三之亟
東北(山形県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
最上 赤倉温泉
≪2014年12月宿泊≫(1泊)
山形県最上あたりってぇと自分の中では深々と雪が降りしきる頃に湯治に行く場所、というイメージが固定していてなかなか夏場にウロウロしないのですが、このたびも訪問のほんの2~3日前に爆撃的に降って、毎度ながら雪景色の滞在となりました。
ホームページから宿泊予約しようとするとなぜか第一希望日はうまく予約入力ができず、第二希望で休み前なのでちょっとお高くなるであろう土曜日夜ならスムーズに処理が進むのでそのまま宿泊手続きをしました。が、結果的にはウィークデー宿泊と同料金で@5000に消費税¥400と入湯税¥150がオンされて総額¥5550の宿泊でした。
そういえば前回宿泊の時もホームページオンライン予約はうまく動かなかったよな、と思いながらの予約で、チェックイン時にお宿に不具合を伝えておきましたが、まぁときどきオンライン予約は不調になるものなのかもしれません。
当日は最上町まで足を延ばしてうろついた後14時頃に宿に着いたところ、お宿の都合で日帰り入浴受け入れは中止との掲示が貼り出されていて、残念な日帰り客がすごすごと引き上げるところでした。
こういうことって、できれば事前にホームページとフェイスブックくらいででも周知するといいんでしょうね、もっとも日帰り入浴受け入れ中止ということは、風呂は宿泊者独占ということでもあり、個人的にはウェルカムです。
こちらの宿はチェックイン時に客室、夕食の部屋、朝食の部屋を絵図面に記入して渡していただけるなかなか気のきいたサービスがあるのですが、もうすでに常連さんの貫録の自分は、絵図面がなくても前回泊まった216号室に勝手知ったるセルフ入室です。
廊下の凹みにスリッパを脱いで部屋入口は鍵付きの開き扉をあけると畳敷き8畳+カーペット敷き濡れ縁2畳(+0・7畳ほどの床の間)の部屋です。
窓の外は最上小国川で常時川の音がして、部屋としては若干古びてはいるもののなかなか風情があります。
部屋備品は和テーブル、お茶セット、故障した湯沸かしポット、温水を使っていると思われるセントラル式ヒータが客室内と濡れ縁に各1基、エアコン、床の間に小さな箪笥といったところです。
テレビがないのも、テレビを見たければ玄関わきの休憩室を利用するのもお変わりなしです。
部屋には冷蔵庫はなく、冷やしたいものがあるなら冬季は窓の外に吊るすことになりますが夏場は若干不自由と言います。
なお現状では泊り客用の共用冷蔵庫や炊事施設といったものはありません。
湯治宿泊なのに浴衣、丹前、タオル、歯ブラシ、バスタオルとアメニティーは十分すぎるくらいで、お着き菓子「岩風呂の宿」もちゃんとありました。けどできればアメニティは自分はほぼ使わないので、予約時に必要かどうか申請できるとホントはエコで嬉しいのです。
コンセントは床の間に1口×1で三又ソケットがささっていて、セントラルヒータ下に3口のOAタップ(1口はエアコン用)×1でした。
入室時すでに木綿敷布団×2、羽毛掛け布団×1、毛布×1が敷かれていて、押入れには木綿敷布団1枚、木綿掛け布団3枚、枕が5個ほどありました。掛け布団には襟元シーツが別にはめられて清潔感がナイスです。格安湯治なのに申し訳ないくらいです。
部屋と濡れ縁は雪見障子で仕切られていて、部屋幅全面の窓はカーテンなしのシングルガラスではありますが濡れ縁にもヒーターがあるので防寒上の問題はありません。
インターネット接続したければテレビ室までネットしに行く不便はあるものの、部屋を出て十歩ほどで大岩風呂という利便性を享受できてトントンなのも前回通りです。
風呂はひょうたん風呂、岩風呂、露天風呂で、混浴・男女が時間交代です。
ひょうたん風呂は玄関からの廊下途中にあり、長さ2.5m幅1.5mくらいの瓢箪型浴槽があり、少し湯の出がよくないシャワーつき蛇口は3基に増えてでシャンプー・ボディーソープもあります。時間帯により男性専用または女性専用(貸切にもなる)です。
他の湯とちがってこじんまりと建物内にあるので、厳冬期の脱衣時にあまり寒くない風呂で、今回滞在中は40~41℃くらいのやや温めでした。
小国川沿いにある露天風呂は18時~翌12時が男性時間で結構渋くていいムードの風呂なのですが、今回も寒くて覗いただけでした。
今回もご贔屓したのが自室から歩いて十歩、8時~18時と21:30~翌7時まで混浴の岩風呂です。
今回は滞在前半で高湯が38~39℃、深湯が43℃くらい、中湯が44~45℃くらいのセッティングになっていました。
男性脱衣所わきに3基ほどあるシャワー付き蛇口は他に利用者がいなければひょうたん風呂より湯量も多くて、浴室内が少々寒いことを気にしなければなかなか使いやすいのです。
ちなみに女性専用時間帯には岩風呂の男性脱衣所は施錠されることになっています。
夕食は例によって18:15、18:30、18:45・・・からのスタートを選べるので18:15でお願いし、今回の食事場所は207号室でした。
18:15に部屋入りしたもののまだ準備できていなかったのでいったん引き揚げ、5分後再入室したらそこそこ料理が並んでいたので食べ始めました。
蕪の肉そぼろ餡かけと鍋ものの野菜が到着したのは18:30頃、その5分後くらいに当初からテーブルの上にあった牛肉の皿はおばちゃんが「ここじゃなかったワ・・」とかいいながら回収されていきました(爆)
鍋物は結局動物蛋白は一切入っていなかったもののヘルシーだったから良しとしましょう。
厚揚げの炊き合わせのタケノコは相当美味く(厚揚げそのものはそれほどでもなかったけど)思わずうなってしまうほどで、食用菊とナメコと大根おろしの小鉢はナメコの風味が生きているし、生酢も甘み・酸味・塩っぱさのバランスが上手く軽めに仕上がっていて板場の腕が冴えます。
ようやく揚げ物が到着したのは18:55、黒っぽい天ぷらがあって薄っすら不思議甘い味だったのですが、尋ねたら干し柿の天ぷらだだそうでなかなか珍品でした。
みそ汁とごはんとデザートが登場したのは19時を過ぎてからで、みそ汁には小ぶりながら牡蠣が3粒入っており、ごはんもなかなか炊き加減の良いのがお櫃にコンビニおにぎり5個分はあって正直これ以上喰えるか、って感じです。
デザートは柿半分とここに来ての水羊羹、血糖値はMAXだし喉仏まで腹いっぱい、という感じでした。
料理はお値段からするとお値打ち感満点だし美味しいし絶賛してよいと思えるのですが、予定時刻になっても用意できていないし間違った料理を出して引っ込めるし、ご飯味噌汁が出終わるまでに1時間近くかかるというのはいかがなものかと思います。
少なからずモチベーションが下がっているというか給仕の緊張感が崩壊しているというか、料理や温泉のポテンシャルを台無しにしている気もしなくもありません。
是非とも心機一転していただきたいと心から願ってやみません。
朝食は8時~大広間でいただきます。
こちらもお値段の割には充実でご飯の炊き具合も十分で十分満足できる宿泊です。
2~3口だけど牛乳がついてるのが、自分は結構嬉しいんですよね。
来年2月にも昨年に引き続き格安3泊4日湯治パックを企画中なのだそうで、今回訪問は若干辛口印象にはなったものの、今年も前向きに参戦を考えたいと思いました。