好山荘
東北(福島県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
福島 赤湯温泉
≪2014年11月宿泊≫(2泊)
なんやかやと11月も下旬に入ってしまい、まだコジローに年末の挨拶をしていなかったのでギリギリっぽい感じで訪問しました。
当宿は正月明けまで営業してから4月下旬まで冬季休業に入るのですが、とてもじゃないがこの寒い山奥に12月に入ってから泊まる気には、いくら自分でもなれないのです。
この時期さほど混んでるハズがないので宿泊予約をしたのはほんの数日前、現時点で想像しうる現地の寒さと自分の滞在したい気持ちのバランスを考えてオール込み@3700で2泊お世話になることにしました。
電話応対の女将さんは4輪駆動車×スタッドレスならいいけど、でなければ来ないほうがいいような口ぶりでした。
娑婆から土湯あたりまで上がってきたのはすでに14時頃で、娑婆はそれでも気温十数度でしたが、土湯温泉を越えると数℃、やはりダテに標高が高くはないです。
いつものように国道115号線土湯トンネルを抜け横向温泉から奥土湯に向かうルートに入った時に、カーナビに×マークがたくさん出ていることに気付いたのです。
マサカ(笑)と思いながら走っていくと、あろうことかホテルマウント磐梯過ぎたところで道路が積雪閉鎖されていました。
こんなに早いタイミングでのありえない道路閉鎖に毒づきながら4kmほど引き返して、鴉川トンネル側から県道30号線にはいって鬼面山近くまで車を進めるうち、周囲の雪景色が深くなるし道路走行面にも雪が残るコンディションになってきます。
好山荘にたどりついたのは14時過ぎ、女将さんが4輪駆動車×スタッドレスでないと・・・といった意味がようやくわかりました。
例年より早く数日前に吹雪いてそこそこしっかり積もったのだそうで、磐梯吾妻スカイラインの売店や施設も一足早い降雪に大慌てだったのだそうです。
そういえば今年は紅葉も1週間ほど早かったので、考えてみればつじつまの合う話ではあります。
コジローのお出迎えは相変わらず歓迎しているようなそぶりは微塵も見えません。
勝手知ったる何とかで部屋番号をお聞きしてセルフで入室したのはいつもの6番です。
宿泊客はほかにはなく日帰り入浴客もほとんど来なくて、ほぼお宿も風呂も独占出来そうな期待感が高まります。
内鍵つきのふすまを入ると11畳客室でシングルガラス窓にカーテンあり、室内設備は畳まれた和テーブル、コタツと座布団、19インチワイドの無料テレビ(地デジ5チャンネル・映り具合未確認)、ポット&お茶セット、食器ダンス、活躍するのを見たことのない火鉢、当宿で今回初めて目にしたファンヒータです。
アメニティは一切ありません。
押入れには木綿敷布団・マットレス・木綿掛け布団・毛布が5セット、コンセントはテレビ横に2口×1(TVで1口使用)です。
今回想定外・痛恨のダメージだったのは、展望風呂に入れなかったことです。
設備のトラブルとかで湯が溜められなくなっていて、これから先ほとんどお客さんの入りも期待できないので修復する気はこれっぽっちもなさそうで周囲の風防囲いの板の撤収まで始まっていたのです。
展望風呂に入りたくて泊まりに来たのに、かなり女将さんに駄々をこねましたが却下されてしまいました。ここから吾妻連峰の冬景色を眺めながらゆっくり湯につかる予定だったのに至極残念で、コジローも残念そうでした。
ちなみに展望風呂には浴槽脇に手すりと浴槽内にステップが新設されていて、ハンディキャップなお客さんのアクセシビリティが改善されていました。
展望風呂のかわりに今回ご贔屓したのは男女別露天白湯です。
といってもこちらももうほとんど入浴者がいないので、脱衣所までのアクセスも、脱衣所から浴槽までの4~5mも、ちゃんと雪が積もっていて、ラッセルしてようやくの入浴となりましたす。
脱衣所までは長靴をお借りすれば済むものの、浴槽手前数メートルの雪上裸足歩行はなかなかキツいものがあります。
雪は積もっていても気温はそれほど低くなくて風もあまりなかったのは幸いでしたが、浴槽までの小走りも冷たいし、うっかり滑って転倒しようものなら雪に尻餅で痛いわ冷たいわの2重苦になってしまいます。
湯温は42~43℃、入ってしまえばこっちのものなのですが。
朝風呂はさすがに身体が冷えていて露天に行く勇気はなくて、もっぱら赤湯に入りました。
が、相変わらず湯蛇口もシャワーもありません。
赤湯は内風呂42~43℃、露天で39~40℃とコンディションはご機嫌ですが、露天はやはり階段のところに雪が積もったままになっていて、これまた手すりを乗り越えて怖々浴槽に降りることになります。
まぁ、雪が降って以降の好山荘はかなり入浴条件が悪い、と思っておくのが良いようです。
なお赤湯の広いほうの浴室には上がり湯槽ができていました。といっても給湯機の加温能力が低いので夏場に限って生温い湯が使える程度なんだそうでまぁ役には立たないようです(汗)。
炊事場は相変わらず、80リットルくらいの冷蔵庫あり(若干お宿の物が入っている)、電子レンジあり、鍋釜薬缶あり、食器類あり、調理器具あり、無料ガスコンロありで、利用者がさほど多くなければ快適に自炊できます。
この時期朝晩ははっきりいって相当に冷え込みます。
ファンヒータをご用意いただいてはいたのですが6畳用くらいの機種で、部屋の機密性も断熱性もお世辞にも良いとは言えない部屋なので、なかなかというか全然暖かくはなりません。
室内が寒すぎになるのをかろうじて防止するくらいのものではあったけど、まぁあって助かったのは事実でした。
これから年末に向かってはどんどん寒くなり、もう滞在すること自体がかなり苦痛になりそうな気がします。
こちらにお世話になるのは営業再開して展望風呂の修理も終わり、気候も緩むやはり5月頃でしょうか。
ちなみに10時チェックアウト時に宿代をお支払いしながら、チェックアウト後にもう一風呂入って帰ってよいか女将さんに聞いたら、二風呂でも三風呂でもどうぞ、と言われたので1時間半ほど白湯露天を満喫して湯疲れ以上・湯あたり未満になってしまいました。
クラクラししつつ娑婆に戻りながら、いくらタダで入れる今期の名残の湯だといっても、分別は大事だよねーと思った訳です。