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農民の家
東北(宮城県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
大崎 鳴子温泉

≪2018年01月宿泊≫(1泊)

農民の家は2018年02月28日に経営不振で破産・閉館しました。もう湯治できないと思うと心から残念でショックを隠せません。

マタかぁって感じも無きにしも非ずですが、心身消耗の激しい正月をなんとか乗り越えて、でもやっぱ頑張っちゃった疲れは容易に抜けないお年頃になったんだよな~、と実感せざるを得なくて、なのでやはり健全に心身リセットして本来のパフォーマンスを取り戻すため、男は旅に出る決心をすることがありますw。

全身に染み込んだ疲れから来る集中力の欠如にあ~やっぱダメだわ、と、宿に電話を入れたのは行動前日、楽に泊まれるハズだと思ったけどまさにそのとおり、東棟・北棟・B棟・平成館いずれも宿泊OKだそうです。
たぶんこの時期はアグリピープルの湯治ピークは過ぎておりしかも近頃は鳴子温泉に強力な競合宿ができていて、空いているに違いないと判断したのが図星でした。
東館と北館は泊まったことあるけどB棟は未経験なので無条件でB館セレクト、自炊一泊@4350でお願いしました。
ちなみに平成館にも自炊湯治客室があるんだけど、@4980とお高いのでサラッとスルーです。

食材を買い込んだり気になるランチスポットを荒らしたり、思ったより到着は遅れて13時過ぎでした、ってか当宿は13時チェックインで、自分はこちらに限らず定刻の1時間前くらいに不意を突いて突入するのを旨としています。
宮城 農民の家

空いていると高をくくっていた駐車場は結構車が多くてナニゲに満車近いでしょうか、かろうじて玄関近くにスペースをみつけて車を押し込み、引っ越しかと思うほどの荷物を引いて帳場に入ります。
宮城 農民の家 ロビー

こちらは協同組合経営なので、組合員以外でも宿泊できるけどちょっと割高で、身分証明書の提示が必要だったりします。
宮城 農民の家 料金掲示

昔は農業従事者しか出資できない風だったけど、どうも最近一般でも出資できるようになった雰囲気です。

チェックイン手続きが終わって提示されたのはB棟4201客室でした。

最近ようやくわかったんですけど、客室番号XXXXの最初の数字は棟の識別数字みたいで、B棟は4XXX、次の百番台の数字が階数で、以降はその棟の何号室か、という感じなようです。
そんな訳で今回はB棟2階の1号室が我が一夜のお家になります。

一階売店脇をまっすぐ奥に進みB棟の二階に上がって入室した4201号室、こちらの宿は基本的にセルフ入室ですが、今回の部屋前の廊下を数メートル南西に歩くと以前お世話になった北館で、北館階段とトイレがすぐ近くでなかなか機動的な位置にあるといえます
宮城 農民の家 売店前
宮城 農民の家 館内案内
宮城 農民の家 B棟

全館的にそうかどうかはわからないですが、部屋の最寄り北館のトイレはシャワートイレで車いす対応になっていて綺麗で快適です。

部屋は外鍵あり、0.5畳の踏み込みからふすまをはいると6畳の畳敷き客室+窓際30cmほどの板敷き+キッチンスペースが2.5畳ほど、設計収容人数は3人みたいで、押入れには木綿敷布団・木綿掛け布団が3セットある部屋です。
宮城 農民の家 4201号室
宮城 農民の家 4201号室
宮城 農民の家 4201号室
宮城 農民の家 4201号室内

なぜこの部屋が4畳半の北館・東館と同じく1泊@4350なのかと考えた時、窓を開けると(開けなくてもわかるけど)目の前が国道47号線、国道沿いの部屋なので朝から晩まで結構なスピードで多くの車が走り去る目の前なのです。
騒音が多いと寛げない人だと半日で神経衰弱になるでしょうし、静かすぎると不安になる都会っ子なら意外と過ごしやすいかもしれません、。
宮城 農民の家 4201号室の外

窓際に濡れタオルや洗濯物を干す突っ張り棒が設置してあるし3人分布団があるのはナイスで、ほど良い窓外のホワイトノイズが精神的アンバランスを和らげてくれるし、敷布団はあるだけすべて敷く自分としては悪くない部屋です。
6畳で3人長期滞在するとしたら少々息苦しいでしょうけどね。
宮城 農民の家 4201号室内

FOMAの電波は強くはないけど以前と違って2本くらいは入感しているので、やや遅いけど実用になる感じです。

室内設備は和テーブル、お茶セット、お湯ポット、6チャンネル映る14インチくらいの無料アナログテレビ、冬場に嬉しいセントラルヒータといったところです。
なおこちらの宿はよくある冬季暖房料請求が無いので、冬場は相対的にリーズナブル感が改善されるのです。

入り口のふすまを引いて踏み込みをさえぎると0.5畳ほどの荷物置き場兼衣装掛けが現れ、長期滞在荷物の収納にそれなり配慮されていることがわかります。
宮城 農民の家 4201号室内

といっても、本来長期湯治滞在を想定した当宿で0.5畳ほどの物入れでは気休め感は否めなくて、衣装掛けには3人部屋なのにハンガーが3本しかなかったりします。
このお宿で改善できる余地は多分にあるようです。

コンロは有料10円コンロで、90リットルくらいの無料冷蔵庫、鍋・薬缶・電気炊飯機、フライパン、3人分の最低限の食器もあります。
宮城 農民の家 キッチン

こじんまりまとまっている感じですが、包丁とか箸とか食器洗剤とかこまごました調理用具まではないので、常備品については公式ホームページを参考にして必要に応じ持参することになります
宮城 農民の家 キッチン備品
宮城 農民の家 キッチン備品

