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姥の湯旅館
東北(宮城県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
大崎 鳴子温泉

≪2021年12月宿泊≫(1泊)

そこまで言うかって言われそうですが、布団が薄っぺらくて寝心地がいいとは言えないし、コロナ流行からしばらくしてGoTo便乗としか思えない宿泊料値上がりがあり、あまつさえホスピタリティもやや改善の余地があってどうも気が進まなくて遠ざかっていたこちらですが、ちょっと硫黄欠乏になって手っ取り早く摂取したくなったからみやぎ宿泊割キャンペーンをご利用して一泊することにしました。

宿泊代@5300+暖房費¥200=¥5500に消費税¥550、入湯税¥70で都合一泊¥6120のところ、宮城県の宿泊割引キャンペーンの適用を申しいれて¥2000宿泊補助をうけ清算額¥4120、宿泊割クーポン¥1000をゲットし実質¥3120で宿泊しました。

筋金入りのボロフェチならともかく、老朽化して設備も居心地もさほど良くないこの宿が一泊素泊まり通常料金¥6000超えって、なんだかなぁではあります。

予約電話したらチェックイン15時だとのことで、そのころ着宿しますと言ったら15時までは入館できませんとぴしゃりといわれました。

時間破りの常習犯だということまでは悟られてはいないだろうから、早く着いたら部屋でのんびり寛いでもらおうとか、そういうホスピタリティが希薄なのでしょうか。

過去4回泊って、うち2回は事前通告なく行ったら風呂の清掃や工事をしていて入浴に支障をきたし不自由を味わったので、今回はすべての風呂にちゃんと入れることを確認しての訪問です。

15時5分に着いたら、悔しいことに目の前で一人客に先んじられてしまいました。

宮城 姥の湯旅館

宿の国道がわの駐車場に車を押し込んで、帳場でチェックインし宿帳と宿泊割書類を記入してクーポンをゲットして、自炊棟の南側の東16号室にご案内です。

宮城 姥の湯旅館 宿泊割クーポン
宮城 姥の湯旅館 東16号室
宮城 姥の湯旅館 東16号室

自炊棟は廊下が客室を挟んで建物の南側と北側の窓べりと中央貫通のH形をしていて、その内側に窓のない客室が8部屋あります。

宮城 姥の湯旅館 見取り図

北東2部屋、北西2部屋、南東2部屋、南西2部屋といった感じで、廊下端部の部屋は鍵付き扉で廊下が遮断されて3部屋は少しだけセキュリティが高くなっています。

宮城 姥の湯旅館 廊下

さほど混んではいまいとタカをくくっていたのですが、自分含め自炊駐車場に車が4台、風呂で見かけた宿泊客が4~5人と意外に繁盛していてびっくり、思ったより世の中物好きが多いようです。

自炊客室は障子で廊下と仕切られているだけだし壁も薄くて、隣の部屋のTV音声や話し声があると筒抜けになります。
今回は自炊部は東11号と12号に泊りがあるみたいで、でも物音はほとんどなくてその点は快適でした。

部屋は6畳+荷物置きスペース1.5畳くらいの間取りで窓はなく、廊下との仕切りは鍵のない障子という、レトロ炸裂な湯治部屋です。

宮城 姥の湯旅館 東16号室

室内備品は座卓とちゃぶ台、座布団・座椅子と寝具、コンセントとファンヒータとシンプルです。

宮城 姥の湯旅館 東16号室

この自炊棟は廊下に配管がむき出しになっていて、冬季はそれに温水が流されて暖かくて暖房料負担は必要なかったのですが、少し配管の温度が下がっていて、ファンヒータ暖房を入れて暖房料を徴収するように変わったのでしょうか。

宮城 姥の湯旅館 東16号室

予約電話の時に、工事や風呂掃除は予定してないがたまに湯が停まることがあるような口ぶりだったから、その関係なのでしょうか。

今回は部屋にすでにファンヒータと変換コンセントがあり、コンセント貸し出し料金請求はありませんでした。
当宿の室内コンセントは特殊なプラグ形状になっており、以前は変換プラグのレンタルをしないと電源は利用できなかったのです。

テレビを借りたり電気製品を持ち込んで(電気コンロやカセットコンロは防災上の理由で持ち込み禁止になってます)電気を使ったら都度オプションチャージがかかりそうな気がしますが、今回はスマホの充電はしてもよいとのお言葉でした。
テレビは特段見たいと思わないから要らないし、電子レンジが無料で使えるのでオプションチャージはかかりません。

事前に搬入された寝具は薄くてかたい木綿敷布団×1と化繊掛け布団×1だけのシンプルさで、アメニティもポットも浴衣もタオルもお着き菓子もなくて、まぁ自分には特に違和感なしです。

部屋前の調理台の下には、各部屋専用でお茶セットと2~3人分くらいの最低限の食器が備え付けられており、共同炊事場にも大量に食器ストックがあるので不自由することはありません。
自炊する際は共同炊事場で洗い物をして、煮炊きは基本部屋の前の廊下窓際の台のコンロを使います。

といっても以前は部屋前のコンロは全室コイン式だったのですが、今回東16号室にはコンロ自体なくて、他の部屋はコインコンロがあったりコインタイマーのない無料と思われるコンロの部屋もありました。

