阿部旅館
東北（宮城県）格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
大崎　東鳴子温泉

≪２０１５年０９月宿泊≫（１泊）

軽度ではありながら看過すべきでない慢性疲労に陥り、パフォーマンスを回復するためちょいとひとっ走り入浴しに来たのです。
ホントは中山平の猫宿に泊まりたかったけど、電話をかけたら湯が止まっちまったからダメだよ～と爺っちゃに言われて第２候補のこちらにお邪魔することにしたのです。



チェックインしたのは１３時半、当宿訪問ももう３回目ともなり勝手知ったるなんとかになっている自炊１泊オール込み＠３０００のお宿で、車は玄関前を通り過ぎて宿の脇の駐車スペースに停めます。

女将さんにご案内頂いてお世話になった部屋は２階の１６号室、客室部６畳に踏み込み０．５畳（＋押入れ１畳）＋窓際板敷部が幅３０ｃｍほどで定員３人と掲示されている部屋です。もしかするとたぶん食事付き宿泊だと部屋に食事を運びやすいように１階に、自炊だと従って２階優先で部屋割するのではないかと思えましたが、扉に外鍵はかかる設計ながら毎度鍵の提供はありません。



室内設備は、６チャンネル映るデジタルチュナー接続の無料２０インチアナログテレビ、１２０リットルくらいの２扉冷蔵庫、ちゃぶ台、ポットとお茶セット、扇風機といったところで、窓際には冬場に温泉湯を通して暖房するための放熱板のついたパイプも貫通しています。



窓からきらきら輝く川の流れと対岸の東鳴子温泉街が見渡せ、どこからか犬の鳴き声が聞こえてくるのどかな客室なのです。


自炊泊なのでアメニティ浴衣・丹前等はオプションで、押入れにはセルフ敷きのよく乾かされていて寝心地のよさそうな木綿敷布団＋化繊掛け布団が２式とタオルケット１枚もご用意いただいていて、実質的にこの部屋は２人部屋で使われているようです。
コンセントは冷蔵庫とテレビの間に２口×１があって、三又ソケット×２が刺さってかなり凄いタコ足になっています。

当宿のお風呂は２箇所別源泉のものがあって、泉質表示には手前が女湯、奥が男湯と書いてはあるものの入り口に「貸切」「男性」「女性」の札を掲げて入浴するしきたりです。


混まないときには快適独占できる一方で、入浴者が多いときは脱衣所前で順番を待たなければならなくなることもあったりしますが、今回は宿泊客は自分以外に若い男性が１人だけで、日帰り客もほとんど無かったのでお預けを喰らうことはありませんでした。

手前側は白い糸ゴミ状の湯の花が漂う２．５ｍ×３ｍサイズで、今回は到着日で３７～３８℃、翌朝で３９℃くらいの好みの温度でした。かすかにクレゾール臭がするように思いながらいい塩梅に２時間半ほど浸かり続けて湯を堪能しました。まったく来た甲斐があったというものです。



奥側は同じく２．５ｍ×３ｍサイズで笹濁りの混合泉、４３℃前後のお湯で熱めなのであまり入っていませんがなんとなく硫黄臭が感じられた気がしました、



いずれの浴室も洗い場には石鹸と水の蛇口しかない、かなり伝統的湯治スタイルバリバリなお宿なのです。

共同炊事場は各階にあってこじんまりしているものの、流し２槽、無料コンロ６口ほど、電子レンジ、食器や鍋釜類、食器洗剤・スポンジ、瞬間湯沸かし器まで一通りそろっており清潔で使いやすそうで不自由はありません。



＠３０００で１３時チェックイン／１２時チェックアウトなのもうれしい限りですが、今回は都合により１０時過ぎにチェックアウトしました、

冬場は温水ヒーターがあるから良いとして、夏場は鳴子はそこそこ暑いし扇風機はあっても少々滞在には厳しいかもしれませんが、結構評判の良いお宿でそれなり途切れず宿泊客が入っているような印象です。
今回は自炊でしたが前回は２食付きで泊まってなかなか美味しくて量もたっぷりな食事だった記憶があり、ちなみに玄関に当宿のお子さんの微笑ましいメッセージが掲示されています。


設備は少々古いけれどバッチくはないし何しろ格安で滞在時間も長くてのんびりできる、魅力的なお宿なのです。
若女将さんはツイッターとフェイスブックとやっていて記事が方言ベタベタで結構面白いんですけど、ＰＣ環境が無いからホームページは作らないんだそうでちょっと残念です。。


湯めぐりしたいような場合だと川向うというハンデはないでもないですが、滞在湯治を決め込むならお安いし混みさえしなければ基本貸切湯になるし、使い勝手は良いと言えるでしょう。