小椋旅館 男性浴室

5m×2.5mくらいの浴槽で、薄く鶯色濁り・PH3くらいかと思われる温度調節のため加水されたお湯です。
秋田 小椋旅館 男性脱衣所
秋田 小椋旅館 男性浴室内

浴室内にうたせ湯(38℃くらい)が一筋ありますが、シャワーはなく、温水蛇口はあるが湯は出ませんでした。
シャンプー・石鹸類はありません。
夕方入浴時には42℃ほどで、酸味と酸性泉臭があってなかなかいい塩梅のお湯でした。翌早朝は40℃くらいで酸味・酸性泉臭とも弱まっていて、日によってかなりコンディションが違うようです。
女性浴槽も同じ造りになっています。

さて実はこちらの宿にはあまり存在を知られていない露天風呂があります。
秋田 小椋旅館 露天風呂
近隣の別荘かなんかと共用みたいで、女将さんも聞かれないと案内してはくれないようなのですが、宿から100mちょっとのところにあります。
秋田 小椋旅館 露天風呂

脱衣所はかろうじて男女別で見た目掘立小屋に近く浴槽も周囲から丸見えなので、普通のヒトは入るのに勇気がいるかもしれません。
秋田 小椋旅館 露天風呂

浴槽は内部を簡単に2槽に仕切られた3.5m×2mくらいでそこそこ濃い硫黄泉に加水されています。
秋田 小椋旅館 露天風呂浴槽

給湯側のほうは45℃くらい、逆側は42℃くらい(早朝はそれぞれ41℃、38℃くらい)で、浴槽底面は磨かれた石造りで枯れ葉などが少々堆積しているのでそれなりにヌルヌルしていて少々滑ります。
秋田 小椋旅館 露天風呂

浴槽と脱衣所と屋根以外何もない開放的な湯船で、ある意味泥湯でもっとも寛げる湯かもしれません。こちらも夕方はそこそこ濃い硫黄臭でしたが、早朝は臭いはあまり感じられませんでした。

宿泊者用炊事場は、無料ガスコンロ×2、蛇口×2の流し、大型の冷蔵庫×1で、食器はそこそこあるものの鍋釜類はフライパンが5枚ほどだけです。
秋田 小椋旅館 共同炊事場
秋田 小椋旅館 共同炊事場
秋田 小椋旅館 共同炊事場

食器洗い洗剤はありますが、本格的に料理を作るのは備品だけでは少々難があるでしょう。
炊事場には、「持ち込んだ缶、瓶、ゴミ類は持ち帰るよう」「電気コンロやホットプレートの持ち込み使用は別料金」の掲示がありましたので、そのようにしましょう。

その日のコンディションにもよるとは思いますが、内湯・露天ともに結構濃くて臭いもある、なかなかいいお湯です。個人的には隣の宿より楽しめましたが、季節がら露天にはすでに小さなアブが飛び始めてしまっていましたので、露天目当てなら肌寒いうちがいいでしょう。もっとも湯温は低めなので、浴槽から出られなくなるリスクはあります。

お隣ほど浴槽のバリエーションはなく、シャワーも蛇口もないというハンデはありますが、お隣の豊明館が営業を止めてしまった昨今、泥湯最古の温泉宿としてぜひお湯を守り継いでいただきたいものです。
秋田 小椋旅館 宿の犬のお嬢

↑トップ