ITコーディネータ システムアナリスト 西川雅樹のホームページ


三之亟
東北(山形県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
最上 赤倉温泉

≪2014年02月宿泊≫(3泊)

山形県の最上あたりの温泉宿は、湯は無色透明無味無臭ながら宿泊料金の割にはさほどボロくも汚くもなく、でも料理がお値段から考えられないほどの充実なので自分の中ではけっこう高評価な位置づけにあります。
当三之亟さんには1年ほど前に湯治宿泊1泊2食オール込み@5400でお世話になってコストパフォーマンスの良さと風呂の良さがかなり深くメモリィに刻まれたのですが、今回公式ホームページでなんとなんと「2月限定3泊6食付き湯治パック@11000」というのを見つけてしまいました。
山形 三之亟

これは東北格安温泉宿の evangelist としては是非ともお試ししその魅力と実力のホドを広くお伝えなければならないわけですが、今回は3泊のうち休祝日前夜泊があるので+¥1050のプラスチャージとなって都合@12050でお世話になってみることにしました。
3泊6食だと秋の宮温泉や泥湯温泉、小安峡あたりでも格安湯治パックがありますが、1人泊でも割増料金なし、冬場の暖房費のチャージなし、表示価格は税込、と考えるとリーズナブルさはまさにトップグループなのです。
ただし公式ホームページからは、3泊分の室数計算ロジックがうまくないのかオンライン予約できませんでした orz。ホームページで残室数を参照して電話で予約するのが宜しいでしょう。

昔の田舎の庄屋さんの家のようなシブい造りのお宿に着いたのは、チェックイン時刻15時の20分ほど前でした。
山形 三之亟 玄関
山形 三之亟 玄関

前回は駐車場に面した3階の部屋でお世話になったので今回もたぶんそこだろうと思っていたら、今回ご案内頂いたのは216号室、玄関から大岩風呂に向かって進んでいって客室部の端っこの岩風呂のすぐ手前のお部屋でした。
山形 三之亟 216号室

まぁこんだけ安くで3泊4日もお世話になれるんならどんな部屋でも何の不満も申しません、てぇヤツで粛々と入室します(笑)
山形 三之亟 216号室

廊下の凹みにスリッパを脱いで部屋入口は鍵付きの開き扉をあけると畳敷き8畳+カーペット敷き濡れ縁2畳(+0.7畳ほどの床の間)の部屋に入ります。
山形 三之亟 216号室内
山形 三之亟 216号室内
山形 三之亟 216号室内
山形 三之亟 216号室内
前回よりはだいぶ古風な部屋ですが濡れ縁の目の前は最上小国川の流れを望み常時川の音がして広さも十分、部屋の格としてはこちらのほうがいいかもしれません。
山形 三之亟 216号室からの眺め
山形 三之亟 216号室からの眺め

部屋備品は和テーブル、お茶セット、湯沸かしポット、温水を使っているセントラル式ヒータが客室内と濡れ縁に各1基、エアコン、床の間に小さな箪笥といったところです。
テレビがないのは前回通りとして、こちらの部屋には冷蔵庫はなかったので、冷やしたいものがあるならこの時期は窓の外に吊るすことになります。
山形 三之亟 216号室内

テレビを見たければ玄関わきの休憩室を利用するのはお変わりなしです。

湯治宿泊なのに浴衣、丹前、タオル、歯ブラシ、バスタオルとアメニティーは十分すぎるくらいで、お着き菓子「岩風呂の宿」もちゃんとありました。できればアメニティは自分はほぼ使わないので、予約時に必要かどうか聞いていただけると自分はエコで嬉しいのですがね。

コンセントは床の間に2口×1(1口は湯沸かしポットで使用)、セントラルヒータ下に3口のOAタップ(1口はエアコン用)でした。

部屋と濡れ縁は雪見障子で仕切られていて、部屋幅全面の窓はカーテンなしのシングルガラスではありますが濡れ縁にもヒーターがあるので防寒上の問題はありません。

前回お世話になった315号室ではWiFi電波が届いていましたが、帳場から遠いこちらの部屋まではさすがに届かず、テレビ室までネットしに行くことになるのがキモチ不便ともいえます。
その代わりといってはナンですが部屋を出て十歩ほどで大岩風呂という利便性を享受することができるのでトントンでしょうか。

風呂は例によってひょうたん風呂、岩風呂、露天風呂があります。
山形 三之亟 ひょうたん風呂入り口

ひょうたん風呂は玄関からの廊下途中にあり、長さ2.5m幅1.5mくらいの42~43℃くらいの湯の瓢箪型浴槽があり、少し湯の出が悪くなるシャワーつき蛇口1基でシャンプー・ボディーソープもあります。時間帯により男性専用または女性専用(貸切にもなる)です。
他の湯とちがってこじんまりと建物内にあるので、厳冬期の脱衣時にもあまり寒くない風呂です。
山形 三之亟 ひょうたん風呂脱衣所
山形 三之亟 ひょうたん風呂
山形 三之亟 入浴時間表

小国川沿いにある露天風呂は18時~翌12時が男性専用時間で結構渋くていいムードの風呂なのですが、今回はさすがに寒くて覗いただけでした。
山形 三之亟 露天風呂
山形 三之亟 露天風呂

