夏油温泉観光ホテル
東北(岩手県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
北上 夏油温泉
≪2015年10月宿泊≫(1泊)
今年9月に初訪問して風呂の風情がかなり良かったので、冬季休業に入る前にもういちど訪問することにしました。
今年は諸般の事情であまり湯治に出かけておらずしかも5月頃からは1泊だけの滞在ばっかりだったのですが、今回は当宿の自炊事情を確認ということで2泊お世話になることにしました。
前回食事付きビジネス宿泊は体験済みで今度泊まるなら自炊なんだけど岩手県の半額補助旅行券(額面¥6000)が手元にあり、自炊1泊では@3000+消費税¥240+入湯税¥150締めて¥3390にしかならないので精算額が¥6000超えになる2連泊(¥6780、うち¥6000を旅行券使用)にしたともいいます。
予約の電話を入れると10月中は紅葉時期だからか旅行券は使えないものの、自分が滞在する日程がぎりぎり今季営業終了まで旅行券精算OKな期間でした。
毎度ながらすれ違いがキツい道を7kmほどのアクセスになりますが、10台くらい夏油から下る車とすれ違いながら、毎度チェックインタイムより早目の14時前に宿につきました。
ご案内頂いたのは自炊棟2階12号室で前回の隣の、駐車場に面した部屋です。
予約時に洋室もありますけど、と言われましたが深く考えず和室にしたらこちらの部屋だったわけです。
外鍵つき木の引き戸をあけると踏み込み1畳、客室部は畳6畳で5チャンネル映る22インチくらいの無料地デジテレビ、コタツ、食器棚があります。アメニティはティッシュペーパーだけで、浴衣等は有料オプションになります。
10月末ともなると結構な冷え込みだろうから¥500でストーブを借りようかどうしようかと思っていたのですが、今回は体感的にはコタツさえあればノープロブレムです。
とはいえ滞在2日目午前中は冬型気候で結構冷え込みがきつく部屋も少々寒かったので、10月末だとストーブレンタルを念頭に置くほうがいいでしょう。
窓はまぁまぁしっかりしたカーテンがかかっていて網戸も入っているので、少し暑い時期に避暑湯治も出来そうな感じです。
セルフ敷き布団は木綿敷き布団+木綿冬掛け布団+毛布が3セット押し入れに入っています。
コンセントは部屋入り口の対角テレビ下に2口×1のみ、コタツとテレビで使用ですが三又ソケットが刺さっているので不足はありません。
洋客室は自炊棟の1階にありました。
お目当ての風呂は、男女別内湯、露天風呂、新太郎の湯という貸切野天があります。
内湯は19時に男女がチェンジするのですが、これがなかなか風情がある木造で、このしつらえは意外と東北でもそうそう出くわさないんじゃないかという良い味が出ているのです。
内湯向かって左奥側(蛇の湯側)浴場はチェックイン日夕方は男性浴場で、入り口から1mほど階段下がった洗い場に続き4m×3.5mくらいの熱湯(201510で44℃)と温湯(201510で38~39℃)があります。
シャワー付き混合水栓2基と湯・水蛇口4セットが設置されていますが、湯は源泉と思われ石鹸の泡立ちはかなり悪い感じです。
シャンプー、ボディーソープ、石鹸あり、ドライヤーありで、なぜか籐椅子セットが浴場内にあり、夏油のウンチクなどが壁に掲示されているのもこの浴室ならナニゲに説得力があります。
こちら、毎週火曜日21時~翌5時清掃で入浴不可となります。
内湯向かって右側浴場は19時から翌日にかけて男性湯になりました。
こちらも入り口から1mほど下がって手前から3m×3mほどの長寿の湯(訪問時44℃くらい)、直径2mほどの円形の金運の湯(入浴客が好みで給湯・加水)、いちばん奥窓側に5m×6mくらいの白猿の湯(訪問時38℃くらい)があ
ります。シャワー付き混合水栓2基、シャンプー、ボディーソープ、石鹸ありで、やはり泡立ちの悪い湯です。
こちらは毎週月曜日21時~翌5時清掃で入浴不可となります。
露天風呂は、宿の玄関を出て駐車場を右(宿に向かって左手)に下り階段があって、自炊棟の建物下にもぐった先に男女別があります。
まぁ特筆するほどではないものの2mちょい×3mちょいほどの森の緑と一体化できるまずまず塩梅良い43℃くらい(201510時点)の露天ではあります。
こちら毎週水曜日6時~12時清掃で入浴不可です。
前回訪問時にはプラスチック屋根がかかっていたように思われるのですが、冬支度で撤去したのか青天井になっていました。
新太郎の湯(渓流露天風呂)は本館と食堂棟の間の小路(本館と内湯棟の渡り廊下扉出た小路)から自炊棟の裏を川岸に降り、都合300mほど歩いたところにある貸切露天風呂ですが今回は覗きもしませんでした。
髪や体をちゃんと洗えるのは設備的に実質内湯だけで、しかしながら内湯の蛇口やシャワーの湯は源泉を使っていてカルシウムが多いからか石鹸の泡立ちが相当悪く、従って石鹸をきれいさっぱり洗い流しきれないのはちょっと気に入らないところではあります、
とはいえ内湯の雰囲気は東北でも上位に入り得る風情で宿泊入浴する値打ちは十分にして湯温が低めなのも好感がもたれ、湯あがり処も最近整備したとやらで落ち着きのあるなかなか渋めのたたずまいです。
炊事場は共用炊事場が1階に一部屋あるものの鍋釜・調理器具はあまりなくて、自炊客が数組くらいいると食事準備で少なからず競合しそうです。コンロはカセットコンロ×2とIHヒータ2口がいずれも無料であるものの、IH対応鍋釜貸し出しは有償だとの掲示がありました。
食器はそこそこあり、冷蔵庫は大型が2台、電子レンジも食器洗い洗剤もあるので、あまり調理しないのであれば不自由は少なそうです。
トイレは自炊棟は1階に男女共用が1箇所だけ、本館1階には見当たらなくて内風呂脇に男女別トイレがあって、やや少ない気はしますが温熱便座シャワートイレだし、大分快適感は高い印象です。
12号室でWiFi電波が検出されたのですが宿泊客に公開されたものではないとのことで、いっぽう携帯電話はFOMAなら宿の駐車場側であれば使用可能です。
元湯夏油の裏山に中継局があるのだそうで、ゆえに携帯電話やデータ通信の依存度が高いヒトは、駐車場側指定で部屋を予約するのが賢明なようです。
滞在1泊目は土曜日夜だったので思ったより宿泊者は多く見え自炊部10人近く、旅館部も数組の入りに見えました。
紅葉が終わって寒さが厳しくなり始めていて時期的にはきついけど、ここの風呂ならもっと人気が出るだけのポテンシャルはあると思うんですけどねぇ。
北上の辺鄙な立地で無色透明無味無臭というインパクトの弱さは否定できないものの、内湯の風情の良さと露天のナニゲにすがすがしさは結構高い評価をしてもいいと思います。
昨今は自分の温泉めぐりも新規スポットが枯渇していて掘り出し物が少なくなっているのですが、こちらは改めてなかなか好感が持てました。