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小林温泉
東北(山形県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
酒田 小林温泉

≪2016年05月宿泊≫(1泊)

ここのところのデスクワークが過ぎたのか首から肩にかけての筋肉に鈍痛がこびりついてパフォーマンスがあがらなくて、これは湯治すべしという神様からのサインに違いあるまいと心身を労わることにしたのです。
山形 月山遠景

季節は初夏も近く、こういう時にはナマヌルい湯に数時間浸かって覚醒しているでもなく寝ているわけでもないまさに神や仏と心境を共にするひと時を過ごすのが良かろうということで、うんと昔に宿泊したことがある施設なのですがナマヌル湯クヲリティの高いこちらにやってきました。

実は秋の宮温泉方面のナマヌル湯も気にはなったのですが、問い合わせたら今期は近くで長期土木工事があって、その作業員さん達の宿舎になっているため日帰り入浴さえも受け付けていないということで、矛先を変えこちらにお邪魔することにしました。

公民館か集落の集会所にしか見えない宿ではありながら、実は酒田市民健康増進施設でもあり、酒田市の第3セクターが運営している宿らしくて火・水曜が休みなのです。
山形 小林温泉

宿泊代は2食付きオール込みで@5800と格安なのですが、今回は素泊まりオール込み@3400での宿泊です。
山形 小林温泉
山形 小林温泉 営業案内掲示

宿の管理人のおっかぁがあまり食事作りに乗り気でない雰囲気だったのと、前回の料理内容も念頭に置き持ち込みで気軽に食べることを選択したのでした。

実は一週間ほど前ゴールデンウィーク終わり頃に宿泊を試みたのですが、ゴールデンウィーク中客数が多くておっかぁは息つく暇もないほど忙しかったそうで、やっと峠も越えてちょっと一息つきたいからと宿泊を却下されたのです。
アタシが疲れを出しちゃ皆に迷惑かけるから、といわれては一旦引きさがるほかはありませんでしたが、一定程度譲歩したら改めてとことん喰い下がるのが自分のスタイルです。
でも食事付きは負担がかかるから、とか、一人宿泊は施設オーナー(酒田市)から禁じられているとか、なかなかハードルが上がってきているようで、一方で特にチェックイン・アウトタイムの時間に決まりはないのだそうです。
山形 小林温泉 玄関
山形 小林温泉 廊下

5月ながら日中気温が25℃ほどと、ナマヌル入浴には願ってもないコンディションのなか今回14時にチェックインしたのですが、早速翌朝何時に朝風呂に入りたいかヒアリングがあり、日帰り入浴は10時からでボイラー停止は22時、泊り客は入浴希望時間におおむね応じていただけて7時頃から入浴OKみたいでそれでお願いしました。
もう少し早い時間からボイラーは動き始めているように思いましたが。

こちらは正確には源泉温度10.9℃のアルカリ単純冷鉱泉を引いていて、浴槽にはそのナマ源泉水とボイラーで加熱した普通の沸かし湯を投入ブレンドすることで適温にコントロールする仕組みになっています。
源泉の比率が高いほどタマゴ臭が強くてヌルツルの風呂を満喫できるので、気温が高めの頃が入湯ベストシーズンとなります。
山形 小林温泉 廊下

ご案内いただいたのは前回と同じ玄関右手のブナの間(3人部屋)です。
山形 小林温泉 ぶなの間

当宿には客室らしい部屋は2室しかなくふすまで仕切られているだけで、それ以上に宿泊希望があった場合は日帰り休憩後に大広間を客室に充てるようです。
山形 小林温泉 ぶなの間

引き戸を入ると踏み込み0.5畳があり、畳10畳敷き、和テーブル、お茶セット、6チャンネル映る30インチワイドくらいの地デジテレビ、テレビ台と化している貴重品金庫ファンヒータ、エアコンがあります。
窓はシングルガラス、障子が入っているけど朝方は少々まぶしい室内です。
山形 小林温泉 ぶなの間室内
山形 小林温泉 ぶなの間室内

入室時すでにマットレス×1+木綿敷布団×1+毛布×1+木綿掛け布団×1がセットされていて、押入れにはさらに2セットが収容されています。
先日宿泊を試みた時には、布団は自分で敷くからとまで食い下がったのですが、おっかぁは宿で敷くルールになっているから疲れがたまっていてダメとにべもなく、結局お言葉に従うしかないのです。
アメニティはティッシュとタオルだけで、コンセントはテレビ裏にあって、延長コード(3口)で2.5mほど引き出されていました。