浴衣や毛布は自炊泊だと基本オプションで数十~数百円ほどなので、必要ならチェックインでレンタルし、チェックアウト時に精算する仕組みです。

コンセントはTV裏に2口×1(TVで1使用)、廊下側壁に2口×1、キッチンスペースのコンロ上に2口×1と食器棚上に2口×1(冷蔵庫で1使用)という設置状況です。

キッチンが戸で仕切れるので調理のにおいは部屋に広がらずに済みます。
でも窓はシングルガラスで障子が入っているだけなので、結構通過する車の前照灯が見えて少々終夜にぎやかな感じでさみしくはありません。

風呂はいつものように4か所、うち2か所は混浴で女性専用時間帯が設けられています。
沸かし湯の2階やすらぎの湯は営業休止していて、平成29年9月から日帰り入浴料金が@700になっているようです。
宮城 農民の家 2階やすらぎの湯休止案内
宮城 農民の家 日帰り入浴案内

今回は湯治ピーク時期を外れているので意外に貸し切りに近い状態になったりすることも多くて、だいぶ寛いで入浴できました。

全ての脱衣所に鍵のかかる貴重品入れがあって、入浴客は不特定多数だしそれだけに事故も少なくなさそうなのですが、ほぼすべて鍵が紛失状態で意味をなしていない状態です。

硫黄泉は農民の家で最も古い湯で毎分十数リットルくらいの給湯量で、42℃くらいの湯温で時間制混浴です。
宮城 農民の家 硫黄泉入り口
宮城 農民の家 硫黄泉男性脱衣所

前回入浴時にも感じたけどかつてより硫黄が薄くなった感じで、でも飾らない湯治湯ふうのシンプルな風呂は相変わらず落ち着いたいいムードです。
独泉になることはめったにない風呂ですが、今回は珍しく短時間だけど貸し切り状態を満喫できました。
宮城 農民の家 硫黄泉

男女別ひのきの湯も結構人気があって人が途切れないのですが、清掃時間直前に一瞬だけ貸切になることがあります。
宮城 農民の家 ひのきの湯入り口
宮城 農民の家 ひのきの湯入り口

給湯量は毎分十リットルほどの少し緑掛かった湯で、41℃ほどの湯です。
宮城 農民の家 ひのきの湯脱衣所
宮城 農民の家 ひのきの湯

白ワインをラッパ飲みしながら入浴している客が入っていましたが、不謹慎というか命知らずというべきか。

凸型の浴槽が特徴的なやすらぎ風呂は女性風呂は工事中で、こちらも給湯量は毎分十リットルほど、湯温40℃ほどでなぜか2回入って2回とも貸切でした。
宮城 農民の家 やすらぎの湯入り口
宮城 農民の家 やすらぎの湯入り口
宮城 農民の家 やすらぎの湯入り口

今回こちらが最も硫黄臭くて、硫黄臭が来てよかったと満足できた湯です。
宮城 農民の家 やすらぎの湯脱衣所
宮城 農民の家 やすらぎの湯

1日2回ほど女性専用時間帯が設けられている30℃ほどの炭酸泉は、同じ浴室に42℃ほどの小さな硫黄泉浴槽があって、浴室内で冷浴/温浴の無限ループ入浴ができる当宿の名物混浴湯です。
宮城 農民の家 炭酸泉脱衣所
宮城 農民の家 炭酸泉時間帯案内

炭酸泉も硫黄泉も給湯量はやはり毎分十数リットルで硫黄の方は加水なのですが、浴槽が小さいので湯の鮮度が良好な浴感です。
宮城 農民の家 炭酸泉

入浴1回目は貸し切り、2回目も2人ほどと宿泊日は空いていましたが浴槽自体小さいし結構人気があって混む湯です。
翌朝に入った時は仲間連れと思しき3人が入ってきて、硫黄泉でグダグダ世間話をするもんだからいつまでも硫黄泉が満員御礼で、長々と冷泉に浸かるハメになって少々ムカつきました。
田舎のアグリピープルは時と場合と状況をわきまえないのが困りものです。

当宿は館内で風呂めぐりできるのがかなり楽しいのですが、風呂の定期清掃や女性専用時間の時間割がしばしば変更になるようだし、前触れなく浴槽掃除もあったりするので、とりあえず入れる風呂に入れるタイミングでガツガツはいる必要があります。

今回は14時過ぎからあちこち風呂めぐりして、15時過ぎにいったん夕食を仕込み、16時~17時半まで風呂めぐりを再開し、そのあと晩酌にしました。
宮城 農民の家 夕食

晩酌の目玉はピザ、なんだか急に無性に食べたくなって仕込んできたのです。
このためにホットプレートをもってきたので荷物がかなり大量になってしまいましたが、厚揚げも焼いて食べたしまぁ充実の晩酌だったから荷物運びの甲斐があったとしておきましょう。

翌朝にはゲリラ換湯で封鎖された硫黄泉を除いてしっかり全湯を湯めぐりし、身体の芯に沁み込んだ疲れもかなり取れて必須栄養素である硫黄もたっぷり摂取できたし、なかなかよい湯治になりました。
宮城 農民の家 硫黄泉

もっともチェックアウト後、昨夜からの雪というか大雪警報発令中で車は雪だるまになっていて、脱出するのに30分ほどかかりましたけど。
宮城 農民の家 室外
宮城 農民の家 駐車場

ちなみにフロントのオペレーションは相変わらず人間中心処理で、チェックアウトは20分ほどかかりました。
お支払いと入れ替わりにポイントカードをいただいたのですが、これを埋める自信は無いです。
宮城 農民の家 ポイントカード

客として冷静に見れば、良いモノ持ってるんだけどこれじゃ東京資本の宿にはかないっこなくて、鳴子の将来がとても憂えるのです。

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