阿部旅館
東北(宮城県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
大崎 東鳴子温泉
≪2016年08月宿泊≫(1泊)
今年はだいぶ体調管理能力が向上して盆帰省の疲れは例年ほどではなかったものの、やはり片道10時間の電車旅ともなると下肢にどんよりと染みついたような疲れが残っていて、やはり体調強制リセットに踏み切ることにしました。
まぁ軽度なので近場で湯治1泊で良いだろうということでセレクトしたのが、毎度お手軽にお世話になれるこちら、自炊1泊オール込み@3000と懐に優しい近場のお宿です。
実はナニを隠そう第一候補は中山平の星沼山荘だったのですが、宿泊可否を電話で問い合わせたところ源泉の具合が悪く湯が枯れちまったから廃業したと実に残念な爺っちゃのレスポンスで、やむなくというか第二候補のこちらにお世話になることにしたのです。
当日朝方は台風が通過中につきなかなかな風雨で、今日は家にお籠りせざるを得ないかと天気予報を見たら昼から天気が回復する見込みだったので、瞬間判断で宿泊予約して即出撃したのです。
風雨の中自炊食材の仕込みをして昼食をとって宿に着いたのは13時過ぎ、13時チェックインOKのお宿なので現地時間に余裕を持たせたくて早めの宿入りにしました。
勝手知ったるなんとかで宿前を奥に進んで車を停めて案内を乞うたところ、自炊としては今回初めて1階客室3号室へのご案内となりました。
客室部6畳に踏み込み0.5畳(+押入れ1畳)+窓際板敷部が幅30cmほどで定員2人と掲示されている部屋で、扉に外鍵はかかる構造ながら毎度鍵の提供はありません。
室内設備は、6チャンネル映る20インチくらいの無料デジタルテレビ、100リットルくらいの1扉冷蔵庫、ちゃぶ台、ポットとお茶セット、扇風機といったところで、窓際に放熱板のついた冬季暖房パイプが貫通しているのはお決まりです。
天気は回復したけれど窓からは江合川が濁流になっていて見え、それでも牧歌的な鳴子の風景が心なごみます。
自炊泊なのでアメニティ浴衣・丹前等はオプションで、押入れにはセルフ敷きのよく乾かされていて寝心地のよさそうな木綿敷布団+木綿掛け布団+タオルケット+毛布が1式置かれています。
コンセントは冷蔵庫とテレビの間に2口×1があって、三又ソケットが刺さってかなりなタコ足になっています。
当宿のお風呂は2箇所別源泉のものがあって、泉質表示には手前が女湯、奥が男湯と書いてはあるものの入り口に「貸切」「男性」「女性」の札を掲げて入浴するしきたりです。
混まないときには快適独占できる一方で、入浴者が多いときは脱衣所前で順番を待たなければならなくなることもあったりしますが、今回もどちらかは必ず空いていてコダワリさえなければ常時ほぼ貸切、お預けを喰らうことはありませんでした。
もっともなぜかどうも結構宿泊者は多いようでしたけど、風呂に行くタイミングが良かったのでしょうか。
手前側は白い糸ゴミ状の湯の花が浮遊する2.5m×3mサイズの湯なのですが今回は湯の花は少なめ、今回は40℃くらいの好みの温度でした。今回はかすかな灯油臭が感じられました。
奥側は同じく2.5m×3mサイズで笹濁りの混合泉、41℃前後のお湯で今回は炭酸鉄泉系の臭いがなかなか味わい深く、通算2.5時間ほど湯を楽しんだのです。
いずれの浴室も洗い場には石鹸と水の蛇口しかない、かなり伝統的湯治スタイルバリバリな湯治湯なのです。
共同炊事場は各階にあってこじんまりしているものの、流し2槽、無料コンロ6口ほど、電子レンジ、食器や鍋釜類、食器洗剤・スポンジ、瞬間湯沸かし器まで一通りそろっており清潔で使いやすそうで不自由はありません。
今回は体調回復のための1泊湯治だったので食事はお手軽かつスタミナ強化ということで、往路の肉屋さんで牛肉を買いこんできて、アリカンビーフステーキ祭りを自主開催したのでした。
でも安物のアメリカ肉はやはり硬いですね、スタミナ補充できたとはいえ次回はもう少し上質な肉で買い得品を探すことにします。
さて今回の滞在の最大懸念事項は実は気温でした。
まだ8月中旬、鳴子は結構気温が高い場所でエアコンのない当宿で夏湯治はヘタをすると体調回復どころではなくなってしまいます。
台風直後だと気温は高止まりしそうなものなのですが、でもどういうわけか比較的涼しくて過ごしやすくいい湯治ができて蘇生した感じです。
冬場は温水ヒーターがあるから良いとして、夏場は鳴子はそこそこ暑いし扇風機はあっても少々滞在には厳しいかもしれませんが、結構評判の良いお宿で夏場でもそれなり途切れず宿泊客が入っているような印象で、食事付きの宿泊も料理は美味しいし人気があるようです。
今回は都合により8時前にチェックアウトしましたけど、@3000で13時チェックイン/12時チェックアウトなのもうれしい限りで、設備は少々古いけれどバッチくはないし何しろ格安で滞在時間も長くてのんびりできる、魅力的なお宿なのです。
若女将さんはツイッターとフェイスブックとやっていて記事が方言ベタベタで結構面白いんですけど、PC環境が無いからホームページは作らないんだそうでちょっと残念です。
湯めぐりしたいような場合だと川向うというハンデはないでもないですが、滞在湯治を決め込むならお安いし混みさえしなければ基本貸切湯になるし、使い勝手は良いと言えるでしょう。