大深温泉
東北(秋田県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
仙北 大深温泉
≪2023年09月宿泊≫(1泊)
今年もはや9月末、今年は営業開始が遅れた割に営業終了は10月10日だそうで、それに間に合うように行かねばと2年ちょっとぶりに北岩手周遊の決行です。
ここに直行するには距離があるので国見温泉をアタックキャンプにして、2泊目がこちらになります。
当日は朝からそこそこな雨、まぁこういうときもあるさで田沢湖から裏八幡平まで普段の2割引きのスピードで北上します。
途中の大場谷地近辺はわずかに紅葉が始まったくらい、今年は紅葉も遅れ気味だろうと思います。
カーブが多いから慎重にスピーディに走って到着したのは13時過ぎでした。
自炊湯治はそれでなくとも持参品が多いのですが、こちらだとスポンジシート2枚、布団1枚、枕、毛布が普段より多くて入宿も少し大変で、結構しっかり雨が降ってるなかをチェックインしネコ車を借りて荷物搬入します。
ちなみに宿泊料金は本体@2200+入湯税がなぜか¥150、例年前払いなのですが今年は後払いでした。
入室するのは無論古いほうのオンドル大部屋、本拠を構えるのはいわずとしれた一番奥左側の、床温度が低めで他客から距離のあるなじみのポジション、さっそく今宵のお家を設営します。
今年も営業開始が遅れたのに加え今日は天気が悪いので気持ちよく空いていて、新オンドルでも数人ほどだし、先客はケダルいムードのおねぇさん一人でしたが日帰りみたいです。
14時から1時間、いよいよ大深の湯を満喫します、
入浴者が少ないので、遠慮せず心ゆくまでナマヌル湯にして満喫します。
いったん上がって前泊の宿で朝作った今宵のオカズを源泉槽に沈めてから再度風呂に突入したのですが、先客のおねぇさんはいなくなってて今宵はオンドル一棟貸し切りかと期待爆発です。
湯屋の壁が妙に新しくなってるとは思ってたんですが、遅れて到着して後から入ってきた新潟の常連さんによれば、今年は風呂の壁が雪で壊れたために開業が2か月遅れたのだそうです。
ついでに聞いた話では、後生掛温泉にもあったオンドル大部屋雑魚寝の湯治宿泊営業は1年前くらいに受け入れをやめてしまい個室オンドルがかろうじて残るだけだそうで、だいぶ前に銭川も営業をやめたらしいし、今や東北で由緒正しいオンドル湯治宿は当大深温泉だけらしいです。
個人的にはオンドルの熱さは合わないのですが、さりとて古くからの湯治文化が廃れていくのは残念極まりないと思います。
風呂を上がって、源泉に投入した密閉タッパー入りの今夜のご飯をもってオンドルに戻ったら、2組3人の泊り客が入り口近くにはいってて、貸し切りを期待してただけにがっかりです。
今夜のご飯は前泊の森山荘で当日朝に作った、焼肉、焼きサバ、エビ焼きそば、野菜炒めと水分になります。
以前はオンドル脇の地獄蒸しで料理を作ったりもしたのですが、時々温度が不安定になってそれで食事にありつけなくなるとシャレにならないので、近頃は事前調理して温めたら食べられるものを持参しています。
食べ終わって洗い場に出たら食器洗い洗剤がなくて、持参していたものを使いましたが、当宿には食器洗い洗剤は常備ではなさそうに思えてきました。
後片付けを済ませたら例によって意識喪失し、気づいたら消灯時間を大幅に超えた23時頃、あわてて電気を消して就寝しました。
それにしても毎度ながら暑苦しいし寝床が硬いうえに、今回は入り口近くのピン客の持ち込み品が30分おきくらいにアラームを鳴らしてそのたびに目が覚めます。
どうも喘息持ちのヒトで持ち込んだ酸素ボンベの音みたいなんですが、本人はいつものことで気にしていないようだが突然鳴り出すから耳に触るのです。
人それぞれ自分では気づかなくても人に迷惑かけてることもあるだろうからと苦情まではしなかったものの、二度と来ないでほしい客です。
窓は絶妙に開けてて、ちょっと暑いけど少しひんやりちょうどいい雰囲気になってたのに、熟睡できなくて残念でした。
朝は自然覚醒で6時過ぎの起床、半そでTシャツ一枚で屋外に出ると激寒かったから一桁前半の外気温だったでしょう、とりあえず小雨を突っ切り小一時間朝風呂を味わいます。
ちょっと熱めだったのは当然加水して入浴、いったん上がって軽い朝ごはんをして、撤収準備してたら管理人さんに会ったのでさっさと料金精算します。
今年の営業は10/10までなのは事前に把握していたのですが、仰天したのは来年開業の見通しが立たないのだそうです。
前にいた管理人さんは姿が見えないと思ってたんですが入院してるのだそうで、今の管理人さんが一人で大深をまわしているけど手が回らなく、でも補充人員確保の目途がたたないのだそうです。
よもや大深温泉を就労人口減少問題が直撃するとは思わなかったのですが、人材確保するには少々条件の良くない職場にも思え、確かに状況は深刻です。
人を確保するために報酬をあげたら宿泊料に影響が出るだろうし、人がいないと来年の開業も危ぶまれるわけで、まさかこういう形でオンドル大部屋湯治文化が絶滅の危機にさらされるとは、ここは経営元の大里病院のがんばりに期待したいものです。
宿泊料を支払ったあと今年の名残の湯に再突入し、水場に寄って美味しいことで評判の湧き水を給水して撤収です。
来年無事に開業できることを祈りながらアスピーテラインを通って八幡平側に降りたのですが、山頂付近はいい塩梅に濃いガスがかかって気温11℃ほどだし、途中岩手山の全景を見たのに満足したものの娑婆は25℃、あさイチで5℃に届かないくらいだったと思うから結構な温度差のある一日でした。