今回もっともご贔屓したのは自室から歩いて十歩、8時~18時と21:30~翌7時まで混浴の岩風呂です。
山形 三之亟 岩風呂
今回は滞在前半で高湯が37~38℃、深湯が40℃くらい、中湯が43℃くらいのセッティングになっていて、滞在中毎日4時間くらいをこちらで過ごしました。
後半の高湯はちょっと熱くて、逆に温度が下がった深湯をご贔屓しましたけど。
山形 三之亟 岩風呂
男性脱衣所わきに5基ほどあるシャワー付き蛇口は他に利用者がいなければひょうたん風呂より湯量も多くて、浴室内が少々寒いことを気にしなければなかなか使いやすいのです。
ちなみに女性専用時間帯には岩風呂の男性脱衣所は施錠されますので、女性は何の心配もなく心ゆくまで入浴できると思います。

夕食は例によって18:15、18:30、18:45・・・からのスタートを選べるので18:15でお願いし、前回同様213号室でいただくのでした。
今回は3泊6食で@12050と格安なので、まぁそれほどひどく質は落ちないだろうけどそれほどの期待はしていませんでしたが、前回を上回るクオリティにたまげてしまいました。

(夕食その1)
舟形町で鯉を産しているらしくて鯉料理3品。鯉コクはちょっと食感がいまいち。お吸い物の替わりにポトフが出たのが新鮮。ご飯はいい炊き具合でドンブリ3杯分ほどもお櫃に入っていて、さすがに食べきれない。もっと少なくしてくれとワザワザ申し出た。
山形 三之亟 夕食1
山形 三之亟 夕食1

(夕食その2)
今日も充実だな~と思いながら食べていると、天ぷらが出てきた。さらに子持ち天然鮎塩焼きが出てきた。そのあとこれでもかと出てきた汁ものは牡蠣のおすまし。正直カレイの煮付けはイマイチだった。減らしてほしいと申し出たいい炊き具合のご飯はそれでもドンブリ2杯分ほどもお櫃に入っていた。
山形 三之亟 夕食2
山形 三之亟 夕食2
山形 三之亟 夕食2
山形 三之亟 夕食2
(夕食その3)
まぁ2食目のこれでもか攻撃ほどではないにしろ、充実の食事。お吸い物は鱈の白子、あたりまえながらA5級肉とかではないけど東北でいわゆる関西風のすき焼きもいただける。本来関西風というのは単に薄味なんじゃなくて、設計し尽くされた素材の味を活かす味付けなんだが。。。
ブリの照り焼きは予想通りイマイチ以下、お櫃のご飯はやはりドンブリ2杯分ほどで夕食はやや小食な自分には食いきれない。
山形 三之亟 夕食会場
山形 三之亟 夕食3

まぁ東北の田舎の素朴なおもてなしは「食べきれないほど」が重要ポイントなのかもしれないので多少はやむを得ないでしょう。
昔は魚が入手しづらくて料理も発達しなかったであろうこの地域がら、海魚の料理は正直ほぼイマイチで、子持ちアユは美味かったですがやはり少し火が通りすぎでした。そのわりに鱈の白子(いわゆるタラキク)は新鮮でやたら美味しかったです。

寝具はチェックイン時点ですでに木綿敷布団×2、毛布、木綿掛け布団×1がセット済みで、掛け布団には襟元シーツが別にはめられて清潔感がナイスです。格安湯治なのに申し訳ないいくらいですね。
踏み込みの押入れにはあと1セット寝具がありました。

夜はセントラルヒータ2台を少し弱めにして小型加湿器をつけて快調に眠れました。

朝食は8時~大広間でいただきます。
こちらもお値段の割には充実でご飯の炊き具合も文句なしでした。
山形 三之亟 朝食会場
山形 三之亟 朝食1

朝食その2はさすがに日曜日の朝ということもあって、ほかに一般客が2組と涌谷町のスキー少年と引率のオヤジ20人強ほどが朝食会場をにぎわしました。
山形 三之亟 朝食会場
山形 三之亟 朝食2

最終の朝食も充実満足でした。
山形 三之亟 朝食3

けど勿体無いやらありがたいやら申し訳ないやら、1泊目と3泊目はなんと、自分の全館貸し切りでした。
まぁ何がいいかって、通常岩風呂女性専用時間帯(7時~8時)でも貸切なので気兼ねなく岩風呂を独占して朝風呂で居座っていられる(それも3泊たったの@12050で/笑)のです。

館主のオヤジさん曰く今回3泊4日@11000(平日の場合)は初めての試みだそうで、でも実は3~4月のほうがもっとヒマだから続編企画をやるかもしれないのだそうです。
これ以上身体に栄養がつくのも、世間をナニカと欺いてまで(汗)泊まりに来るのも悩みものなのですが聞き捨てならないオハナシで、できれば格安ゲリラ企画なんてのも時々やってもらえるとワタシ燃えるんですけどね(笑)

ちなみに前回宿泊した時に電子レンジの設置を提案したのですが、まだオフィシャルには設置されているようではなかったものの、大広間(朝食会場)脇の配膳室に宿用のものを1台見つけてしまいました。
使いたいと言ってたぶん断られることはないと思います。
できれば宿泊客が自由に使える共用冷蔵庫とか欲しいもんですが、結構館主のオヤジはイロイロ真剣に宿の経営だけでなく地元や赤倉温泉のあり方を考えているみたいでした。

素泊まりより格安食事付き宿泊コースのほうがよほどコスパ良好な当宿ですが、諸般の事情で素泊まりする場合でも(消防の許認可の関係で自炊設備までは難しいとは思いますが)使い勝手のよさの向上を今後も期待したいです、というかボチボチでも良くなっていってもらえると期待しています。
山形 三之亟 対岸遠景
山形 三之亟 対岸遠景

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