姥の湯旅館
東北(宮城県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
大崎 鳴子温泉
≪2020年05月宿泊≫(1泊)
世の中コロナでちょっと遠出するのも白い目で見られるようなムードで、でも根を詰めて資料づくり@ステイホームしてたら現実逃避願望&硫黄欠乏症に支配されてしまい、気づいたらこちらを予約してしまっていました。
一泊@3700と現地でオプション料金が¥20(いずれも消費税込み)、これに入湯税¥70が加わって締めて¥3790になります。
チェックイン15時のところ14時半着、自炊棟玄関の内線で帳場を呼び出したところ、お部屋係が出勤して来てないから手続きは後ほどとしてとりあえず部屋にどうぞと東12号室にご案内です。
かつて隣で営業していた東川原湯跡地には、なんか新しい建物ができて誰かが湯を独占満喫しているのがうかがわれます。
見取り図でいうと左上の自炊棟は、建物の南北に並行した廊下が客室8室を中に挟んで、かつ建物中央を貫通して南北廊下がつながったH形をしていて、その内側に窓のない部屋があります。
北東2部屋、北西2部屋、南東2部屋、南西2部屋といった感じで、基本的に廊下端部の部屋は鍵付き扉で廊下が遮断されている感じです。
今回も携帯電話の充電用に、電源コンセントの変換プラグをレンタルしました。
当宿の室内コンセントはプラグ形状が特殊で、有料で変換プラグを借りないと利用できません。
テレビを借りたり、備え付けのガスコンロを使ったり、電気製品を持ち込んで(電気コンロやカセットコンロは防災上の理由で持ち込み禁止になってます)電気を使ったらたぶんオプションチャージが追加される感じです。
自分は湯治でテレビはほとんど見ないし、無料電子レンジがあるから1泊くらいならガスを使うこともないし、オプションチャージは今回もコンセントだけです。
ちょうど裏側の東16号室に泊り客が一人だけ、今は越県の自粛要請期間中で当宿もいちおう県内のみ受け入れしています。
その人も県内の人なんでしょうか、チェックインで宿帳に住所は書くから確認はされてはいるんだろうけど、だからといって免許書提示とか確認まではされませんでした。
まぁ自分は仙台ナンバー車だから自明ではありますが。
東12号室は他の部屋同様に障子で廊下と仕切られているだけで、隣の部屋に人がいたらTV音声や話し声が筒抜けの部屋です。
6畳+荷物置きスペース1.5畳という間取りで窓はなく、廊下との仕切りふすまに鍵さえかからないトラディッショナルレトロな湯治部屋です。
室内備品は和テーブルとちゃぶ台、座布団・座椅子と寝具とシンプルを極めますが、以前の時も和テーブルとちゃぶ台があった気がして、なぜ2卓あるのか謎です。
事前に搬入された寝具は薄くてかたい木綿敷布団×1と羽毛掛け布団×1だけのシンプルさで、アメニティもポットも浴衣もタオルもお着き菓子もなくて、自分には特に違和感なしです。
自炊する際は共同炊事場で下ごしらえして、煮炊きするときは部屋の前の廊下窓際の有料コンロを使います。
共同炊事場には自由に使える電子レンジ(無料)と無料冷蔵庫(150リットルくらい)×2、流し×2、食器洗剤とスポンジがあります。
コイン洗濯機は以前あったけど無くなっていました。
部屋前の調理台の下には、各部屋専用でお茶セットと2~3人分くらいの最低限の食器が備え付けられており、共同炊事場にも食器ストックがあるので不自由することはなさそうです。
調理器具類はほとんど見当たりませんでしたけど。
湯治宿らしく自炊部玄関施錠・ガス使用終了・消灯とも21時となっていますが、そもそも客がほとんどいなくて静まり返ってました。
浴室構成は以前と変わらず、義経風呂(泉質表示:ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉)、男女別こけし湯(泉質表示:含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩、塩代物泉)、亀若の湯(泉質表示:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉)、露天・啼子の湯(泉質表示:ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉)があります。
義経風呂とこけし湯(硫黄泉)は、チェックイン時には清掃後の湯溜め中で、硫黄泉に入るために来たのにしばらくお預けです。
まぁ湯が入れ替わって新鮮なヤツを味わえるからひとまず良しとしました。
露天・啼子の湯は15時以降女性専用になるので入りそびれ、まず攻めたのは亀若の湯です。
泉質表示によればナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉なんだけど、なぜか入り口には単純泉と掲示されていて、でも見た目鉄泉系なのです。
湯水蛇口なし、シャンプーボディーソープなしです。
湯温41℃を30分ほど、体を湯に慣らす感じで入って、そろそろこけし湯は入れるかと覗いてみたのですが全然湯がたまっていなくて、いっぽうで義経風呂は湯がたまって入替中の札が取れていたので、せっかくだから義経突入です。
こちらの湯は無色透明無味無臭で、こちらこそ単純泉のような気がしてきます。
ちなみに義経風呂は旅館部宿泊者だけ入浴OKという表示にはなっているけど自炊客も入浴OKで、湯水蛇口は2基あり、シャンプーボディーソープありです。
義経風呂脇には、利用条件などは不明ですがこじんまりした貸切風呂があります。
湯温43℃ほどで自分には少し熱いのと、早く硫黄に入りたい欲求を抑えられず30分ほどで上がりました。
ところが残念ながらこけし湯は先ほどから数センチ湯量が増えたかどうかで失望、この段階で今日中に硫黄に入るのはあきらめ、やむなく亀若の湯に再突入して1時間ほどリラックスしました。
本命のこけし湯にしっかり入るにはどうやら翌朝チェックアウトまでに巻き返すしかなさそうで、なので今日はあまり攻めず早飯早寝が得策と考え作戦変更して、都合2時間の入浴で早々に夕食にしました。
今回はほぼレンチンだけで夕食を済ませるつもりでいたので、夕食材のほとんどは総菜です。
水分も十分に取ったら食後激しく魂が抜けて、風呂には都合2時間ほどしか入ってなかったのに座ったまま20分ほど気絶してしまい早々に布団に入りました。
おかげで硬くて寝心地のイマイチな布団でもよく眠れました。
翌朝の作戦行動開始は6時、硫黄泉に行ったらもう一人の宿泊客が入浴中で、どうしたもんだかと風呂前で考えていたら上がってきたのですかさず入れ替わりました。
換湯後の一番風呂は先を越されたけど、40℃ほどの白濁を2時間たっぷり楽しみました。
湯水蛇口1基、シャンプーボディーソープなしです。
露天風呂の啼子の湯にも入ってもいいかなと思っていたのですが、朝のうちは雨天で、雨が上がったころには掃除が始まって、結局今回は入浴見送りです。
したがって、こけし湯2時間入浴ののち一旦撤収準備のため上がって、その後また小一時間こけし湯に再突入して硫黄の吸収に励んだのです。
心身のゴキゴキ感はかなり楽になりました。
当宿にはWiFiがあって、今回はけっこうyoutube音楽再生もスムーズでした。
こちらの宿は滝の湯保存会の会員宿なので、いつもはお勘定のときに滝の湯無料入浴券(一人1泊1枚当日限り)をねだるのですが、今回はコロナの影響で滝の湯は休業中で、やむなくそのまま帰りました。
本格的な調理はちょっと難しいのと、敷布団が薄っぺらくて硬いのでやや滞在快適性はイマイチながら、滞在費用は鳴子では比較的リーズナブルだし、4種類の湯に加え滝の湯も湯めぐりができるし、特に硫黄泉はなかなか濃いし、割り切れば使える宿だと言えるでしょう。