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夏油温泉観光ホテル
東北(岩手県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
北上 夏油温泉

≪2015年09月宿泊≫(1泊)

震災後数年休業していた当宿が営業再開していたのは春頃には知っていたのですが、かつて元湯の湯が結構抑揚がないというか自分には3回くらい入浴すると飽きてくる単調に思える湯だったのでしばらくスルーしていました。
しかし少々湯治を控えめにしようとしたストレスのリバウンドとか新規の湯治場の開拓プレッシャーとか、いろいろな事情で今回ものは試しとちょっと1泊してみることにしたのです。

今年は結構あちこちの自治体で宿泊料半額補助の旅行券が発売されていて、実は岩手県のそれ(額面¥6000だけど自己負担¥3000)を持っていたので当宿のビジネス湯治宿泊プラン(1泊2食¥5000+入湯税¥150)でお試ししてみる気になったのです。

宿泊予約で、岩手券の半額補助旅行券で宿泊すると夕食飲み物サービスがあるのだそうで迷わずビールをリクエストし、でも旅行券を使うためには精算額が¥6000以上でないといけないのでぴったりになるように追加料理すること、ついでに山芋が体質的に食べられないことを告げて予約完了です。
少しして折り返し電話があって、山芋以外の芋はどうなのか、同じ調理場で山芋を扱っていたりするのは大丈夫なのか確認がありました。
昨今そういうことに敏感になっている傾向はあるでしょうが、でもちゃんとした対応には好感が持てます。

当日宿に着いたのは毎度ながらチェックインタイム少し早目の14時半、いつものようにちょっと早めに着いちゃいました~と押し入りました。
娑婆温度23℃、現地温度17℃ほどでさすがは山奥、さほど登りはきつくはないけどすれ違いに少し難渋する道を7kmほど走った山奥の立地です
岩手 夏油温泉観光ホテル

走ってきた道の正面突き当りは夏油元湯で、その手前150mほどを左に折れて橋を渡った先にこちらのお宿があり、橋をわたってすぐには今は営業していない夏油山荘があります。
岩手 夏油温泉観光ホテル
岩手 夏油温泉観光ホテル

支配人は予約時のやりとりはちゃんと心得ているようで、岩手の半額補助旅行券額(¥6000)ぴったりになるよう追加料理を提供していただけるとのことでした。出来のいいマツタケが手に入ったってそんなの¥850で出せるわけないので、他の物をお願いしましたが。
岩手 夏油温泉観光ホテル ロビー
岩手 夏油温泉観光ホテル ロビー
岩手 夏油温泉観光ホテル ロビー
岩手 夏油温泉観光ホテル ロビー

ご案内頂いたのは自炊棟2階11号室で、1階に3室と2階に8室客室があって廊下をノシノシ歩かれると少し音が反響する建てつけです。
岩手 夏油温泉観光ホテル 自炊棟入り口
岩手 夏油温泉観光ホテル 自炊棟廊下
岩手 夏油温泉観光ホテル 11号室

ビジネス湯治宿泊プランは食事は定食で部屋は自炊部屋に寝るというお約束です。
外鍵つき木の開き扉をあけると踏み込み1畳、客室部は畳8畳で18インチくらいの無料地デジテレビ、扇風機、鏡台ちゃぶ台で、アメニティはティッシュペーパーだけで必要にして十分です。
窓は白い薄手のカーテンがかかっていて網戸もあるのでまぁ良いとしましょう。
岩手 夏油温泉観光ホテル 11号室内
岩手 夏油温泉観光ホテル 11号室内
岩手 夏油温泉観光ホテル 11号室内
岩手 夏油温泉観光ホテル 11号室内

セルフ敷き布団は木綿敷き布団+木綿冬掛け布団+毛布が4セット押し入れに入っています。
コンセントは部屋入り口の対面角テレビ下に2口×1のみ、踏み込みに温泉宿にしては大き目の洗濯物掛けがあって自炊部屋であることを物語ります。

部屋のテレビは(特に見たいわけではなかったけどチャンネル数を確認したかった)室内にあったご案内では平成26年7月から視聴できると書いてあるけど全く映りません、ってかアンテナ線が刺さっていないので挿入して初期設定したらETV含め5チャンネル映りました。

男女別内湯は19時に男女がチェンジするようで、自炊棟からロビーを横切り帳場わきを通って、湯あがり休憩コーナーを過ぎて渡り廊下を渡った先にあります。
岩手 夏油温泉観光ホテル 湯あがり処
岩手 夏油温泉観光ホテル 内湯入り口

内湯向かって左側(蛇の湯側)浴場は今回は夕方に男性浴場となっていて、入り口から1mほど階段下がって洗い場と浴槽があります。
岩手 夏油温泉観光ホテル 左内湯入り口
岩手 夏油温泉観光ホテル 左内湯脱衣所
岩手 夏油温泉観光ホテル 左内湯内
岩手 夏油温泉観光ホテル 左内湯内

4m×3.5mくらいの熱湯槽(201509で42~43℃)と温湯槽(201509で39~40℃)がありシャワー付き混合水栓2基と湯・水蛇口4セット、シャンプー、ボディーソープ、石鹸あり、脱衣所にドライヤーありです。
シャワー湯は源泉と思われ石鹸の泡立ちはかなり悪い印象です。
なぜか籐椅子セットが浴場内にあり、夏油のウンチクなどが壁に掲示されているのもこの浴室ならナニゲに説得力があるのです。
こちらの浴室は毎週火曜日21時~翌5時清掃のため入浴不可となります。

