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孫六温泉
東北(秋田県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
仙北 孫六温泉

≪2014年10月宿泊≫(1泊)

こちらのお宿はうんと前に日帰りしたことがあって、数年前に湯治宿泊も試みたものの満室で門前払いを喰らってからそのままになっていた(というか忘れてた)のですが、新しい滞在先も枯渇し始めた昨今、ふとあそこがまだ未滞在じゃないか、と思いだしたのです。
娑婆のイロイロがあってちょっと気持ちとスケジュールが落ち着く10月末、間もなく冬季休業を迎える馴染み宿へのいつもの年末挨拶ツアーの途中で、1泊自炊宿泊@4000+入湯税¥150+消費税¥320でお邪魔することにしました。

こちらはとにかくやたら辺鄙な立地なのですがなぜか通年営業です。
秋田 孫六温泉

降雪期なんか、だれが周辺を除雪するんだろうかと人ごとながら心配になります。

こちらはほんの何年か前までは車は黒湯駐車場に置いて、ちょっとそれなりの距離を徒歩でアクセスしなければならないお宿でしたが、昨年くらいから道路ができて橋の目の前まで車で行けるようになって、飛躍的に現世との距離が縮まったのです。
秋田 孫六温泉

さて当日は前日泊の宿のチェックアウトが9時半、こちらのチェックイン時間は15時なんですが宿泊予約のときに14時過ぎくらいに着くといって予約していて、当日は暇を持て余して13時半に突入しました。
秋田 孫六温泉
秋田 孫六温泉 受付・帳場

宿の大女将が、お爺さんが戻ってくるまで少し待ってね、という待機状態は10分ほどで、おじいさんがお戻りになって案内された自炊部屋は、まさに孫六旅館の立派な看板が貼りつけられた2階建ての建物でした。受付のあるあまり目立たない建物のほうが旅館部なようです。
秋田 孫六温泉 自炊棟

秋田 孫六温泉 自炊棟玄関
秋田 孫六温泉 自炊棟1階廊下

案内頂いたのは1階はいって2部屋目の106号室、踏み込み0.5畳の内鍵がかかる6畳間です。
自炊部は全室宿泊に供しているかどうかは不明ながら10室ほどあって、ちなみに前日まで満室だったそうです。
秋田 孫六温泉 自炊106号室
秋田 孫六温泉 自炊106号室内

室内設備は和テーブル、お茶セット、鏡くらいで窓はシングルガラス、カーテンなし。室内照明は白熱電球という相当シブい自炊室ですが、内部はボロくもなく至って普通にきれいです。
秋田 孫六温泉 自炊106号室内

アメニティは自炊なのにタオル&歯ブラシ、浴衣、丹前、ティッシュと意外に充実しています。
木綿敷布団×2+羊毛敷布団×2+木綿冬掛け布団×2+木綿夏掛け布団×3毛布×3という構成の寝具が押し入れにあって、当然セルフ敷きです。
秋田 孫六温泉 自炊106号室内

コンセントは壁の柱に1口×1です。
こちらは今でもそうなのかどうか自家発電のお宿とかで風呂の電気は22時で消灯だそうで、あまり大容量の電気製品はブレーカーが落ちかねなので持ち込み使用しないほうがよさそうなのです。
秋田 孫六温泉 宿泊心得
秋田 孫六温泉 秘湯7カ条

共同炊事場は自炊棟の孫六温泉の看板の真下あたりにあります。
秋田 孫六温泉 共同炊事場

水蛇口3基ほどの流し、2口コンロ+グリルの無料ガステーブル×1、薬缶いくつか、鍋は5~6個あるがほとんど蓋はなし、フライパンも蓋なし4~5枚、ガス炊飯器あり、120リットルほどの2扉冷蔵庫あり、といった機器構成です。
秋田 孫六温泉 共同炊事場

包丁×1とまな板数枚のほかは調理器具はほとんどないのですが、食器洗い洗剤・スポンジがあるのはうれしいです。
ご飯茶わんとみそ汁椀、小さめの皿はやたら多いものの、食器類はほぼそれだけで箸スプーン類もあまりなさそうでした。
秋田 孫六温泉 共同炊事場
秋田 孫六温泉 共同炊事場
炊事の使い勝手はさほど良くないような印象で、自炊客が多いと狭いし結構競合しそうで大丈夫なのか心配になる炊事場ではあります

浴室は、男女別唐子の湯、混浴の石の湯があります。
秋田 孫六温泉 お風呂案内
秋田 孫六温泉 お風呂案内
秋田 孫六温泉 湯屋

唐子の湯の男性側はコンクリ床の浴室に漆黒の浴槽が2.5m×1.5mほど、宿泊時45℃オーバーと思われる激熱湯がかけ流しになっていました。そういやずっと昔日帰りの時も熱かった記憶がよみがえります。
秋田 孫六温泉 唐子の湯
秋田 孫六温泉 唐子の湯男性浴室入り口
秋田 孫六温泉 唐子の湯男性脱衣所

