須川高原温泉旅館
東北(岩手県)格安温泉宿泊・自炊・湯治おぼえがき
一関 須川温泉
≪2024年09月宿泊≫(1泊)
近年宿泊料金がバカ高くなって、さすがに年4泊も5泊もする気になれなくなった須川ですが、それでも越冬用の仙人水を汲み方々、秋には泊りに来るのがお約束だったわけです。
10月になったら紅葉シーズン価格だって聞いてたから9月下旬に訪問日程を組んで宿泊予約したところ、あろうことかすでに紅葉時期のハイシーズンだから1泊¥7115です、だとのこと。
マジメにどうしようか考えたものの、しばらくおとなしくしてたから体はギシギシで如何ともしがたく、今年は慣習を守ることにして相当に葛藤しながらですが山を登りました。
12時過ぎについて一旦仙人水を汲みに通りすぎて、駐車場まで戻ったのが13時過ぎです。
もちろんと言っておきますが、周辺は緑青々で紅葉の片りんもなくて紅葉シーズンだなどというのはこじつけ無理強い以外の何物でもありません。
気温は9℃、その昔まだ従業員の離職がひどくなかった頃、馴染みのフロントさんがここの気候は北海道並みですからねぇと言ってたのを思い出すのですが快適なのは確かです。
予想通り部屋はまだ準備できてなくて、早着したヤツがわるいので(というか初めから織り込み済みだったのですが)帳場に荷物を預けて、なにはともあれ大日湯に直行します。
混んでるとまではいわぬものの13時過ぎに入湯して1時間強、貸し切りになったのはほんの10分ほどでした。
たまたまなのか、トンボもイワツバメも全然いなくて、ブヨもいなくて、これで他に人がいなければどんなに快適だろうかとも思わずにいられませんでした。
そろそろ部屋準備できた頃だろうと14時半にあがってチェックインからの部屋入り、今日のお家は702号室、いつもお世話になってる電子レンジ前703号室の右隣です。
部屋はいつもながら外鍵がかかる木の開き戸を入ると0.5畳の踏み込み、畳敷き6畳客室スペースの窓側には2畳ほどのキッチンスペースがある自炊部標準タイプの客室です。
室内設備はなぜかすでにファンヒータがあり、5チャンネル映る22インチの液晶テレビと金庫、座卓とお茶セットで、キッチンには120リットルくらいの二扉冷蔵庫、流し、無料コンロが一基、食器棚があり、食器少々、鍋大小、やかん、包丁・まな板が常備です。
食器洗い洗剤とスポンジは常備されていないので、自分は忘れず持参しますが1階売店で調達することもできます。
共用電子レンジが須川荘入り口と2階廊下中央部に配置されているので、総菜や弁当持ち込みのレンチン自炊もウェルカムです。
寝具設営とか晩御飯の下準備とかして、15時半に大日湯に再突入します。
入浴時間が変わると、日の当たり具合で湯の色も浴感も少し変わるような気がするのが面白いところです。
とはいえ、十数年前と比べて硫黄はかろうじて臭う程度の薄さになり、酸もオレンジジュースより薄くなってしまってます。
シーズン初めは例年薄いのですが、この時期で湯が薄いのは、数日雨が降ったからか薄まったかのかとも思いましたが、露天の外の川底に結構藻が繁殖してて、酸が強かったころは藻なんか生えてなかったのでやはり湯が衰えてしまったかと思えます。
そういえば大日湯の温泉成分表示は平成17年のまま19年アップデートされておらず、大浴場と霊泉の表示は平成27年で9年前のままです。
温泉法が改正され、温泉成分は10年以内に再分析し内容の掲示が義務付けられてるハズなんですけど。
ともあれ、秋の夕暮れ、1時間大日湯で湯に浸かったりヒンヤリした風に吹かれたり、秋の湯治を楽しんだ後、少し大浴場も覗いてみました。
こちらも1~2人ながら人が絶えず、でも露天43℃、内湯44℃ほどでやはり湯が薄かったから軽く味見しただけで部屋に撤収しました。
霊泉は迫りくる空腹に追い立てられて覗くのすら忘れました。
夕食は和風焼きそば、豚ロース焼肉、イガメンチ、野菜炒め、秋鮭の白子酒蒸し、しめ鯖、とほぼほぼ居酒屋メニューになり、適量の水分で流し込みました。
この時期はほど良く涼しくて、露天に入るならもう少し肌寒いほうがのぼせなくていいのですが、食後に食器を洗うのに水が冷たくなくてはかどります。
もう少し寒いほうが、個人的には長風呂出来て心身を強制リセットできるから来た甲斐はあるのですが。
夜の大日岩はライトアップされているのですが、妙に暗くて、切れてメンテされていないライトがあるようでした。
夜は21時過ぎには寝てしまいました。
翌朝は6時起床直ちに大日湯に突撃です。
外気温は7℃晴天、絶好の露天コンディションです。
他客もそう思ってるらしく、1時間入って貸し切りになったのはほんの10分ほどで、大声でしゃべる田舎者グループが煩わしかったです。
一旦部屋に戻る途中で霊泉を覗きましたが、湯温47℃は温度計を入れるのさえ熱くて、平成27年版の泉質表示だけ確認しました。
軽い朝食と撤収準備しながら外を見たら突如空かき曇り、ガスで大日岩が全く見えなくなります。
その後晴れたり曇ったりで、山の天候の変化の激しさを感じます。
8時から大日湯にお別れに行って、30分ほどは入浴客がいて、その後9時半まで貸し切りました。
今回は最後までツバメ、ブヨ、トンボは見かけなかったものの、若干浮遊ごみが多かった気がします。
湯が薄まったのは心配だし物足らなかったのですが、それでも2週間ほど前に傷めたふくらはぎの筋肉痛は消失して、やはりアレコレ言っても湯治の霊験はそれなりにはあった気がします。
とはいえ栗駒登山のベースキャンプが欲しい登山客とホントの紅葉時期の観光客ならまだしも、自分ですら宿泊料に見合う魅力が見いだせなくなり始めていて、この先この宿は存続していけるのか懸念をますます強めつつ娑婆に下ったのでした。