大深温泉
東北(秋田県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
仙北 大深温泉
≪2017年09月宿泊≫(1泊)
温泉三昧している余裕はないのですが、秋も深まって純正日本人として季節の移ろいに身をゆだね、過ぎゆく今年に名残を惜しまねばという、雑心のない思いに駆られました。
当ホームページのファンの皆様の期待にこたえなければいけないとか、目がショボショボ身体ゴキゴキを解消しないとパフォーマンス低下が甚だしいとか、春からの自分自身への宿題をクリアしないといけないとか、いろんな理由にも背を押されたのも事実です。
宿泊料@2000、入湯税¥150の〆て¥2150のいまどき数少ないオンドル大部屋雑魚寝、飾りっけもマーケティング的ウケ狙いもこれっぽっちもない(誉めてます)まさに温泉湯治の起源を思わせる宿です。
冬場は冬期休業だし、夏場はオンドルで床下から蒸されて寝苦しさMAXだし、自分がここに宿泊する気になるのは気温の低い早春か冬季休業前に限られます。
田沢湖町から走りにくいクネクネ国道を走り抜けてチェックインしたのは13時過ぎでした。
9月中旬なのですが途中の大場谷地湿原あたりは紅葉しはじめていてもう今年もさほど残りが無いことを耳打ちしてくれます。
ひんやりする空気の中チェックインしたら、管理人のおじさんに1泊だけ?もっといれば?とかサクッとイジられ、でもオンドルが暑苦しいし寝床が硬くて熟睡できないし、1泊が自分の限度なのです。
こちらは寝具なし、自炊機器・道具類もなし、冷蔵庫も調理器具もなし、電源利用は有償で当然食事提供もなくて最低限のインスタント麺とかは販売していて、多少は有料器具レンタルはありっていう、天然記念物的に愛想のない宿です。
もっともインスタント麺を現地購入してまで泊りたくない自分でもあります。
冷蔵庫もなくて、水場棟には湧水が引かれていて5℃くらい(?)で食材や飲み物を冷やすことは出来ますが、風呂上がりにキンキンに冷たいビールや缶チューハイが飲みたければ、娑婆のスーパーマーケットで保冷用のサービス氷を確保して来る必要があります。
なお飲用の水は湧水だそうで常連が自慢するくらい冷たくて美味いです。
ここに来る時自分は枕、毛布、敷き布団替わりのキャンプ用銀シートと発泡スポンジシートを持参するのですが、長期滞在の常連になるとコンロや鍋釜類からちゃぶ台、なかには電子レンジまで持ち込むようで、食料品に至っては越冬でもするのかというくらいの量になるようです。
なお水は豊かでトイレは洋式水洗で快適だし洗い場や水場もじゃぶじゃぶです。
携帯電話はFOMAは快調に3本立ってますが、今宵はMVNOのSIMは入感がわるくて、たぶんふけの湯にアンテナがあるので駐車場まで行けば交信できる感じでした。
春や秋(山菜とかキノコのシーズン)はかなり混んでることが多いけど今宵は自分以外にお客さんは3人ほどと空いていて大当たりの夜なようで、しかも全員が新しいオンドルにいて旧側は入居者がいないのだそうで、貸し切り状態を満喫する意欲満々で旧オンドルの入り口入ってすぐ脇に居を構えました。
旧オンドルは閉め切られていたので結構暑くて31℃あり、急いで窓を開け放って生存可能な部屋温度にします。
チェックイン設営が済んだらともかく風呂、45℃ほどと激熱だったので41℃くらいまで加水して一時間ほど軽く長風呂です。
こちらは余計なもののない昔ながらの湯治湯で、したがって浴槽は4~5人サイズの木製槽が1槽あるだけ、シャワー蛇口なし、石鹸シャンプーなしの湯に浸かるだけの風呂になっています。
