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菊地旅館
東北(宮城県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
大崎 中山平温泉

≪2014年06月宿泊≫(1泊)

ちょっと国道108号線を北上した帰りに、中山平の宿泊湯治・休憩専門宿というキャッチフレーズが気になって迂回して宿泊してみることにしました。
泉質がいわゆるアルカリ単純泉でまぁだいたい予想はつくので特段湯に期待しての訪問でもなく、空いていれば、という感じで宿泊問い合わせをしたのは当日の昼前でした。
平日だったこともあるのでしょう、今すぐでもチェックインOKということで、サスガにね~と昼食を取って食料を仕入れて中山平温泉郷のもっとも奥まった立地のお宿に着いたのは13時前後でした。
宮城 菊地旅館
宮城 菊地旅館 玄関

宿泊料金は自炊宿泊のみ受け入れで、宿泊料@3500、入湯税¥70、消費税¥280の、1泊都合¥3850となっています。
宮城 菊地旅館 帳場
宮城 菊地旅館 玄関

何となく先入観でこじんまりしたお宿だろうと思っていたのですが、建物はコの字型で一部2階建ての16客室ほど(全室が宿泊に供されているかどうかは別にして)で思ったより規模は大きいです。
昔ながらの田舎の家の雰囲気が濃厚に漂います。
宮城 菊地旅館 廊下

ご案内頂いたのは1階中ほど、12号室(定員3人)です。
宮城 菊地旅館 12号室

廊下との仕切りは雪見障子だけで、廊下にスリッパを脱いで入室する6畳間です。
宮城 菊地旅館 12号室内

室内設備は和テーブル、お茶セット、食器1式、電気炊飯器で、14インチくらいで6チャンネル映るアナログテレビがありますが、こちらは別途視聴料金がチャージされるらしいものの詳細はスイッチ入れもしなかったので不明です。
宮城 菊地旅館 12号室内
宮城 菊地旅館 12号室内

アメニティは一切ありません。
木綿敷布団×1+マットレス×1+木綿掛け布団×1+タオルケット×1がたたんでおいてあって、押し入れはからっぽでした。シーツは自家洗濯なようで、小ざっぱりしてほど良く糊が効いていて寝心地良いものでした。

コンセントはテレビ脇に2口×1があるだけです。
当宿の少し特徴的なところといえば、この地域の温泉宿の昔からの暖房システムでしょうか。
宮城 菊地旅館 客室暖房

部屋奥に放熱板のついた鉄パイプが通してあってこれに温泉湯を通すことで室温を上げる仕組みなのですが、湯の通り方が変則的なのだからでしょう、湯が通過する音が遠くの海の潮騒のようでナニゲに和むのです。
海べりで宿泊しているような気になれます。
今はなき東蛇の湯にもこのパイプがあったのが懐かしく思い出されます。

炊事場には使えそうなガス台が少なくとも4台(コンロ8口)、電熱グリル・鍋釜類はあり、流しもそこそこ広く、調理器具類・食器洗い洗剤・スポンジもあって自炊には困らないでしょう。
宮城 菊地旅館 共同炊事場
宮城 菊地旅館 共同流し場

電子レンジは見当たりませんでした。
3扉300リットルくらいの冷蔵庫が浴室前にありますが、宿泊時は故障中だそうで氷の入ったクーラーボックスの貸し出しがありました。
食器類と電気炊飯器は客室内にご用意いただいていました。
宮城 菊地旅館 食器類と電気炊飯器

いちおう泉質表示には男性浴室とは書いてはあるものの実質は混浴だろうと推定される大浴室には、2m×2m弱の内湯浴槽が2槽あります。
宮城 菊地旅館 温泉インフォメーション板
宮城 菊地旅館 浴室
宮城 菊地旅館 脱衣所

一方(窓側)は温度低めの42℃くらい、もう一方(奥側)は45~46℃の同源泉のいわゆるアルカリ単純泉です。
宮城 菊地旅館 高温浴槽
宮城 菊地旅館 適温浴槽

脱衣所掲示には、湯の華が大量に出るために一方の浴槽への給湯を多くしているような記載があったのですが、少なくとも高温槽は自分には、右足親指を浸けただけでイキナリ入る意欲がなくなる高温でした。
無加温・無加水・消毒なし・完全かけ流しを明言しており、いろんな日帰り入浴ブログによると薀蓄も相当なものなようです。
なので今回は意識的に館主との温泉談義は避けちゃいました。

水蛇口が2基とその脇に湯蛇口(に思えるもの)が3基ありましたが、湯は出ず、でもシャンプー・石鹸はありました。
入浴者がいなかった女性浴室は、2m×1mくらいの浴槽に45~46℃のアルカリ単純泉が掛け流しになっていました。
宮城 菊地旅館 女性風呂

女性脱衣所には入り口と別の扉があって、どうもそこから混浴室に入れるようです。

宿泊した日が雨天だったこともあるのでしょうが、夜中周辺の田んぼから蛙の壮絶な鳴き声が延々と聞こえてきます。
アマガエルが窓にへばりついていたり、ああそういえば昔の田舎の家ってこんな感じだったよなぁ、とお宿のたたずまいに懐古感に耽ってしまうのです。
宮城 菊地旅館 あまがえる

ちなみにトイレは今時珍しい汲み取り式でますます昔の田舎の家感が強まりますが、夏場のことを考えるとできれば簡易水洗にして欲しいところではあります。

お湯に関しては典型的なアルカリ単純泉で良くも悪くも刺激がなく、毎日でものんびり寛いで入れるお湯です。
とはいえお湯には相当なこだわりがあるようで、しかも来客はとても少なくて、安心して静かに新鮮な湯を独占満喫することができます。
いっぽうで、すぐ裏のあすか旅館には日帰り入浴の車が多数停まっていたりします。
商売の積極性に若干改良の余地があるというべきか、ものすごく穴場な湯宿だというべきか、生粋のアルカリ単純泉と昔の田舎の家の風情を満喫できるお宿なのです。
宮城 菊地旅館遠景
<2014/08追伸>
宿泊2カ月以上たってから「隣のトトロ」を見ていて、なんだかリアルに当お宿を思い出しました。
だからどう、っちゅうハナシではないです(爆)

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