ITコーディネータ システムアナリスト 西川雅樹のホームページ


峡雲荘
東北(岩手県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
八幡平 松川温泉

≪2019年02月宿泊≫(1泊)

だいたい例年この時期には人類必須栄養素の硫黄が欠乏しはじめるから松尾八幡平に遠征するんですが、仙台との道中を一気に走るのはどう考えても疲労倍増して湯治効果をかえって損なうように思えるので、やはり道中に前後泊を加えた3連戦にならざるを得ないのです。

心安らぐ繋の前泊をへてはるばる岩手県北まで来た今回の目的地峡雲荘は、自炊一泊@3700、連泊だと一泊@3200になってます。
人類にとってきわめて重要な冬季の硫黄供給ポイントである農民の家が失われて以降、越冬上の重要拠点となった当宿なのです。

日中気温マイナス1℃、前日とたいして変わらないけど風が穏やかで体感的には十数度ほど人間界にちかづいた感のある今日です。
とはいえ岩手山はどこから見ても寒そうにしか見えない感じで、八幡平に比べれば仙台の冬はオチャラケに思えてしまいます。
岩手 岩手山

宿泊予約電話で女将さんに常連の人だと認識されたようで早めにおいでくださいと言われたので宿についたのは13時前、宿前の大きな雪だるまが歓迎してくれているようなそれほどでもないようないつもの到着です。
岩手 峡雲荘
岩手 峡雲荘

今年からお勤めと思しき従業員おねぇさまの引率で今宵のお部屋に向かいながら得た情報によれば、今夜はアメリカだかカナダだかのお客さんが数室泊まるほか、韓国の団体ツアー客がお泊りだそうでちょっと引き気味になってしまいます。
岩手 峡雲荘 ロビー

普段から関西人がこってりガツガツしてるってのは偏見的ステレオタイプだと主張していながら、自分もつい彼の国には節操とか分別とかに若干懐疑的な印象を持ってしまう今日この頃です。
国家が人民や体制を意図的に操作してあまり国際的にフェアでない状態に誘導しているのはたぶん間違いなくて、まぁイデオロギーや国民性についてどうこう言う気もないんだけどあまり関わりたくないなぁと思ってしまいます。

ツアーらしいからまさか自炊部ではあるまいし、普段のように一般客と別行動していれば影響ないと思いつつ入室するのは106号室、自炊部共同炊事場真向いのお部屋です。
岩手 峡雲荘 106号室

何度もお世話になった室内はお変わりなし、踏み込み0.5畳+畳6畳で内鍵をかけることはできるが例によって外鍵提供はなく、部屋には和テーブル、Eテレ含め6チャンネル映る19インチワイドの無料地デジテレビ、お茶セット、温湯ヒーターがあります。
岩手 峡雲荘 106号室

アメニティは例によって一切ありません。
岩手 峡雲荘 106号室内

押入れにはマットレス数枚、木綿敷布団が5枚、木綿掛け布団3枚ほどあり、コンセントはテレビ脇に2口×1(TVで1使用)、窓の下に2口×1です。
岩手 峡雲荘 106号室内

さすがに部屋の主のカメムシは時期が時期だけに影を潜めています。

窓の防寒用プチプチシートは今年は建築用のホッチキスのようなヤツで強固に窓枠に固定されており引っぺがすことは難しく、でも部屋ヒーターは相変わらず温度調整が皆目できないものの比較的低温に設定されていて、室温は問題なく過ごせました。
岩手 峡雲荘 106号室窓プチプチシート

常連長期客とおぼしき別室のお客さんは、部屋入り口に大判のすだれを下げてドアは開けっ放し、皆さんちゃんと滞在環境の工夫をしています。

風呂は男性浴室は7時から30分、女性浴室は7時半から30分清掃時間があってその間は入浴できません。
岩手 峡雲荘 男性浴室入り口
岩手 峡雲荘 露天風呂入り口

また数年前から写真撮影禁止になったので、どんな塩梅か気になる方は当ホームページ過去記事をご覧いただくとして、参考までにこの時期の露天風呂の過去写真ではないかと思われる画像をあげておきます。
岩手 峡雲荘 露天風呂イメージ

昔はどの湯治場も写真撮影にうるさくなかったんだけど、マナーが低下が深刻なようです。
程度の低いヤツは来ないでほしいし、でも来なくなると稼ぎは先細る一方だし、お宿もジレンマで悩ましいことでしょう。

とはいえ露天に出ればチラホラ雪が冷たい風に舞い、硫黄の香りと混然一体になって心身を癒してくれます。
今回は内湯から露天に出る通路は雪が氷結していて、氷でできた健康足ツボ板かあるいはクラッシュ氷の舗装みたいな感じになっていて、冷たいわ痛いわ滑るわでえらく大変です。
岩手 峡雲荘 露天風呂通路イメージ

しかも露天に出たところはみんなが足裏で磨くものだからツルツルのミラーバーンで、危険極まりない状況です。

昔は最低限土日は除雪していたのに宿のおもてなしも雑になってきてる感はぬぐえなくて、そのうち事故が起こって大騒ぎになって、結局客が不自由を強いられることになるのかなぁと思うと気掛かりです。

内風呂は水蛇口はあるものの体を洗う湯はいまだに湯桶から汲むスタイルでむろんシャワーなんてなし、リンスインシャンプー、ボディーシャンプー、石鹸は常備されています。
さすが土曜の夜だけに20~30人ほど入浴客を見かけました。

今回は内湯はおおむね41~42℃、露天は37~39℃、翌早朝露天は37℃ほどのナイスコンディションで、到着日に内湯30分+露天30分+露天再突入2時間で撤収、翌日内湯30分+露天12時間の入浴を満喫しました。

翌朝風呂は7時半から8時半まで貸し切り状態で、みんな朝風呂も入らず何しにここにきてるんだろうと疑問に思ってしまいます。

共同炊事場は、無料ガスコンロ2基とグリル付きのガステーブル1台、鍋釜薬缶フライパン、食器類、食器洗い洗剤と充実で不便なく調理できるのは変わりなしです。
岩手 峡雲荘 自炊場
岩手 峡雲荘 自炊場

自炊宿泊者は4~5名ほどと見えましたが、あまり競合しませんでした。
2台ある大型共用冷蔵庫のうち1台はまだ故障していて、でも電子レンジも炊飯器もあって、食材さえあれば滞在に不便はないでしょう。
岩手 峡雲荘 自炊場

夕食は八幡平マチナカで仕入れた期待の生ソーセージとか、盛岡で仕入れたブリの照り焼きとか野菜炒めとかでご馳走ナイトに舌鼓を打ったのでした。
今回初購入の生ソーセージは地元ではすごく評判が良いようなので、わざわざ粒マスタード入りカラシを持参しての対戦でしたが、これがまた実にうまくて気絶しそうになったのです。
岩手 峡雲荘 夕食

幾度となく八幡平を通過したのにこれまで知らなかったのがすごく損した気になるわけで、今後松川での湯治には大量のビールとともにマストアイテムに認定したいと思います。

翌朝はピーカンとまではいかないもののまずまず良い天気で、存分に硫黄を経皮吸収して撤収の運びとなりました。

昨夜は客の入りがよくてだいぶ儲かったような感じで、雪だるまがホクホク顔でお見送りしているように見えました。
岩手 峡雲荘 撤収時

あ、そうそう、大陸からのお客さんがたは、夕方の入浴でそれらしき入浴者を数名見かけたものの、ほとんど関わることも目にすることもなく、何事もなく至って快適に一泊を終えたのでした。

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