高東旅館
東北（宮城県）格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
大崎　川渡温泉

≪２０２０年０４月宿泊≫（１泊）

一か月くらい心身に鞭打って消耗の果てに、なんとか資料作りが終わったのです。
世の中コロナコロナで不要不急は敵だみたいな風潮で、そりゃ良くわかりますけど、自分にとって温泉は心身を維持するカンフル剤的マストイベント、なにしろ湯治を心の支えに頑張ったんですから許してください。

鳴子郷ももはやダメかなぁと思いながら問い合わせして宿泊却下されたのが２軒、いったん踵を返して奥土湯でやはり１軒却下ののち、藁にもすがる思いであちこちホームページを見回っていてもしやと問い合わせて宿泊を許可されたのがこちらだったのです。

宮城県も他県もゴールデンウィークは外出するなとは言ってて、「ゴールデンウィーク連休期間の行楽を主目的とする宿泊に係る事業」は休業要請だそうだけど、湯治は行楽と同一視しないでほしいんですけどねぇ。
自炊一泊＠３９３０＋消費税￥３９３、入湯税が￥７０で締めて￥４３９３でなんとか一息つけそうで、天は自ら助くる者を助くというヤツです。

前回チェックインは１３時到着でノープロブレムだったから、今回も娑婆で食材購入したりして正確に同時刻着です。


予約電話ではあ～リピーターの方ですねみたいな感じで、だから自炊部玄関から入って帳場に行って、いらっしゃいませ１０５号室ですご自由にどうぞ以上、みたいな感じのチェックイン終了、常連扱いともなるとすごく合理的というか事務的というか物事がはかどります。



外鍵のかかる木扉をあけると踏み込み０．５畳、そのまま６畳敷きの客室で窓際板敷き濡れ縁２畳がついて実質８畳だから結構広々なのは、毎度のことです。




踏み込みの横が衣装入れと押し入れと荷物置きスペースになっていて、結構それなり機能的な構造です。
室内設備はちゃぶ台、お茶セット、無料１９インチほどで６チャンネル地デジが映る壁掛けテレビ、ファンヒータ、１２０リットルほどの２扉冷蔵庫です。


濡れ縁部に洗面があって、室外に出なくても洗顔とか簡単な洗い物とか用が足せるのはかなり便利な気がします。
洗面上部にはエアコン、濡れ縁逆側に２～３人分としてはやや少ない食器を収めた作り付けの食器棚があります。


窓はダブルガラスでしっかりしたカーテンがかかっていて、網戸も入っています。
自炊宿泊コースなのに浴衣があって使わずじまい、ほかにはアメニティは一切ありません。
押し入れにはマットレス、木綿敷布団、木綿掛け布団、毛布が２セットあります。

コンセントはＴＶの下に２口×１（ＴＶと冷蔵庫用）、洗面横に２口×１、食器棚下に２口×１（一口ファンヒータで使用）、そこそこ多くて使いやすい感じです。
数多の自炊宿に泊まった経験からすると、結構小ぎれいさと機能性でポイント高いです。

荷物搬入、寝具設営が完了したら取るものとりあえずまずはお風呂です。

風呂は旅館棟１階に男女別と貸し切り家族風呂があります。

物は試しでこれまで顧みもしなかった家族風呂に入ってみましたが、当初湯温４４～４５℃、ここんちの湯はピリピリする湯質で実温度より熱目に感じるんですが、我慢しようなんて殊勝な気はさらさらなく大量加水します。


今日は湯は透明、薄めの緑茶飲料な感じで、館主が来客はほとんどないって言ってたけどなるほど鮮度良好です。
１．５ｍ×２ｍくらいの四角い浴槽で、小さい分すぐに適温になるのと２面が窓なので換気がいい感じです。


昨今は密閉空間が忌み嫌われていて、そういう意味では風通しがいいのは結構なんですが、せっかくの硫黄臭が飛ばされて全く感じられないのはちょっと残念ではあります。
シャワー付き混合栓×１基はありますが石鹸の類は一切ありません。

少し家族浴槽を楽しんだら男性浴室に移動です。



男性浴室には２．５ｍ×２．５ｍくらいの∩（弾丸形）、たぶん家族風呂と同源泉の給湯量数リットル／分の浴槽があります。


今回は泊り客は自分の他にはご夫婦一組で、風呂は結局フルに独占、自炊部廊下で２～３回見かけたくらいでほとんど貸し切り気分でした。
なので男性浴槽もがっつり加水して３９～４０℃くらいでぬるめの湯を楽しみました。

チェックイン当日は２時間入浴ののちいったん夕食の下ごしらえ後また１時間、翌朝家族風呂０．５時間＋チェックアウト前に小一時間、ってな感じで心身をケアしました。
小ぶりな浴槽で密接を余儀なくされるのはイヤだなと思っていて、ウィークデーだし外出自粛だし、空いてることを期待してきたのですが狙いたがわず、密接も密集も密閉も片鱗もない大当たりな滞在でした。

緑茶飲料を連想する透明な緑色の湯は、翌朝はそれにかすかに白濁が入っていて、これは湯の鈍りというよりは源泉のコンディションの変化だろうという感じでした。
もともと疲労もあるところに結構疲れる湯でもあり、湯船の中でも湯船の外でも居眠りの連続で、それでも夜もよく眠れます。
体感的には冷えの湯で湯上りの火照りもじきに収まるので、冬場は温かさが続かないのはイマイチながら、春から秋は湯上りが快適でよいとも言えます。

共同炊事場は電子レンジ、オーブントースター、炊飯器、調理器具少々、プライパンとか鍋釜類と一通りあり、水蛇口２・湯蛇口１、無料コンロ３基、食器洗い洗剤もあってこちらも使い勝手はなかなか良いものです。





晩酌は豚テキとか、鮭ハラス、グラタン、ポテサラ、野菜のクリーム煮とかで、あとはたっぷりの水分です。
鮭ハラスは食べる段になって中塩なのがわかって、これ単体だと塩っぱすぎて食べ残してしまいました。


こちらのお宿では洗剤備え付け洗濯機もあり、トレーニング室もあります。
トレーニング室にはＷｉＦｉ親機もありますが、１０１号室に泊まった時は快適に使えたものの、１０５号室だと距離が遠くなるのですごく遅くて使いものになりませんでした。


冷えの湯系ということで少し泉質が好みでないけど、冬季暖房料の請求はないし新しめ小奇麗な宿なので一般受けは良いでしょう。

鳴子全体では大部分の湯宿がゴールデンウィーク明けまで営業自粛だそうで、でも当宿だけはゴールデンウィークも平常営業だとのことで、気にしすぎるのも気にしなさすぎるのもどうだかなぁ、って感じです。
帰宅してから改めてホームページを見たら、ゴールデンウィーク明けまで宿泊受け入れ中止に表示が変わっていて圧力に屈したのか、今回宿泊できたのはものすごくラッキーだったのかもしれません。

撤収しながら、ちょっと盛りを過ぎてでもまだ咲いている桜と、菜の花のコラボに心和ませたのでした。



自粛中の数多くのお宿が、早く安心して営業再開するのを願うばかりです。