夏油温泉観光ホテル
東北(岩手県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
北上 夏油温泉
≪2017年10月宿泊≫(1泊)
うかうかしていたら今年の営業も残りあと一か月ほどという時期になって、そういえば今年はまだ訪問していなかったことに気づいてこりゃまずい的にあわててやってきました。
食事つき自炊棟宿泊プランなどもあるのですが、勝手知ったるナントカでフル自炊素泊まりの@3500+消費税¥280+入湯税¥150のしめて¥3930で1泊、携帯電波状態の良い駐車場側の部屋指定です。
2015年営業再開しはじめのころはオール込みで¥3390だったのがえらく値上がりしてしまったもので、世知辛い世の中が身にしみるのです。
少しは紅葉してるかとかすかに期待していましたが、入畑ダムあたりは木々が青々していて夏油もほとんど色づきがなく、淡い期待は雲散霧消してしまいました。
13時半に到着してさっそくチェックインした際のご案内によると、各内湯と両露天風呂を掃除して湯を入れ替えているところだそうで、15時まで入浴は出来ないのだそうです。
まぁ夕食の仕込みや部屋の設営をしていればそれくらいになるし、よりどりみどりで一番湯に入れると思えばシメシメです。
今日は自炊部泊り・食事付き宿泊が2組3人ほど、自分を入れて宿泊者4人で全館貸し切りの一夜になるようで、今回の部屋も自炊棟2階13号室、駐車場側一番端っこの角部屋です。
(注:このあとじきに愛用のデジカメの調子が悪くなって、以降今回は大部分スマホで撮影していて画像のムードが違いますけど悪しからず)
常連だから部屋を聞いたら後はセルフ入室になり、下足は自炊棟入ってすぐの下駄箱に入れるのはお変わりなしです。
外鍵つき木の引き戸をあけると踏み込み1畳に畳6畳、18インチくらい6チャンネル映る無料地デジテレビ、食器棚とコタツと湯沸かしポット、アメニティはティッシュペーパーがあるだけの部屋です。
寒ければオプションでストーブレンタル@500もあるけど、コタツがあったしまだまだそれほど寒くないのでストーブは必要ないと判断しました。
コンセントはテレビ脇に2口×1で、三又ソケットなど持ち込まないとテレビとコタツでふさがってしまいます。
窓は角部屋なので2面あって日中は明るいし眺めもまずまず、厚手のカーテンがかかっていて朝方でもゆっくり眠れるし、すぐ近くを流れる川の音もほど良く聞こえるし、なかなかナイスです。
セルフ敷き布団は木綿敷き布団+木綿冬掛け布団+毛布が2セット押し入れに入っていて1セットが下ろしてあって、掛け布団は結構綿がしっかり詰まっていて重ためです。
踏み込みには洗濯物掛けがあって長期滞在も快適で、懸念のカメムシは入室時に一匹、夕食前に一匹をあの世に送っただけで、まぁ少ないほうでした。
男女別内湯は例によって18時過ぎに男女がチェンジするルールで、1泊で両方の浴槽に入りたければそれまでにチェックインしてひと風呂浴びて入れ替えを待つ必要があります。
ここの浴室は風情がある木造で良い風情があって、チェックイン日は内湯向かって右側浴場が男性浴場でした。
入り口から1mほど下がって手前から3m×3mほどの長寿の湯(訪問当日41℃くらい)、直径2mほどの円形の金運の湯(入浴客が好みで給湯・加水)、窓際に5m×6mくらいの白猿の湯(訪問日40℃くらい)があります。
金運の湯を38℃ほどの自分好みにして、15時過ぎからつい2時間ほど浴槽内で眠りこけてしまいました。
シャワーは源泉利用で混合水栓が2基、シャンプー、ボディーソープありですが、カルシウム分の多い源泉なので泡立ちは良くありません。石鹸は今回は見当たりませんでした。