内湯向かって右側浴場は19時から翌日チェックアウトまで入れ替わりで男性湯でした。
岩手 夏油温泉観光ホテル 右内湯入り口
こちらも入り口から1mほど下がって手前から3m×3mほどの長寿の湯(訪問時41℃くらい)、直径2mほどの円形の金運の湯(入浴客が好みで給湯・加水)、いちばん奥に5m×6mくらいの白猿の湯(訪問時39℃くらい)があります。
岩手 夏油温泉観光ホテル 右内湯脱衣所
岩手 夏油温泉観光ホテル 右内湯内
岩手 夏油温泉観光ホテル 右内湯内

シャワー付き混合水栓2基、シャンプー、ボディーソープ、石鹸があり、こちらは毎週月曜日21時~翌5時清掃のため入浴不可となります。

男女別露天風呂は宿の玄関を出て駐車場を右(宿に向かって左手)に下る階段があり、自炊棟の建物下に向かっていき自炊棟を潜るとそこが男女別露天風呂です。
岩手 夏油温泉観光ホテル 露天風呂通路
岩手 夏油温泉観光ホテル 露天風呂通路
岩手 夏油温泉観光ホテル 男性露天風呂

まぁ特筆するほどではないが2mちょい×3mちょいほどの森の緑と一体化できるなかなか塩梅良い38℃くらい(201509時点)の露天ではあります。
岩手 夏油温泉観光ホテル 男性露天風呂

こちら毎週水曜日6時~12時清掃で入浴不可となります。

もう一か所新太郎の湯があって、こちらは本館から内湯小屋への渡り廊下から外に出て、湯小屋わきの小路から自炊棟の裏を川岸に降りて都合300mほど歩いたところにある、貸切露天風呂です。
渡り廊下出口に履き物が無ければ空き状態と判断し帳場に断って入浴する湯です。
岩手 夏油温泉観光ホテル 渡り廊下新太郎の湯出口
岩手 夏油温泉観光ホテル 新太郎の湯案内掲示
岩手 夏油温泉観光ホテル 新太郎の湯アクセス
岩手 夏油温泉観光ホテル 新太郎の湯アクセス
岩手 夏油温泉観光ホテル 新太郎の湯アクセス

3m×2mくらいの変形だ円形ながら、ちゃんと入浴できるほどの深さのところだと1~2人用の浴槽サイズで、201509時点で38℃くらいの天然湯で少々苔で浴槽内少々ヌルヌルでした。
岩手 夏油温泉観光ホテル 新太郎の湯

髪や体をちゃんと洗えるのは設備的に実質内湯だけ、しかしながら内湯の蛇口やシャワーの湯は源泉を使っていてカルシウムが多いからか石鹸の泡立ちが相当悪く、従って石鹸をきれいさっぱり洗い流しきれないのはちょっと気に入らないところではありますが、内湯の雰囲気は東北でも上位に入り得る風情で宿泊入浴する値打ちは十分、熱湯浴槽と温湯浴槽があるのも好感がもたれます。
湯あがり処も最近整備したとやらで落ち着きのあるなかなか結構なたたずまいです。

今回は旅行券を使いたくて¥6000ぴったりで泊まるのも重要だったから食事付き宿泊で宿泊予約したのです。
夕食は18時、帳場がある本館の2階の大広間で夕食とのことで行ってみるとグループごとのテーブルが並んでて、宿泊グレードによってテーブルの料理が異なるパターンです。
岩手 夏油温泉観光ホテル 食事処(夕食)
岩手 夏油温泉観光ホテル 夕食膳

ビニールパックで市販されている山菜を入れた味噌汁とご飯はセルフでよそいますが、本日のご飯はマツタケご飯でした、ラッキーです。
岩手 夏油温泉観光ホテル 夕食ご飯

旅行券サービスのジョッキはすぐにお持ちいただいたので嬉しかったのですが、宿泊総額¥6000になるよう追加でお願いした料理は岩魚の揚げだしで、ナニゲにもともとの料理のイワナ田楽と被っている気もしますが、まぁ美味かったしこのお値段でこの内容ならまぁまぁな料理です。
食事が会場食なので宿泊コースランクによって料理が違うのがモロに見えるのはどうかとは思いますが。

朝食は7時からやはり大広間でご飯とみそ汁はやはりセルフ、朝食に関してはシンプルで宿泊コース共通なようです。
岩手 夏油温泉観光ホテル 食事処(朝食)
岩手 夏油温泉観光ホテル 朝食膳

自由に飲めるコーヒーはなかなか美味かったですね。
岩手 夏油温泉観光ホテル 朝食セルフコーヒー

自炊用炊事場は自炊棟1階に一部屋あり、部屋数に比してもう少し鍋釜・調理器具が欲しいところではあるものの施設もそこそこ整備されていて、オール無料みたいだし洗濯機も使えそうだしなかなか良い水準にあるといって良いでしょう。
岩手 夏油温泉観光ホテル 自炊共同炊事場
岩手 夏油温泉観光ホテル 自炊共同炊事場
岩手 夏油温泉観光ホテル 自炊共同炊事場
岩手 夏油温泉観光ホテル 自炊共同炊事場
岩手 夏油温泉観光ホテル 自炊洗面所

何年か前に滞在したお隣元湯と比べても、トイレも自炊棟は1階に男女共用が1箇所だけとはいえ温熱便座シャワートイレだし、大分快適感は高い印象です。

北上の辺鄙な立地で無色透明無味無臭というインパクトの弱さは否定できないものの、内湯の風情の良さと露天のナニゲにすがすがしさと全般的な設備充実にはかなり高い評価をしてもいいと思います。
昨今は自分の温泉めぐりも新規スポットが枯渇していて掘り出し物が少なくなっているのですがこちらはなかなか好感が持て、震災を乗り越えて営業再開した努力も買ってぜひ繁盛していただきたいものだし、できれば近いうちに自炊で再訪したいもんだと思いました。
今季の営業は11月初めまでだそうですが。

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