好山荘
東北(福島県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
福島 赤湯温泉
≪2020年07月宿泊≫(1泊)
今年は当宿もコロナのあおりで5月末まで宿泊受け入れを自粛していて、春先に宿泊申し入れたものの2回ばかり拒絶され、あれこれ所用とかで訪問するチャンスに恵まれないままようやく7月も三分の一が過ぎて新年のあいさつに来れたのです。
いつの間にか冷房付きの宿か標高の高い湯治湯しか行く気になれない季節になっていたりします。
数日前にハードな関西への弾丸帰省&法事をなんとか無事に終え、深く静かに頑固にこびりついた疲れをリセットしパフォーマンスを回復するために見晴らしの湯が不可欠と冷徹に判断したわけで、自炊一泊オール込み@3600でお世話になりに来たのです。
下界は日中28℃の汗ばむ陽気ながら、標高1100m越えた当地は13時過ぎでも19℃と快適で、周辺の樹木は今が盛りの絶好調という感じです。
玄関のマネキンちゃんは夏らしく浴衣姿で、マスクを装着してコロナ徹底抗戦をアピールしています。
今日のお部屋はというか今日もですが6番客室、あとは勝手知ったるいつも変わらぬ常宿、と思っていたら、なんと看板犬のコジローが昨年10月に他界し、館主のオヤジさんも先月お亡くなりになったと聞かされてびっくりです。
女将と従業員おばさん2人が一斉にしゃべるので、コジローが死んだ話と館主が他界した話が入り混じって、ハイハイ順番に喋ってねみたいな感じで理解するのに難儀しました。
あまり根掘り葉掘り聞くに聞けないなかで理解できたところでは、コジローは静かに寝てるなーと思っていたら気づいたら冷たくなってたのが昨年10月、16歳だったそうです。
訪問した時はうんと小さくなって、いつも首に巻いてた赤いバンダナにくるまれて箪笥の上に静かに座っていました。
館主は心筋梗塞だかでほんの3週間ほど前のご他界、急に当宿も寂しくなってしまいました。
心からご冥福をお祈りしたいと思います。
それでもせっかく来たんだしと気を取り直し6番客室に入室です。
ちなみに6番客室は相変わらず11畳客室でシングルガラス窓にカーテンあり、室内設備はコタツと座布団、19インワイドの無料テレビ(地デジ5チャンネル)ポット&お茶セット、食器棚、火鉢で変化なしです。
押入れには木綿敷布団・マットレス・木綿掛け布団・毛布が5セット、コンセントはテレビ横に2口×1(TVで1口使用)です。
寝床を設営したらまずはお目当ての見晴らしの湯で故人と故犬をしのぶことにします。
給湯パイプをつなぎ変えて給湯を止め40℃ほどに調整したとたんに意識喪失し気づいたら2時間半後、気づけば湯は37℃くらいでナマヌル極楽湯は入り心地最高です。
見晴らしの湯は基本入浴一回30分だけど、長風呂するために早めに来たのだし許されることにしておきましょう、コジローも許してくれると思います。
驚いたことに脇に電動シャワーが設置されてて、浴槽から湯をくみ上げてシャワーする仕組みだとはいえ、格段に近代化された感じです。
ちなみに湯のコンディションは、昨年より湯の花の量が多くなって湯温も上がって力強さがアップしてる気がしました。
そんなわけで意識喪失している間にあっという間に17時になったので、下に降りて夕食食準備からそのまま夕食です。
炊事場は、120リットルくらいの2扉冷蔵庫と基本宿専用の300リットルほどの冷蔵庫があり、電子レンジあり、鍋釜薬缶フライパンあり、食器類あり、調理器具あり、食器洗い洗剤&スポンジあり無料ガスコンロ4基ありで、炊飯器はないけどお釜はあって、少し雑然としてはいるけど設備充実といえます。
自炊客というか宿泊客は自分だけだから、炊事場は貸し切り自由に使えてお値段以上、というヤツです。
来る途中にちょっと遠回りして入手した伊達鶏のつくね焼き鳥とかコロッケ、豚ステーキ、野菜炒めとかたっぷりの水分とか、健康とコンディション回復が期待できる食事でした。
翌朝活動は内湯赤湯42℃からでまずは10分ほど、赤湯露天はスルーしました。
営業自粛期間よほどヒマだったか、脱衣所内装の床板とかが張り替えられて綺麗になっています。
軽い朝食後は白湯露天、こちらも脱衣所タンクが白く塗りかえられてます。
いつものごとくワイルド感満点で39℃ほどでコンディションは良かったのですが、いかんせん季節柄でかいブヨが飛んできたので5分ほどで撤収して見晴らしへ移動しました。
やはり当宿は見晴らし湯が気分最高、地面から少しだけ高いので、ブヨの飛翔力だとここまでは上がってこれないようです。
1日の受け入れ10組だけの別格温泉宿とかが世の中で珍重されてるようですが、当宿は自分だけの貸し切りもしばしばで、これぞ気兼ねのない宿と言っていいでしょう。
旧友が居なくなっちゃったのは寂しいけど、出会いと別れは人生の習い、暑さが峠を越したらまた来ますと女将さんに告げて山を下りました。