なぜか脱衣所から浴槽フロアに降りたあたりで鈴虫が鳴いていて、どこか板張りの隙間に潜んでいるようで姿が見えないのが気になりつつ、秋の訪れにかすかにセンチメンタルを抱きながらまったり温泉につかったのです。
去年は確か浴室内に籐椅子があった気がするのに今年は見当たらなかったけど、脱衣所外の自由にお飲みくださいのウォータークーラーは相変わらずけっこう冷たくて美味い水が入っています。
露天風呂は駐車場から自炊棟の下にもぐった先に男女別があり、チェックイン日は結局はいらずじまいの翌朝対応になりました。
自炊棟1階の供用炊事場はお変わりなかったけど、今回は片手なべ×2にフライパン×4はあるけどフライパン蓋は1枚だけ、薬缶なし、調理器具(おたまとかフライ返しとか)もほとんど見当たらず、かなり設備充実度が下がっていました。
チェックアウト時にフロントに意見したら、時々無くなってしまうので備え付けの器具は少なめにしていて、でも申し出があれば貸し出すのだそうです。
2口IHヒーター、カセットコンロ1台、IH用鍋釜は有償貸し出し、食器はそこそこあるがなぜか小皿が全然ない、電子レンジあり、冷蔵庫あり、包丁あり、まな板1枚ありなのは変わりません。
鍋やかん類が少なくて、食事付き自炊部宿泊のお客さんが湯を沸かしに来て少しまごついていました。
今回は密かに有名な北上の冷凍生餃子を仕込んできていて、これで秋の大餃子祭り(野菜いため・シシャモつき)をしましたが、フライパンさえあればOKなので特に調理器具に困ることはなくて、一人盛大に晩酌を挙行したのでした。
まだ10月初めなのですが夜になると山の中だけにかなり温度が下がってきて一桁前半くらいまで下がったでしょうか、Tシャツとトレーナーだけでは酔い醒めも手伝って結構肌寒くて、今年初のコタツにもぐり込んでの餃子祭りでした。
翌朝は内風呂チェンジで向かって左側(蛇の湯側)浴場が男性湯、やはり入り口から1mほど階段下がって浴室フロアになります。
洗い場に続き4m×3.5mくらいの手前側熱湯槽(43℃)と温湯槽(40℃)がありシャワー付き混合水栓2基と湯・水蛇口4セットがあり、シャンプー、ボディーソープあり、石鹸なしです。
貸切露天の新太郎の湯まで出るのは面倒だったので今回もパスし、男女別露天にだけ入浴しました。
露天は湯温42℃、確か昨年はコンクリート床むき出しだったけど今年は浴槽外周にリノリウム床材が貼ってあって、かなり雰囲気良いこぎれいな露天風呂に変身しています。
これで湯温が40℃ほどなら、10月下旬はさぞかし素晴らしい紅葉露天風呂になって人気沸騰だろうと思いました。
足湯もかなり凝ったしつらえになって風情が増していました。
トイレは自炊棟1階には男女共用水洗が1箇所、トイレ内装にも手が加えられていて洋式温熱便座シャワートイレだし、清潔感がアップして使い勝手が良くなった印象です。
内湯の風情の良さとそれはそれでさっぱりした湯質は結構高い評価をしてもいいと思いますが、石鹸の泡立ちが悪いのだけ個人的にはイマイチですね。
帳場付近ではWiFiも利用可能だそうだし、毎年ちょっとずつだけどあちこち手を加えて滞在環境改善を図っているのはとても好感が持てます。
昨今古い湯治宿は集客に苦労していることも多々ありますけど、当宿のようにそれほど金をかけずに快適性や居心地良さを身の丈で継続的に改善している宿はほとんど見かけません。
古いほうが風情があるというのも一理ですが、それに甘んじたり開き直らずに少しずつでも快適性を高めていく姿勢が欲しいところで、そういう意味で当館を見習ってほしいものです。
毎年少しずつ宿泊料が上がっていたりするのだけはいただけませんが。