昔は給湯する筧を煉瓦ブロックでせき止めて給湯量を調節して湯温をコントロールしてたけれど、近頃はフル給湯しながら加水量で湯温をコントロールするようになっています。
さて今回は、娑婆でお買い上げした枝豆を入浴前に地獄蒸しに仕込みました。なにしろ訪問の大きな目的の一つが春以来の宿題である地獄蒸し自炊の可能性検証だったのです。
まずはお手並み拝見という感じで布袋に入れた枝豆を蒸すこと1時間、風呂上がりに2~3房かじったら少し柔らかくなりはじめるくらいに仕上がり味はまぁ普通、なので枝豆なら蒸し時間としては45~50分くらいがちょうどいいかなという感触を得ました。
それを踏まえて今回訪問の最大課題のディナー、鶏&野菜のガーリック醤油バター蒸し+蒸しイカポッポ+シュウマイ蒸しを、気合と期待と美味しくな~れと念を込めて地獄に送りこみます。
まさに今年の春から半年温めていたミッションにチャレンジする機会到来で、ナマ煮えだったり不出来だと晩飯は保険で持参したすごくプアな食材になってひもじさに苛まれることになります。
枝豆は布袋にばら入れだったけど夕食はアルミホイル包み蒸しなので蒸気の通りが悪いのを見越し、多少熱がかかり過ぎるのは安全サイドと判断して一時間半蒸すこととして、その間再度入浴して時間調整です。
風呂上がりにビールを飲みながらドキドキでアルミホイルをオープンするのは、通常の自炊湯治にも増してスリリングな刺激的体験だったりします。
これだから大深訪問は止められないのです。
見た目はいずれもイマイチですが、しうまい(中)は元々がそうなのか正直イマイチな味と食感だし、イカポッポ(右)は生の時の半分くらいに小さくなっていましたが、鶏&野菜蒸し(左)は見た目はともかく抜群の出来上がりでした。
イカとか過熱で食感が低下する食材は蒸し時間設定がなかなか難しいようですが、まぁそれなり当初の目標水準が達成でき次回の課題が見えてきて、なによりチャレンジした自分をほめてあげながら一人悦にいって晩酌を楽しんだのでした。
エネルギーをまったく使わない究極のエコ調理で、今回は電気の塊ともいわれるアルミホイルをゴミ出ししたのは特別に情状酌量しておきましょう。
そんなこんなで結局到着日は2.5時間入浴しましたが、お客さんが少なくて完全独泉出来ました。
夜になって意外と気を使わなければならなかったのが窓の開け具合です。
開けすぎると山の中だから強烈に冷え込むだろうし、閉めると灼熱の地獄になるわけで、24℃くらいを狙って慎重に調整をしたのでした。
夜は20時半くらいに寝落ち、そのまま外のキリギリスを子守唄にして朝を迎えましたが、6時の室内温度21℃、これまたちょうどいい塩梅でした、
6時に風呂に行ったらまた45℃超えでだったので41℃まで加水して1時間朝風呂、どうも昨今は毎日換湯はしていないらしく湯の華たっぷりなのでそれはそれで良しとしましょう。
朝食をとって出発するまでにまた1.5時間ほど入浴したら、その直後浴槽掃除が始まりました。
もう少し早くしてくれれば新鮮な湯にはいれたのですが、それは次回の楽しみですね。
昨年ここで顔を合わせたお客さんがまた来ていて、大漁のキノコの自慢話とか、近頃地元の泊まり客がへってるのだとか、いろいろお話を聞いたのでした。
今年は10/15までの営業だそうでたぶん今回が今年の入浴納めになるでしょう。
来年は6月1日からの営業予定だそうで、できればパワーアップした新たな地獄蒸し献立を開発し実証のために早目に訪問したいものです。
ここで一晩過ごして、目のショボショボはかなり解消され身体のゴキゴキも来る前のゴキゴキは治ったものの、寝心地が悪いから違う筋肉が痛くて、まぁ病的な痛さとかでないからいいとしましょう。
寝心地の良いフカフカ寝具で一晩寝ればすぐに治るとは思いますけどね。