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大深温泉
東北(秋田県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
仙北 大深温泉

≪2016年09月宿泊≫(1泊)

ことしもバタバタしているうちに秋がやってきて、ハテもうじきご贔屓の宿たちは冬期休業に入ってしまうではないかと急に気持ちが焦って恒例秋の湯治巡りに出かけることにしたのです。
なかでも秋田裏八幡平方面はちょっと気軽に行けない距離感と湯治に対する真摯な心構えが必要な、少々身がまえたツアーになるというワケで、わざわざ前泊してまで泊りに来た第2泊目というか本命の目的地であるこちらは宿泊料@2000、入湯税¥150の〆て¥2150のいまどき数少ないオンドル大部屋雑魚寝の宿です。

秋田 大深温泉 看板

当宿に魅せられてまだほんの数年なんですけど、温泉湯治の原点と思えるこちらのたたずまいの良さと寝心地の悪さにハマってほぼ毎春毎秋に来るようになってしまいました。
冬場は冬期休業だし、夏場はそれでなくても暑いのにオンドルで床下から煎られてとてもじゃないが寝転がるのも苦痛だというワケで、自分がここに来るのは春も早いうちと秋が深まってからなのです。
大好きだけどとにかく寒い時期でさえ暑苦しいし寝床が硬くて熟睡できないので体が耐えられず、MAX1泊が限度だったりします。

若干の仕込みを済ませて田沢湖町から車を駆ることしばし、クネクネ道だし法定速度的には2時間強かかる道のりなのですが、どういう訳か不思議と早く到着してチェックインしたのは13時過ぎでした。
9月末で宿周辺の木々はまだ青々としているものの、走り過ぎてきた裏八幡平の大場谷地湿あたりは紅葉が良い塩梅に色づき始めていて、走り抜けながらも秋のセンチメンタルを感じることができます。
秋田 大深温泉 管理棟
秋田 大深温泉 湯屋遠景
秋田 大深温泉 湯屋
秋田 大深温泉 オンドル棟

寝具はなし(毛布有料レンタルはあり)、自炊機器・道具類も有料レンタル、冷蔵庫も電子レンジもなし、電源利用は有償で当然食事提供もなくて最低限の食料は販売してるっていう、ちょっといまどきなんでこんな所に客が来るのかわからないけど、でも妙にそれなり人気がある宿なのです。
ついでですがなぜか水は豊かなようで、トイレは洋式水洗で快適です。
携帯電話も少なくともFOMAは快調に3本立ってたりします。

ここに来る時は枕、毛布、敷き布団替わりのキャンプ用銀シートと発泡スポンジシートを持参するのですが、常連になると引越してきたかと思うほど、コンロや電子レジや鍋釜類を持ち込むようで、食料品に至っては越冬でもするのかというくらいの量になるようです。

寝具から食料から何から何まで持ち込むオールセルフの当宿に着いたらのんびりしている暇はさほどなくて、駐車場とオンドル大部屋を往復すること数度、やっと本日のお家の設営が済むのです。
秋田 大深温泉 新オンドル棟

ちなみに今回も新オンドル棟の入って左側一番奥、室内でいちばん床温度が低いいつものあたりに一夜の我が家を構えました。
秋田 大深温泉 旧オンドル内
秋田 大深温泉 新オンドル内
秋田 大深温泉 今夜のお家

同じ大部屋には日立市から来て80~90日泊まっているというおじさん一人がご宿泊中で、旧オンドルのほうにも2人ほどの滞在だし、日帰り客が数人いるとはいえ人が少ない分ストレスもなくて居心地良く、ちょうど大深のベストシーズンという感じです。
ちなみに件のおじさんは電子レンジからコンロから持ち込んでいて、おじさんの縄張りはほぼ自宅状態になっています。
秋田 大深温泉 先客のお家

のちほどリンゴ一切れを頂いて少しお話しましたが、今朝まで寒がりの滞在者がいて夜間窓をあけられず連日の熱帯夜だったらしく、ちょうど良いタイミングでお帰りいただけたものです。

一通りお家の設営が終わるとなにはともあれ風呂です。
秋田 大深温泉 男性脱衣所

こちらは余計なもののない昔ながらの湯治湯で、したがって浴槽は木製が1槽あるだけ、シャワー蛇口なし、石鹸シャンプーなしの湯に浸かるだけの風呂になっています。
秋田 大深温泉 男性浴室

かつては浴槽湯温の調整は湯口に煉瓦が置いてあってそれで流れ込む湯を邪魔して適量だけ浴槽に入るようにしていたのですが、今年になってからは煉瓦が無くなっていてフル給湯の湯に適宜加水して浴槽温度を調整するようになっています。
湯は少し白濁して浴槽底に少々湯の華があるだけで、どうも結構頻繁に換湯されている模様でした。
一旦上がって、源泉槽に下ごしらえした夕食を沈めてもうひと風呂、心ゆくまで大深の湯を楽しみました。

下ごしらえといっても調理道具まで盛ってくるのも大儀だから基本的にここでは調理をせずに済ませる方針で、今回も前泊宿で調理してきたものを源泉槽で温め、当日仕入れた惣菜類も加えて晩酌にしました。
秋田 大深温泉 源泉槽
秋田 大深温泉 源泉槽
秋田 大深温泉 夕食

それはそうと他のお客さんは水場棟あたりで下ごしらえして持参の調理器具で食事を作っているとずっと思っていたのですが、どうもそれだけでないことに今回気付きました。
今回の発見は新オンドル棟のわきの小さな木製の箱で、その内部が地獄蒸しになっていたことです。
秋田 大深温泉 地獄蒸し箱
秋田 大深温泉 地獄蒸し箱
秋田 大深温泉 地獄蒸し箱

防水容器に食材を仕込んで源泉槽に沈めて温めるだけでなくちょっとした蒸し料理ならできそうなので、来春にむけて作戦を練っておかなければならなくなりました。
食後は屋外加温水道に洗剤スポンジが常備されていて、食器を洗うのに不便はありません。
秋田 大深温泉 水道

なおこちらには冷蔵庫もなくて、水場棟には湧水が引かれていて5℃くらい(?)で食材や飲み物を冷やすことは出来ますが、キンキンに冷たいビールや缶チューハイが飲みたければ、娑婆のスーパーマーケットで保冷用の氷を確保して来る必要があります。
秋田 大深温泉 水場棟

オンドル湯治場の夜は早くて、21時には消灯になります。
まぁそれを待たずに寝落ちしてしまったのですが、翌朝はさっさと起きてゆっくり心行くまで大深の湯に名残を惜しみました。
当地は八幡平の中ほどにあるとはいえまだそれほど紅葉が進んでおらず、今年は冬期休業に入る直前あたりがピークかと思われました。
秋田 大深温泉

例年はたしか6月第2週ころから営業開始だったと思うのですが、来季は6月初めから営業開始する予定だという管理人のおじさんのお話でした。
また来年もこの湯に浸かりにくる6月が楽しみなのです。

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