宮城 姥の湯旅館 東16号室前

共同炊事場には自由に使える電子レンジ(無料)と無料冷蔵庫(150リットルくらい)、流し×2、食器洗剤とスポンジがあります。
調理器具類はほとんど見当たりませんでした。

宮城 姥の湯旅館 共同炊事場
宮城 姥の湯旅館 共同炊事場

湯治宿らしく自炊部玄関施錠・ガス使用終了・消灯とも21時となっています。

荷物搬入したらなにしろ風呂です。

浴室構成は以前と変わらず、義経風呂(泉質表示:ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉)、男女別こけし湯(泉質表示:含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩、塩代物泉)、亀若の湯(泉質表示:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉)、露天・啼子の湯(泉質表示:ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉)があります。

宮城 姥の湯旅館 浴室案内
宮城 姥の湯旅館 浴室前

入館で先を越された泊り客より先に硫黄泉に入ろうと思ったけど、やはり数分とはいえ許したリードは無視できなくてまたもや先を越されてしまいました。

旅館部にある義経風呂は無色透明でちょうど湯の入れ替えが済んだところで、旅館部宿泊者だけ入浴OKという表示にはなっているけど自炊客も入浴OKで、湯水蛇口は2基あり、シャンプーボディーソープありの湯です。

宮城 姥の湯旅館 義経風呂

係が温調するまでお待ちくださいという表示が出ていたので、よほど強行突入しようかと思ったけど証拠写真だけいただいて亀若の湯に方針転換します。

宮城 姥の湯旅館 義経風呂

亀若の湯は入り口の表示は単純泉で、40℃くらいでいい塩梅の毎分数リットルの薄め鉄泉っぽい湯で、湯水蛇口なし、シャンプーボディーソープなしです。

宮城 姥の湯旅館 亀若の湯入り口
宮城 姥の湯旅館 亀若の湯脱衣所
宮城 姥の湯旅館 亀若の湯

30分ほど亀若の湯で時間をつぶし、空いたのを確認していよいよお目当てのこけし湯(硫黄泉)に突入します。

宮城 姥の湯旅館 こけし湯入り口
宮城 姥の湯旅館 こけし湯脱衣所

男性こけし湯は白濁硫黄泉で硫黄臭もやんわりの毎分数リットル、チェックイン日で43℃翌朝40℃とやや熱めながら、湯が柔らかいもしくは活性が落ちているからかあまり熱さは気にならず、夕方まで1.5時間ほど硫黄吸収に励みました。

宮城 姥の湯旅館 こけし湯
宮城 姥の湯旅館 白熊さん

その間、日帰りと思しきお客さんが10分ほどいた以外は貸し切りを満喫です。
もっとも、昔はもう少し硫黄が濃かったような気がしなくもないです。

ちなみにこけし湯は湯水蛇口1基、シャンプーボディーソープなしです。

露天風呂の啼子の湯は15時から21時まで女性専用になっていて、チェックイン日には入れないのがちょっと不便です。

硫黄泉を満喫した後はレンチンだけで用意できるナンチャッテ自炊の夕食開始、レンチン野菜、しめ鯖、グラタン、つくね棒と自宅で焼いてきた肉少々、健康に不可欠な水分です。

宮城 姥の湯旅館 夕食

今回想定外だったのは自炊場に包丁がなかったことで、帳場に行けば貸してもらえるだろうとは思ったけどめんどくさくて、しめ鯖は丸かじりました。

宮城 姥の湯旅館 しめ鯖

食後意識が遠のいて23時頃まで魂が抜けていたのは、近頃はいつものことです。

翌朝は6時半行動開始、まず硫黄泉に一時間入って体のスイッチを入れます。

宮城 姥の湯旅館 こけし湯

起きたら10cmほど雪が積もっていたので体を温めてから露天・啼子の湯、滅多にチャンスのない雪見入浴というか雪中入浴です。

宮城 姥の湯旅館 露天出口

さすがに外気温が低いこともあって38~39℃の絶好長風呂温度ながら、少々寒くて10分ほどで撤収しましたが、無色透明無味無臭毎分数リットル、湯水蛇口なし、シャンプーボディーソープなしの湯です。

宮城 姥の湯旅館 露天風呂

一旦部屋に戻って簡単な朝食をとり荷物をまとめて、再度30分ほど硫黄泉に名残を惜しんで撤収しました。

宮城 姥の湯旅館 こけし湯

こちらの宿は滝の湯保存会の会員宿だったハズで、以前はお勘定のときに滝の湯無料入浴券(一人1泊1枚当日限り)が貰えたのですが、今は提供をやめてしまったのだそうです。
ますますロイヤリティが低減してしまいました。

ちなみに旅館部の源義経風呂脇の貸切風呂は使用禁止になっていて、結局今回は義経風呂は指先で温度をみただけで終わりました。

宿にはWiFiがあるので、ネット接続は問題ありません。
布団は薄っぺらいので、今回は自分は素知らぬ顔をして湯治専用マットレスを持ち込み重ね敷して快適快眠でした。

マイルドな硫黄泉と部屋の古び感はなかなか好きなのですが、設備やホスピタリティのわりに不釣り合いに高い宿代が少々引っかかって、しかも湯が停まり気味らしいのが深刻に懸念される宿です。

なおゲットした宿泊割クーポンは、帰りがけにビールに姿を変えたそうです。

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