中華卵スープの卵のような湯の華がほのかに漂う見た目良い湯なのですが、何しろ罰ゲームかリアクション芸人用か、という感じで30秒でリタイヤしてしまいました。
秋田 孫六温泉 唐子の湯男性浴室内

シャンプー石鹸、シャワー、湯水の蛇口なにもない風呂です。
源泉の投入パイプしか見当たらなかったので、入浴者が湯温を調節することは不可能と思われ、入浴時間は22時までです。

もうひとつの内湯が石の湯で、脱衣所別・浴室共用の混浴です。19時~20時半は女性専用になります。
秋田 孫六温泉 石の湯
秋田 孫六温泉 石の湯男性脱衣所入り口
秋田 孫六温泉 石の湯男性脱衣所

脱衣所から階段を下りた湯船は3m×2mほどでやはり内部は黒く、なぜか浴槽底に木の板を押さえつけるため思われる漬物石が沈み込んでいます。
湯船の中や脇に大きな岩が露出しているのが風呂名の由来と思われます。
秋田 孫六温泉 石の湯内
秋田 孫六温泉 石の湯内

自噴していると思われる湯口のところに水道蛇口があってかろうじて湯温調整できそうには思うのですが、デフォルト湯温は44~45℃くらいなようで、こちらもなかなか温湯好きにはハードルが高い湯になっています。
石鹸、シャワー、湯水の蛇口なしで、シャンプーはあるにはあったものの訪問時ほぼ空でした。
透明湯で小さな浴槽ではっきりいって女性には混浴ハードルの高い浴室なものの、自分には調査できませんけど女性専用露天風呂はあるようで女性入浴客はみなさんそちらを利用されているようでした。入浴時間はやはり22時までです。

石の湯の隅の引き戸を開けると露天風呂が2槽あり、基本混浴です。
秋田 孫六温泉 石の湯露天建屋側
直径4m強ほどの宿建屋側の浴槽は石の湯のオーバーフロー湯+別に引き湯した湯の混合で、宿泊時39~40℃でした。
自分は嗅覚はあまり自信はないものの塩素臭がしたように思いましたが、投入の有無は未確認です。

川側の浴槽は3m弱、石の湯側の浴槽からさらにオーバーフロー湯を引きこんでいて、訪問日は落ち葉その他モロモロの影響で鼈甲色に変色していました。湯温は上流側より当然低いものの一応味見だけしてすぐ出ました。
秋田 孫六温泉 石の湯露天川側

翌朝は無色透明になっていて入浴者によると適温だとのことでしたが。
石の湯同様19時~20時半は女性専用になり入浴時間は22時までです。

なお混浴のうたせ湯の湯屋があったものの、完全に機能停止して久しいように見えました。

入浴時間が22時までなのは、どうも正確には浴室の電灯を22時で消灯すると言ってるだけで別に湯を止めるといってるワケでもなさそうなので、懐中電灯を持ってくれば深夜でも入湯できるかもしれないです。自己責任ですけど。
1夜明けた石の湯朝風呂は、どこかの分別ない先客が最大加水したままに放置していて湯温38~39℃でした。
自分はイキナリ熱い湯に入るよりは温めからじわじわ温度を上げていくほうが好きなので、蛇口の水量を絞って41℃くらいになるまでのんびり入っていましたが、他のお客さんたちは露天が適温だと皆さんそちらで朝風呂してり、ほぼ独り占めを楽しめました。

宿の2食付き宿泊の食事は夕食17時半~19時、朝食7時~8時らしいものの未確認です。

個人的には自炊客室数に比べて共同炊事場設備の規模が小さくてその割に宿泊料が高いし、なにより風呂が熱い単純泉なのがマイナスで、石の湯のムードはとても良いのですがたぶんリピートはないでしょう。
この立地にあって窓がカーテンなしのシングルガラスなので、厳冬期は室内も結構寒くなるし凄く乾燥すると思えます。
ストーブ貸し出しは@1000との掲示があったものの1泊でなのか1滞在でなのかは不明です。

無線LANが使えるという記述のあるHPもありましたが自炊部では電波検知できず、一方FOMAはバリ3本ながら帯域は狭そうで途切れがちでした。

館主・女将とも後期高齢者と見えるご夫婦で、跡継ぎがいるのならいいのですがこの先どうなるのか、杞憂であってほしいのですがお宿の先々が少々心配に思われました。

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