男女別の内湯は、冷鉱泉と熱水の蛇口があって入浴客が好きなように投入して随時適温にします。
山形 小林温泉 男女別浴室

到着直後に早速入浴したときには42℃くらいで、入浴客は少し途切れたものの結構湯は汚れているように見えました。
山形 小林温泉 男性脱衣所
他のお客さんが入ってくるまで冷鉱泉をガンガン加えて37℃くらいにして入浴したのですが、それでもかなり鈍ってしまっていて卵臭もヌルツルもあまり感じられませんでした。
まぁ冷鉱泉+沸かし湯というシチュエーション、普通の温泉のようにガンガンかけ流しての湯使いがやりづらい入浴施設なのでやむを得ないところですが、もう少し湯水のように大胆贅沢にかけ流してもらいたいところです。

浴槽はL字型ですが入浴に適しているのは窓際1m×3mほどで、深さ50cmで大人4人が入るとキツキツです。
山形 小林温泉 男性浴室内

洗い場は狭い間隔でシャワー付き混合水栓×3があり、シャンプー、ボディーソープ、リンスがあるので手ぶらでやって来るお客さんが大部分です。
山形 小林温泉 男性浴室内
山形 小林温泉 男性浴室内

まぁそんな訳ですが、宿泊者にとっての最大の特権は朝風呂に入れることです。
一度湯をはるとだんだん冷めてしまい、それなりの湯温にするためには沸かし湯を加える必要がありますが、冷鉱泉の比率が下がることになるため湯の鈍りも手伝いどんどんヌルツル卵臭の浴感は低下します。
最高のコンディションはしたがって、営業が終わり夜に湯が落とされて、朝いち新しい湯が張られて最も冷鉱泉の成分割合が高い一番風呂タイミングに他なりません。
こちらは宿泊客が朝風呂に入る時間をリクエストできる仕組みで、これが目当てでわざわざ泊りに来たのです。

当日の宿泊者は自分だけだったので、7時からまさに男湯独占、発泡スチロールの保温蓋を見るとこのために来たんだよウフフと笑みがこぼれてしまいます。
山形 小林温泉 男性朝風呂

お宿で設定していただいていた湯温は43℃ほどで、10時の日帰り営業開始時点で41~42℃になるように温度設定しているのでしょうが、入浴者が自分の好みで好きな温度にしてよいと言われていたので速攻で38℃ほどまで源泉投入し、1時間入浴しました。

湯(というか薄まった源泉)は灰色薄濁りでどう見ても汚れた湯に見える、浴槽底がかろうじて見える塩梅です。
山形 小林温泉 男性浴槽
昔はもっと卵臭が臭かったような気がするなと思いつつ、前日日帰り客が源泉を呑んでいたのを思い出してチャレンジしたら、モロにドブの匂いでヴゲっとなってしまいました。

もっともヌルツル加減は相変わらずなかなかパワフルだししばらく入っているとマイクロバブルの泡付きもあって、これはやはり宿泊しての朝一番風呂でないと味わえない醍醐味なのです。
8時頃に一旦風呂を上がって、いつか源泉100%のナマヌル風呂に入る妄想に耽りながら、9時から10時前までもう一度湯に名残を惜しんだのです。

チェックアウトする10時にはすでに駐車場に日帰り入浴客がスタンバっていましたが、きっと今日の湯のあまりのヌルさに驚いたことでしょう。
当宿の醍醐味は運が良ければ宿の硫黄冷鉱泉風呂が完全に特注仕様にできることで、これこそ日帰りでは味わえない快感なのです。

日中はおっかぁが一人でやっている関係で早めに予約しないと食材購入に手が廻らないそうで、でも空いていれば素泊まりなら直前でもOKだそうです。
厨房には外来者は立ち入れないもののおっかぁにお願いすれば電子レンジ温めくらいはやってくれそうだけど、基本的に宿泊客が利用できる炊事施設はなくて、まぁ素泊まり1泊くらいであれば持ち込みで何とかしましょう。
今回はそんなこんなでお気に入りの東根の惣菜屋さんで惣菜を仕入れ新庄で馬刺しを確保して、温めなくても食べられるものを携えてお世話になったのです。
山形 小林温泉 夕食

周囲は田園風景が溢れかえったモロ田舎で、夜通しカエルの鳴き声が聞こえるのどかなお宿というか、汗ばむ頃になると恋しくなる片田舎の健康増進施設なのです。
山形 小林温泉 外観

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